鬼は外。節分にまく物はなぜ豆なの?
2月3日は節分。豆まきをして厄を払い、一年の無病息災を願う行事です。しかし節分に投げるものは、なぜ豆なのでしょう?「豆を投げると鬼が逃げる」というのは不思議な話です。この日に放送されたCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、つボイノリオと小高直子アナウンサーがそんな素朴な疑問を解き明かしています。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く福を巻き込む恵方巻
華やかさこそないものの、日本の大切な伝統行事である節分。番組宛てには、リスナーから節分に興じる様子が投稿されました。
「今日は節分で恵方巻の日です。今年の恵方は南南東とのこと。何年かに一度回ってきますが、私は待ち望んでいました。なぜなら覚えやすいんです」(Aさん)
節分といえば最近は、各飲食店で恵方巻に力を入れている様子が見受けられます。その年に縁起の良い方角である恵方を向き、願い事をしながら無言で一本丸ごと太巻きずしを食べる風習で、江戸時代の末期に大阪の商人が始めたという説が有力です。
小高「ずっと不思議に思ってたんですが、何で恵方ってそんなに中途半端なの?西!とかピシッと決めたらいいのに」
なぜわかりやすい東西南北ではなく、間の方角なのかと疑問に思った小高。恵方は陰陽道の「十干」という考え方に基づき、その年の福を司る神様がいる方角として決まります。東北東、西南西、南南東、北北西の4つの方角が5年周期で循環するようです。
確かに微妙な方向なので、多くの人は「だいたいこっちかな」と大雑把になんとなく恵方らしき方角を向いて食べているのではないでしょうか。
豆まきの始まり
そして欠かせないのは豆まき。
「スーパーに行くと店頭には豆まきの福豆と鬼のお面が並んでいました。豆まきの由来は諸説あるようですが、宇多天皇の時代に鞍馬山から来た鬼が都を荒らしていた時に、煎り豆でその目を打ちつぶして災いを逃れたという故事伝説に起因しているらしいです」(Bさん)
節分の豆まきは、1100年以上前に京都で起こった逸話に由来しているようです。
このことをきっかけとして豆には厄を払う力があるとされ、当時の貴族たちは外出で宿を取ると、こぞって豆をまいて厄払いをしていたとか。
さらに豆まきに使用する豆は、煎り豆でなければならないとも言われています。
「煎る」=「射る」で鬼を打つ意味合いがあり、さらにまいた後に拾い忘れた豆から芽が出ると縁起が悪いとされ、芽が出ないように煎った豆が使われるようになったのです。
なぜ豆を?
つボイ「でも節分って面白い風習ですよね。鬼って強いじゃないですか。あんなに強いものが豆なんかぶつけられたくらいで『参った参った』って、そんなことあるか?(笑)」
過去の逸話に起因しているとはいえ、あんな小さな豆が当たったくらいで鬼が逃げ出すとは確かに考えにくいです。
小高「痛いからじゃなくて、すごく苦手とかあるじゃないですか」
吸血鬼が十字架とニンニクが苦手なように、ゾンビが日の光に弱いように、鬼にも致命的に豆に弱い理由があるのかもしれません。
小高「どうやら魔を滅するから『ま(魔)め(滅)』がいいとされているらしいですよ」
一節によると、豆=魔目(鬼の目)から鬼の目にぶつけて魔滅(まめつ)する、つまり滅ぼすことに由来しているとも言われています。
他国にはない文化
つボイ「でも日本独自の風習ですよね、鬼がやってきて豆を投げてっていうのは」
小高「中国とか韓国でもやっていそうな雰囲気がありますが、こういう風習になっているのは日本だけみたいですね」
もともとは中国で行なわれていた鬼払いの行事「追儺」が元になっているようです。中国の古典によると大豆は「鬼毒を殺し、痛みを止める」と記載されているそうなので、豆をまく理由はそこにもありそうです。
起源を辿るとさまざまな逸話はありますが、総じて鬼とは災いや疫病をもたらすもの、つまり病気やけがの暗喩だと考えられます。
栄養満点の豆や恵方巻を食べて健康に暮らせるようにという、意外と科学的な根拠に基づいた日本の伝統的な風習なのかもしれません。
(吉村)
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