“胸の違和感”危険な「不整脈」かも…放置すると突然死も!知っておくべき「不整脈」原因と対策
身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは、東京慈恵会医科大学 循環器内科 主任教授 医学博士 徳田道史先生です。
今回のテーマは『〜動悸・息切れが続く人は要注意!?〜知っておくべき!危険な不整脈』
自分の心臓の音のリズムを測ったことはありますか?正常な心臓の音は1分間に60〜100回規則正しく動いています。一方、不整脈があると心臓の音が不規則になります。不整脈とは、何らかの原因で心拍のリズムやスピードが乱れている状態のこと。突然激しい動悸が起こったり、少し動いただけでも息切れしたり、時折胸の違和感などを覚えることもあるそうです。しかも、不整脈を放置すると心筋梗塞や脳梗塞など突然死を招くこともあるのだとか。そこで今回は、今注目すべき不整脈の原因と対策を専門医に教えてもらいました。
不整脈・脈拍とは?

心臓は、収縮と拡張を繰り返してきれいな血液を全身に送り、汚れた血液を回収して肺へ送っています。その心臓の拍動が身体の各部分の動脈に伝わって脈打つのが「脈拍」。そして、その脈拍が何らかの原因で乱れるのが「不整脈」。先生によると、不整脈には大きく3つのタイプがあり、注意すべきポイントもそれぞれ違うそうです。
不整脈を簡易チェック!
手のひらを上に向け、親指側の手首のくぼみに人差し指と中指をあてドクドクした回数を15秒間測ってください。15秒間の回数が「25回を超える」「15回未満」「不規則(安静時)」のいずれかに当てはまる場合は、不整脈の疑いがあるそうです(※簡易的な計測方法のため誤差が生まれることがあります)。
不整脈のタイプ(1)脈のリズムが乱れる「期外収縮」
<期外収縮とは?>
期外収縮とは、脈が飛んだりリズムが乱れたりする不整脈のことを言います。
<心拍の仕組み>
心臓は、心筋細胞という小さな細胞の集まり。心筋細胞には、同時に収縮と拡張を繰り返し、身体中に血液を送り出す役割があります。この心筋細胞を動かす力が、電気。心臓の右上の「洞結節(どうけっせつ)」は、電気信号を最初に出す発電所のような役割があり、上の心房全体を収縮させ「房室結節(ぼうしつけっせつ)」という中継点を通り、次に下の心室を収縮させます。この一連の動きが「心拍」。1日に約10万回繰り返されることで、全身へ血液を送り出し身体の機能を維持しているそうです。
<期外収縮の原因は?>
通常、洞結節は一定のリズムを刻んでいます。しかし、期外収縮の場合は発電所である洞結節以外のところからも電気信号が出て、それを受けた心筋細胞が混乱し拍動が乱れてしまうそうです。
<一度医師に確認してみましょう>
先生によると、期外収縮は人によって数が違うものの、24時間測ればほぼ全員が持っており、症状が全くない人も多いそうです。欧米での研究では健康な成人の80%以上に期外収縮が見つかったというデータも。期外収縮が起こっていることに気がつかない場合や健康診断などで見つかっても1日に数100回程度であれば治療に至らないケースが多いそうですが、一度は医師に確認してみることが大切だそうです。
<期外収縮の症状「安静時の動悸」>
期外収縮の場合、本来流れる一定のリズムからずれて電気信号が送られます。すると、心臓は正しいリズムを取り戻そうと一旦間を空けます。その間心臓に血液が溜まりますが、仕切り直しの一拍で血液が一気に流されるため、強い一拍に。これが動悸の正体。発生回数が多い期外収縮を放置すると、心臓に負担がかかり続け心不全を引き起こす恐れもあるのだとか。先生によると、期外収縮が1日の10%、約1万回以上または、1万回以内でも動悸などの症状がある場合は、治療を行う必要があるそうです。
<期外収縮の原因(1)高血圧>
高血圧が続くと、血液を送り出す心臓には強い負担がかかります。すると、心筋細胞が興奮しやすい状態になり、小さなきっかけで洞結節以外から電気信号が出やすくなってしまうそうです。
<期外収縮の原因(2)ストレス>
心臓の電気信号は、自律神経によってコントロールされています。ストレスが溜まると、自律神経が乱れ、本来と違う場所から電気信号が出やすくなり期外収縮を起こしてしまう原因になるそうです。動悸があって健康診断で再検査を勧められたら、放置せずに循環器内科を受診しましょう。
不整脈のタイプ(2)脈が遅くなる「徐脈」
<徐脈とは?>
徐脈とは、脈が遅くなる不整脈。正常な心拍数は1分間に約60〜100回ですが、徐脈は1分間に60回未満。先生によると、アスリートや若い頃から脈が遅い人は、心臓が1度に血液を送り出す力が強いため心拍数が遅くなりますが、特に心配はいらないそうです。
<徐脈の原因は?>
洞結節の機能が衰えると、発電がうまくできず脈が少なくなります。その原因の1つが加齢。高齢になって心拍数が減ることで血流量が低下。脳への酸素が減ってしまい、ふらつきや失神につながってしまうのだとか。脈が少なく、めまいやふらつきがある場合は循環器内科へご相談ください。
不整脈のタイプ(3)脈が速くなる「頻脈」
<頻脈とは?>
頻脈とは、1分間の心拍数が100回を超え、脈が速くなる不整脈。運動や緊張で脈が速くなるのは「洞性頻脈(どうせいひんみゃく)」と言って生理的な頻脈なので全く問題はないそうです。
<危険な頻脈と運動・緊張時の違いは?>
運動・緊張時の洞性頻脈は、徐々に心拍数が上がり徐々に下がっていきますが、危険な頻脈は、心拍数が突然上がって突然下がるそうです。
<危険な頻脈の原因は?>
危険な頻脈の原因は一般的に「自律神経の乱れ」や「心臓の持病」などが挙げられます。自律神経が乱れていると、電気信号の中継点である房室結節で異常な電気信号が発生し、その信号が消えることなく心臓内をぐるぐると回ってしまいます。結果、通常の洞結節から出る電気信号に加えてぐるぐる回っている電気信号も影響し、心拍数が上昇するのだとか。すると、一度に送り出される血液量が低下することで全身が酸欠状態になり、動悸や立っていられないと言った症状につながるそうです。頻脈を放置すると、心不全などの突然死を招くこともあるので、突然の動悸や息切れがある場合は一度検査してみましょう。
<頻脈になりやすい人>
「ストレスが溜まっている」「睡眠不足」「自律神経のバランスが崩れている」、これらに当てはまる場合は頻脈になりやすいそうです。
不整脈のサイン

下記のサインがある場合や、健康診断で不整脈かつ再検査や要精密検査を指摘された場合は、循環器内科の受診をお勧めします。
<サイン(1)胸の違和感>
「胸が詰まる」「胸の痛み」「不快感」など胸の違和感は、頻脈で起こることが多いそうです。
<サイン(2)めまい>
「目の前が暗くなる」「フラフラする」などめまいの症状は、徐脈で起こることが多いそうです。
<サイン(3)体調の異変>
「身体がだるい」「疲れやすい」「階段での息切れ」などは、どの不整脈でも起こり得るそうです。
不整脈の治療
<頻脈・期外収縮の治療>
頻脈・期外収縮の治療には、異常な電気信号を抑える薬を飲む方法やカテーテルで異常な心筋細胞を焼く方法などがあるそうです。
<徐脈の治療>
高齢でめまいやふらつきなどの症状がある場合は、心臓に一定のリズムで電気信号を送るペースメーカーを埋め込む治療方法があるそうです。
突然死の危険もある頻脈「心房細動」の恐怖
<心房細動とは?>
心房細動とは、頻脈の一種で心房が細かく動く不整脈。電気信号の乱れにより心房が1分間に約400回けいれんします。心房細動を放置すると、心房内の血液がよどみ血栓ができやすくなるのだとか。心房内でできた血栓は比較的大きい上、心臓から脳に運ばれて脳梗塞を引き起こす可能性があります。日本の研究では、心房細動が見つかると将来心不全で入院するリスクが約18倍、脳梗塞になるリスクは約5倍に増加するという研究結果も。また、心房細動による脳梗塞は寝たきりになりやすい病気の原因の一つとも言われているそうです。
<心房細動の症状>
心房細動が起こると動悸などが出ることがありますが、気づかないうちに身体がその状態に慣れてしまうと言います。そのため、脳梗塞になってから原因が心房細動と分かるケースもあるのだとか。だからこそ、早期発見には定期検診が欠かせないそうです。
<心房細動の原因は?>
慢性的ないびきは、寝ている間に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」につながります。睡眠時無呼吸症候群になると、寝ている間に呼吸が止まることで体内の酸素濃度が低下。すると、自律神経が乱れて電気信号が暴走し、心房細動につながる場合があるのだとか。他にも「加齢」「ストレス」「生活習慣病」「心臓弁膜症」も心房細動を引き起こす原因になるそうです。
<早期発見・治療が大切な心房細動の治療法>
先生によると、心房細動の治療には心房細動を止める薬を飲む方法や脳梗塞予防に血液をサラサラにする薬を飲む方法、カテーテル治療をして心房細動を完全に治す方法があるとのこと。カテーテル治療とは、心房細動を起こしている部分を焼く・凍結させるなどで異常な電気の流れを遮断する治療。近年は薬物療法から早めにカテーテル治療をすることによって、なるべく根治を目指す方向にシフトしてきているそうです。心房細動が見つかったら、すぐ循環器内科で相談しましょう。
不整脈を防ぐために
不整脈を防ぐには「お酒を控える」「睡眠をとる」「ストレス管理」「適度な運動」「塩分制限」「標準体重を維持」が大事だそうです。
(2026年5月24日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)
番組紹介
ニッポンの皆様に健康生活を!この言葉をキーワードにすぐに役立つ健康情報をお伝えします。「人」「家族」の未来を創り出す、CBCテレビの健康情報番組。




