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愛媛の山間部に点在する“屋根付き橋”はなぜ造られた?地域に根ざした珍しい橋の謎に迫る

愛媛の山間部に点在する“屋根付き橋”はなぜ造られた?地域に根ざした珍しい橋の謎に迫る

ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は全国100万キロ以上の道を巡ってきた道マニア歴26年の鹿取茂雄さんが、愛媛県の山間部に集中する“屋根付き橋”の謎に迫ります。

屋根のある珍しい“屋根付き橋” 内子町の「下の宮橋」「田丸橋」

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

鹿取さんと一緒に旅をするのは、愛媛のローカルタレント・らくさぶろうさん。

(道マニア・鹿取茂雄さん)
「今日は愛媛にある橋を巡りたい。地域に根ざした珍しい“屋根付き橋”が、一部の地域にだけなぜか集中してある」

他ではあまり見かけない“屋根付き橋”が愛媛には数多く存在し、なぜか内子町と大洲市(おおずし)の2つの町に集中していると鹿取さん。今回は、その謎の解明に挑みます。

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

まずは、鹿取さんが魅力的だと語る橋へ。2人が訪れたのは、喜多郡内子町にある1994年(平成6年)竣工の「下の宮橋」。集落と棚田の間にある川に架けられた木造の橋で、立派な屋根が付けられています。

(道マニア・鹿取茂雄さん)
「おそらく、この橋が傷むのを防ぐために屋根が付けられている。でも、全国の橋は雨にさらされているのに、なぜこの地域だけ屋根が付いているのか分からない」

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

さらに探るため、同じ内子町にある“屋根付き橋”へ。訪れたのは、「下の宮橋」から車で10分の場所にある、1944年(昭和19年)竣工の「田丸橋」。

(道マニア・鹿取茂雄さん)
「渡った先に集落があるので、この地域の生活のためにある橋だと思う」

現在はほとんど使われていないそうですが、屋根の内側に当時の様子が描かれた絵が残っており、農作物の置き場や憩いの場として使われていた様子がうかがえます。

「下の宮橋」も「田丸橋」も、もともと屋根が付いておらず、再建されたタイミングで屋根が付けられたそうですが、その経緯までは集落の人でも知らないようです。このような“屋根付き橋”が、内子町と大洲市にはなんと13か所も存在しているのだとか。

アーチが美しい“屋根付き橋” 弓削神社の参道

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

続いて訪れたのは、内子町石畳の集落にある「弓削(ゆげ)神社」。手前の池に参道として“屋根付き橋”が架かっており、太鼓の胴のように橋の真ん中が丸く上に反った“太鼓橋”になっています。

弓削神社は1396年、室町時代に創建。内子町と大洲市にある13本の“屋根付き橋”のうち、弓削神社だけ歴史が古すぎるためか、文献などにも記録は残っていません。

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

しかし、古くから大事にされてきた参道のため、定期的に集落の人たちで橋の補修工事をしているそう。屋根は10年に一度新しい杉皮に葺(ふ)き替え、橋脚は栗の木を使って修繕を繰り返しているのだとか。

鹿取さんは、橋を大事にしてきた住民が記録を残していないのは、昔から当たり前のように“屋根付き橋”があったからであり、弓削神社の参道の橋が13本の中で最も古い橋と言えるのではないか、と推測。そして、そこからすぐ近くの集落に伝わっていき、屋根を付けて橋を大事にする文化がこの地域に根付いていったのではないかと、鹿取さんは考察するのでした。

1月30日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より

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