まるで天国への階段?ケーブルカーが通っていた廃線跡の道 道マニアとっておきの廃道とは
ミキの昴生と亜生の2人がMCを務める『道との遭遇』。全国の道に特化したVTRをミキが様々な視点で楽しんでいきます。
今回は800か所以上の道を巡ってきた道マニア歴17年の石井あつこさんと、群馬県にある“廃道”を巡ります。
ロマンあふれる明治の隧道
石井さんと一緒に旅をするのは、漫画家の畑健二郎さん。2人は石井さんオススメの廃道を目指します。最初に訪れたのは、渋川市にある県道255号の旧道。明治時代は「鳥山新道」と呼ばれ、山を越えずに町と地元集落を行き来できる重要な道でした。多くの人に使われ発展を遂げましたが、現在の県道255号ができたことで旧道となり、その一部が立ち入ることもできない廃道になっているそう。2人はその廃道を目指し、利根川を眺めながら坂道をのぼっていきます。辿り着いたのは、「全面通行止」の看板がある場所。特別に許可を得て、いよいよ石井さんが大好きだと語る廃道区間へ入っていきます。
途中までは整備された跡が残っていましたが、だんだん険しくなり急斜面の連続に。そして現れたのは、「鳥山新道」を開拓するため明治初期に掘られたという「鳥山隧道」。
さらにその奥にも隧道が2つ連続して出現し、2人は感激しながら通ります。
(道マニア・石井あつこさん)
「明治の人たちが見ていた景色とおそらく同じ。そう思うとロマンチック」
隧道を抜けて進み続け、現役の県道255号と合流したところで、1つ目の廃道巡りは終了です。
旧観光地のケーブルカー廃線跡と駅の跡地
続いて訪れたのは桐生市。群馬県に来たら絶対に見てほしいと語る、石井さんとっておきの「赤城山鋼索鉄道」の廃線跡と、その終点である「赤城山頂駅」の跡地を目指します。
昭和30年代、赤城山周辺を盛り上げるために群馬県と東武鉄道が協力して観光開発し、4億円の費用をかけて山頂までのケーブルカーが完成。しかし、道路や車が発達したことでケーブルカーの利用者が減り、わずか11年で廃止されたそう。2人はそのケーブルカーが通っていた「赤城山鋼索鉄道」の廃線跡を通り、標高1400mほどの場所にある「赤城山頂駅」まで歩いてのぼります。
ケーブルカーの廃線跡には至る所に枕木や橋脚の遺構があり、神秘的な光景が広がります。そして2人に立ちはだかったのは、山頂までの道のりで最も急だという坂道。勾配はなんと58%!水平に100m進むと、高さ58mまで上る計算になります。階段は約800段もあり、あまりの急勾配に畑さんは「垂直に近い感じ」と驚きを隠せません。
その坂道をひたすら上り続けること20分、絶景が広がる「赤城山頂駅」の跡地に到着!完成当時は多くの人がケーブルカーを利用し、賑わいを見せていた旧観光地に2人は想いを馳せます。
今回は険しい道が多く、急斜面を滑って降りたり立っていられないほどの急勾配な坂をのぼったりと過酷な旅でしたが、歴史とロマンが詰まった特別な場所を見ることができました。石井さんが厳選する廃道巡りの旅「石井あつこの冬休みスペシャル」は、2週連続の特別企画!次回は石井さんとっておきの房総半島の廃道を巡ります。
12月20日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より