国道417号の未開通区間に新道が完成!走行時間は1時間から6分に短縮 酷道ではなくなった「冠山峠道路」とは
全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』では、道マニアがイチオシの道をご紹介。今回は、国道417号に新しく開通した「冠山峠(かんむりやまとうげ)道路」を巡りました。(この記事では道情報だけをまとめてご紹介します)
国道417号の未開通区間に悲願の「冠山峠道路」が完成!
岐阜県大垣市と福井県南越前町をつなぐ国道417号は、1982年に国道指定されたものの、県境の“冠山峠”区間は41年間未開通で分断国道として知られていました。しかし、その難所にトンネルを造ることに成功!2023年11月19日、県民にとって悲願だった、7.8kmの「冠山峠道路」が開通しました。
国道417号には、未開通区間の代替路として冠山峠を越える林道が存在。しかし、その道幅は車1台通るのがやっとの狭さなのに加え、急勾配と急カーブが連続。さらに、標高1041mという過酷な道のため、道マニアの中では“酷道”として広く知られてきました。
本線に新道が開通したことで、今まで使われてきた林道は代替路の役目を終えることに。国道417号は「冠山峠道路」で快適な走行が可能になりました。
走行時間が1時間から6分に短縮!難所に完成した「冠山トンネル」
「冠山峠道路」は、岐阜県揖斐川町から福井県池田町を結ぶ2車線道路。難所と呼ばれた冠山峠の真下には、4.8kmも貫いた「冠山トンネル」が造られました。地形の問題や地盤の悪さもあり、掘削にかかったのは6年余り。福井県にある道路トンネルとしては、最長なのだとか。
代替路として使われていた約20kmある林道を走行した場合、峠を越えるのに1時間以上かかっていたところ、まっすぐに伸びる「冠山トンネル」を走行すれば6分に短縮。また、冬季閉鎖で年間200日程度が通行止めになる林道に対し、「冠山峠道路」は通年通行可能になりました。
岐阜県側のトンネル坑門付近は、現在は揖斐川町ですが、かつて人口1300人ほどの徳山村がありました。1980年頃に徳山ダムが建設されることが決定し、全村が水没してしまうことから、村民は移住することになったそう。
そして、徳山村のメインルートでもあった国道417号の本線の一部も水没エリアに。ダムの建設と並行して道路の付け替え工事も行われ、2006年に新しくバイパスが造られました。
そんな紆余曲折を経て、新たな歴史の1ページが加わった国道417号。「冠山峠道路」の完成で酷道が解消し、岐阜と福井の往来がよりスムーズになりました。
12月26日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より