トンネルなのにエレベーター!?戦前に造られた川底の道!? 道マニア興奮の腐道巡りも
ミキの昴生と亜生の2人がMCを務める『道との遭遇』。全国の道に特化したVTRをミキが様々な視点で楽しんでいきます。今回は全国100万キロ以上の道を巡ってきた道マニア歴24年の鹿取茂雄さんと、大阪府にある“知られざる府道”を巡ります。
荒れ果てた“現役の府道”とその先に眠る洞
鹿取さんと一緒に旅をするのは、プロのギャル・ぱにぱにぱにぱにともちんぱさん。今回は鹿取さんが厳選した大阪府の四大大阪道を巡る旅の第2弾!知られざる府道を目指します。
最初に訪れたのは、大阪府の南に位置する河内長野市。市街地から遠く離れた山奥を進み、到着したのは府道214号にある「新千早トンネル」。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「トンネルある所に旧道あり」
トンネルの近くにある「旧府道214号」へ向かうと、荒れ果てた旧道の入り口が。通常は新しくトンネルができると不要になった旧道は封鎖されますが、この旧府道214号は国土地理院の地図に現役の道路として記されています。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「廃道になっていないのには理由がある」
入り口から350m先までは誰でも通行が可能。以前は道なき道を見て「ここ行くの?」と怖気づいていたともちんぱさんも、今回は「予想通りだわ。覚悟決めて来てるからビビることはない」とすっかり慣れた様子で歩みを進めます。
道中は木が倒れ、草木が生い茂ったひどい状態。あまりの険しさに、「道マニアの間では“腐道(ふどう)”と呼んでいる」と鹿取さん。
歩くこと20分、辿り着いたのはアーチが美しいレンガ造りの「千早洞」。大久保利通の三男で当時の大阪府知事だった大久保利武が指揮をとり、頑丈な隧道にするためお金をかけて造ったのだとか。
100年近く経っても綺麗に残るこの千早洞が“近代土木遺産”に指定され、その遺構を見学できるようにと、旧道は封鎖せず今でも現役の道扱いにしているのではないかと鹿取さんは言います。
千早洞は通行止めになっていますが、イギリス積みのレンガ造りが圧倒的な存在感を放ちます。
戦前にできた!? 川の底に造られたトンネル
続いて2人が訪れたのは、大阪市西区。街中を歩いていると、自転車が次々とビルのエレベーターに乗り込んでいく不思議な光景に出くわします。これこそが、目指していた「安治川トンネル」。
西区と此花区を繋ぐ、安治川の底に造られた約80mの歩行者専用トンネルです。地下まで降りてトンネルを通ると、川の反対側まで行けます。安治川トンネルができたのは昭和19年。昭和52年までは車も通ることができたそうで、使われなくなった車専用の大きなエレベーター側には「安治川隧道」の銘板も残っています。
(ともちんぱさん)
「アトラクションだね。川の底にも(道を)造れるんだ」
偶然にも実際に車で安治川トンネルを利用していた男性と出会うことができ、当時の貴重なお話を聞きました。
(男性)
「(車の)エレベーターの扉が2つあるのは、上り専用と下り専用に分けられていたから。安治川トンネルのすぐ近くには安治川大橋もあったが、通行するのに有料の時代で、橋より安い通行料の安治川トンネルを利用する人が多かった」
封鎖されたエレベーターの扉の隙間から何とかして中を見ようと試みる鹿取さんに、「やばい。奇行に走ってます。のぞきだよ、それ」と、ともちんぱさんがツッコむ場面も。中が気になる鹿取さんを落ち着かせつつ、戦前にできた川の底のトンネルに思いを馳せたところで2人の四大大阪道巡りは終了です。
11月15日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より