ひざの“ねじれ”あなたは大丈夫?…100年歩き続けるために!ひざのねじれ改善法
身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは、北里大学 医学部 整形外科学 ひざ関節外科 医学博士 迎 学先生です。
今回のテーマは「〜100年歩き続けるために!〜名医が伝授!ひざのねじれ攻略法」
実はひざの痛みの多くに、ひざの“ねじれ”が深く関わっているそうです。そして、ひざのねじれに関与している可能性があるのが「変形性ひざ関節症」。変形性ひざ関節症とは、ひざの軟骨がすり減り骨が変形する事によって痛みが生じる病。潜在的な患者数は全国で3000万人に上るとも言われ、とても身近な病気だそうです。放置するとひざの痛みだけでなく、股関節痛・腰痛・足首の痛みの原因に。さらに、進行すると最悪の場合寝たきりになる事もあるのだとか。そこで今回は、100年歩き続けるためにひざのねじれの改善法などを専門医に教えてもらいました。
ひざの基礎知識
<ひざの動きについて>
ひざは、大腿骨・脛骨・膝蓋骨(しつがいこつ)から形成されています。そして、ひざの骨の周りにある筋肉・腱・靭帯が連動する事で曲げ伸ばしをしており、歩行や方向転換など様々な動きの起点となっているのだとか。生活をする上でとても重要なひざですが、40代頃から徐々にねじれてしまう可能性があるそうです。
<ひざのねじれとは?>
先生によると、変形性ひざ関節症という病気が進行していくと、ねじれて変形するそうです。正常なひざには、骨と骨の間に「軟骨」という組織があり、これがひざへの衝撃を和らげたり、スムーズにひざを動かしたりしています。しかし、加齢など様々な原因により軟骨がすり減ってしまうと、脛骨という骨が回転して変形を引き起こしひざがねじれてしまうそうです。
あなたは大丈夫?ひざのねじれチェック
まずは、足をこぶし1個分開いて立ちます。続いてつま先とひざをまっすぐ前に向けて、ゆっくりとひざを曲げてみてください。この時、ひざがまっすぐ前を向いていればOK。ひざが外側に開く場合や内側に曲がる場合は、ひざがねじれている可能性があるそうです。
<ねじれは2種類>
ひざのねじれは、軟骨のすり減り方によって「外ねじれ」と「内ねじれ」の2種類に分かれるそうです。上記のチェックでひざが開いてしまった人は、軟骨の内側がすり減っている「外ねじれ」。ひざ同士がくっついてしまった人は、軟骨の外側がすり減っている「内ねじれ」だそうです。
ひざのねじれの原因と改善法(1)外ねじれ
<外ねじれ=ガニ股・O脚気味>
先生によると、外ねじれはいわゆるガニ股・O脚気味。ひざがねじれている人のうち日本人の9割以上が外ねじれに当てはまるといいます。外ねじれの場合、軟骨がすり減ったひざの内側に体重がかかるため、骨同士がぶつかり合って内側に痛みが生じてしまうそうです。また、外ねじれになると「骨盤後傾」と言って骨盤が後方に傾くのだとか。これにより、骨盤周辺に負担がかかり腰痛や股関節痛が起きる事もあるそうです。
<外ねじれの原因は?>
ひざの軟骨は加齢によって脆くなりますが、しゃがんだり立ったりという動作を繰り返す事は、軟骨により負担をかけやすく、すり減りを加速させてしまうのだとか。放置してねじれが悪化すると、最悪歩けなくなる恐れもあるそうです。
<ねじれ以外のO脚の原因>
O脚は、ねじれ以外に先天的なものや筋肉のバランスによって引き起こされる事もあるそうです。
<ひざの痛みを食い止める予防トレーニング>
外ねじれの方にオススメなのは、ひざを安定させる大腿四頭筋が鍛えられるトレーニング。大腿四頭筋は、ひざの負担を吸収するクッションのような役割をする筋肉。鍛えることで、ひざにかかる負担が減り、痛みの改善も期待できるそうです。
▼脚を伸ばした状態で座る
▼片方のひざの下に丸めたバスタオルを挟む
▼つま先を天井に向け ひざでタオルを押し潰すように床の方向に力を加える
▼10回1セット、1日3セットを目標に毎日続ける
ねじれの原因と改善法(2)内ねじれ
<内ねじれの原因は?>
先生によると、内ねじれの人は、内股・X脚気味。外ねじれと違い、先天的なものがほとんどだそうです。ただし、猫背のような悪い姿勢を続けていたり、普段から足を組んだりする癖があると、骨盤が歪み内ねじれになる事もあるのだとか。内ねじれの場合は、ひざの外側に負荷がかかり痛みが生じてしまうそうです。
<ひざの痛みを食い止める予防トレーニング>
内ねじれの人は、内股気味になる事でひざに負荷がかかるため、普段から足の外側に体重をかけるよう意識して歩くのがオススメ。小指の方に少し力を入れるようなイメージで歩くと良いそうです。
ねじれからくる痛みの見極め方
先生によると、ねじれによる痛みは「長時間止まった状態からの動き始め」や「坂や階段を下る」ときが多いとの事。歩行時のひざへの負担は体重の約2.8倍、階段の下りでは体重の約5倍もの負担がかかると言われているそうです。そのため、ねじれにより軟骨がすり減っていると、急激に体重がかかる動き始めや、階段などで痛みが出てしまうのだとか。長時間ひざを使った事による痛みは問題ないそうですが、じっとしている時に痛む場合や、何かをきっかけに急激な痛みが出現した場合は、一度整形外科を受診しましょう。
毎日継続!日常の“ながら”でできる!ひざのねじれ対策!
<洗濯し“ながら”ひざのねじれ対策「ハーフスクワット」>
ハーフスクワットで鍛えられるのは、ももの前側の「大腿四頭筋」。鍛える事でひざの位置を安定させ、ねじれの食い止めに効果が期待できるそうです。洗濯物を干しながらひざのねじれを予防しましょう。
▼足は肩幅に開き胸・ひざ・つま先を一直線にする
▼スクワットの要領でひざを曲げる
※ひざ痛・腰痛のある方は無理をせずに行なってください。
≪ポイント≫
ひざを曲げる時は、通常のスクワットの半分程度曲げればOK!10回1セットを3セット、毎日続けましょう。
<座り“ながら”ひざのねじれ対策「タオルギャザー」>
タオルギャザーで足の裏の筋肉が鍛えられると、歩く際のバネやクッションの役割を果たす土踏まずのアーチがしっかりと維持されるようになるのだとか。これにより、歩行時のひざへの負担が軽減されるそうです。
▼床にタオルを敷く
▼椅子に座った状態でタオルを足の指で手繰り寄せる
≪ポイント≫
スピードは自分のペースで大丈夫。立って行なってもOKだそうです。事務作業やPC仕事、テレビを観ながらねじれを予防しましょう。
<寝“ながら”ひざのねじれ対策「ゴロゴロひざストレッチ」>
▼仰向けに寝て片ひざを立てる
▼反対側のひざを伸ばしたまま15cmあげ3〜5秒キープ
▼左右の足10回ずつを1セットとし1日3セット行う
≪ポイント≫
足を上げるときは、足先をしっかり上に向けるように意識してください。就寝前のスキマ時間に“ながら”でねじれ対策をしましょう。
<トレーニングを継続しましょう>
100年歩き続けるためには、大腿四頭筋の筋力を落とさない事が大切だそうです。そして、ひざのねじれは放置せずに自分でできるトレーニングを継続的に行う事が大事なのだとか。先生によると、手術の技術が向上しているため、もしも悪化しても手術の選択肢があるそうです。
(2024年9月22日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)