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「明日が来てほしくない夜もあった」若手女性ディレクターが語るテレビの裏側と本音

「明日が来てほしくない夜もあった」若手女性ディレクターが語るテレビの裏側と本音
CBCテレビ me:tone編集部

テレビ局で奮闘する若手女性ディレクターたちの“本当の姿”とは?
どんな仕事にも厳しさはあるけれど、テレビの現場だからこそ経験するハードさや、押しつぶされそうなプレッシャー。その中で彼女たちはどう向き合い、乗り越えてきたのでしょうか。

今回は、普段はなかなか表に出ない“裏方”の彼女たちに、同世代でともに現場を走って来たアナウンサーがじっくり話を聞きました。

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「なんとなく“OLになる自分”が想像できなかった」テレビ局に飛び込んだ理由

「隣の女性」のリアルな本音を伝え、今を生きる女性たちを応援したい――。そんな思いから、CBCテレビは「me:tone編集部」を立ち上げました。

今回は入社6年目・27歳で夕方の情報番組のディレクターとして活躍するS子さんと、同番組を担当する入社7年目・28歳のディレクターA子さんが登場。話し手は同世代の斉藤初音アナウンサーです。3人は“ディレクター”と“アナウンサー”として立場は違うものの、同じ番組の現場で切磋琢磨してきた同僚でもあります。

CBCテレビ me:tone編集部

斉藤アナ:「元々テレビ業界志望でCBCに?」

S子さん:「映像の仕事がしたいなら、テレビ局に入らなきゃいけないって思っていました」

今なら、いろいろ選択肢があったのかもしれないと思い返しますが、当時はどうしても映像の仕事がしたくてテレビ局しか受けなかったそうです。入社後は希望していた報道情報番組『ゴゴスマ』の現場に配属。関東出身のS子さんは、地元の家族が自分の携わる番組を見られることがうれしかったそうです。

一方、A子さんは…。

A子さん:「なんとなく“OLさんとして働く自分”が想像できなかったんです。音楽に携わる仕事がしたいと思ったのですが、気づいたら報道番組の世界にいました。」

座ってタスク(まかされた仕事)をこなすより、「賑やかな世界に飛び込みたい」という思いが背中を押したそうです。

それぞれ異なる想いで飛び込んだ職場でしたが、今では先輩後輩を超えた戦友として働いています。

「明日が来てほしくない」“失敗できない”プレッシャーと闘う20代

CBCテレビ me:tone編集部

斉藤アナ:「実際に働いてみて、テレビの現場はどうでしたか?」

A子さん:「真冬の寒空の中、名古屋市緑区から南知多の先っぽまで、60キロを自転車で走ったロケがつらかったですね(笑)」

A子さんが担当している『チャント!』のコーナー「友廣南実の地元いいとこ自転車旅」は2025年からスタートした大人気の企画。友廣アナが東海三県を自転車で旅をします。アポなしで、一日中自転車を漕ぎ続け、友廣アナだけでなくディレクターや撮影スタッフも、撮影していない時間も含め走り続けます。真冬の冷気も、真夏の炎天下も容赦なし。そんなハードなロケですが、友廣アナや、スタッフ全員で「このつらさをモノにする(良いVTRを届ける)!」と励まし合いながら挑んでいるそうです。

一方、S子さんが過去に担当した「東海三県のお祭りに密着したコーナーでは、炎を浴びたり水をかぶったり、時には1時間の全力疾走も。炎に包まれた大きな木が目の前へ落ちていく中、出演タレントが御神輿を担ぐ様子をリアルに撮影するためにギリギリまで近づいていた結果、服に穴が開いたこともあり、今でも強烈に記憶に残っていると話します。

S子さん:「体力的に本当に辛いことが多かったけど、この仕事を選んでいなければ絶対に経験しないことばかりで、だからこそ本当に楽しかった。」

しかし、ロケ中は気を張って集中しているので何とかなっているけど、終わってから振り返ると予想外にきつかったと感じることも多いそうです。
A子さんも自転車ロケで自転車を漕いでいるときは「自分の辛さよりも撮れ高!」という思いが勝って集中してしまうので、帰りのバスでは、まるで“充電切れ”のように爆睡してしまうとのこと。「忍耐と体力だけで何とかなりました」と2人は口をそろえます。

A子さんは、ロケ前日に眠れないほど緊張する日もあるといいます。

A子さん:「明日のロケが正直来て欲しくないと思うこともあります」

S子さん:「あんなに準備したのに、仕込みも台本もしっかり作ったのに、明日が来てほしくない、早く明後日になってほしいって」

その原因は“失敗できない”という重圧、自分にのしかかる責任の大きさ。それでも朝は来てロケは始まる。そんな時は「乗り越えなくては!」という不思議なアドレナリンが出てきて、自分を支えることができるそうです。終わってみると、プレッシャーを乗り越えた後の達成感に「やっぱりこの仕事は辞められない!」と実感すると語りました。

CBCテレビ me:tone編集部

混乱の現場が、学びの現場に――“生中継”の裏側で身についた力

CBCテレビ me:tone編集部

斉藤アナ:「思い出に残っている仕事はありますか?」

A子さん:「藤井聡太さんが八冠から七冠になるかもしれないと注目されていた、斉藤アナの生中継ですね」

それは全国的にも注目されていた生中継の現場でした。技術スタッフの調整、インタビューできる人物の確保など、「本当に目まぐるしかった」といいます。

当時『チャント!』で放送していた名物コーナー「ぶっつけ中継」は、行き先以外ほぼ何も決まっていないまま挑む“台本なし”の生中継。中継10分前でも構成が固まっていないこともあり、裏側がどれだけ混乱していてもアナウンサーは表でアドリブでつないでいく――。そんなアナウンサーの奮闘ぶりを思い返し、A子さんは称賛します。

また、S子さんは、当時中継経験がほとんどない中、斉藤アナと一緒に奮闘した日々を「ディレクターとして“判断する力”と“引っ張っていく力”が培われた。」と振り返りました。

A子さんとS子さんは、同じ番組のスタッフ仲間に対しても感謝の言葉を口にします。A子さんとS子さんの仕事が立て込んでいる時には、「手伝おうか?」と自主的に声をかけてくれる仲間がいる。それがどれほど心を支えてくれたかを、2人は強調します。「周りの人に恵まれていて、仕事も楽しいから辛い時もメンタルが保てる」と話しました。

表舞台に立つアナウンサー、裏側で支えるディレクターやスタッフ。その一体感が、番組作りのエネルギーになっている――。そんな“現場の絆”が伝わってきました。

プレッシャーを抱えつつも仕事に没頭し、忙しくてもやりがいを働く彼女たち。まだまだ挑戦したい仕事があると、それぞれの思いを熱く語ってくれました。

では、30歳を目前にした今、恋愛や結婚についてはどう考えているのでしょうか?
次回は、そんなアラサー女性たちの恋愛観や結婚事情についてお届けします。

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