“夏の疲れ”正しい休み方は?…“休む”を科学的に分析!100%回復させるための休養学
身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは、一般社団法人 日本リカバリー協会 代表理事 医学博士 片野秀樹先生です。
今回のテーマは「〜あなたに合った疲労回復タイプは!?〜100%回復させるための休養学」
夏も終わりに近づいてきましたが、夏の疲れを引きずっていませんか?あるアンケート調査では「夏から秋にかけて体調が悪くなった事がある」と答えた人はなんと7割!その症状は、だるさ・食欲不振・頭痛など。疲れから体調を崩す人もおり、近年では“秋バテ”とも言われます。秋バテを防ぐには疲労を回復させる事が大切ですが、単に身体を休めるだけでは100%の回復は見込めないのだとか。そこで今回は、自分のタイプに合った正しい休み方を専門医に教えてもらいました。
秋バテに要注意!
秋は、気温や気圧の変化が激しい季節。気温差・気圧差の変化に身体が適応しようとして自律神経が働きますが、だんだん疲れてくるのだとか。すると、自律神経が乱れてしまい、頭痛・めまい・だるさ・食欲不振などの不調を引き起こしてしまうそうです。
休養学と「攻めの休養」
<休養学について>
休養学とは、先生が考案した疲労から正しく身体を回復するため「休む」という行為を科学的に分析したもの。先生によると、疲れを回復するには単に身体を休ませるだけでなく、身体の仕組みに基づいた「攻めの休養」を取り入れる事が大切だそうです。
<攻めの休養について>
多くの人が活動→疲労→休養というサイクルで生活していますが、実はそれだと100%まで疲労は回復しないそうです。先生によると、重要なのは「活力」。生活サイクルに活力を加える事で、初めて100%の疲労回復に近づくのだとか。その活力を得る方法が「攻めの休養」。タイプは6つあり、自分に合ったタイプを選ぶ事で効率よく疲労を回復できるそうです。
<「攻めの休養」6タイプ>
(1)気分転換タイプ
(2)栄養タイプ
(3)親交タイプ
(4)娯楽タイプ
(5)造形・創造タイプ
(6)運動タイプ
<自分に合ったタイプの選び方>
先生によると、6つのタイプから自分に合った物を見極める基準は、趣味や好きな事。複数当てはまる場合は、2つ以上あってもOK!組み合わせる事でより回復が見込めるそうです。そして、攻めの休養は無理なく生活リズムにうまく組み込めるものを選びましょう。やり過ぎて日常生活に支障が出ると、逆効果になってしまうそうです。
攻めの休養(1)気分転換タイプ
<気分転換タイプの休養法>
先生によると、「旅行が趣味」「買い物が好き」「外食が好き」「掃除が好き」などに当てはまる場合は、気分転換タイプの休養法が最適。外部の環境を変える事が重要なので、旅行や行楽地まで行かずともいつもと違う場所に行ってみたり、部屋の模様替えやお掃除をしたりするだけでも効果が期待できるそうです。
<幸せホルモン「セロトニン」で疲れを回復>
攻めの休養に必要な活力の正体の1つが「セロトニン」や「ドーパミン」といった神経伝達物質。これは、好きな事や楽しい事をしていると分泌されやすい物質で、その働きが疲労回復に効果的なのだとか。気分転換タイプの活力の1つ「セロトニン」は、精神を安定させ、幸福感を得やすくする通称「幸せホルモン」。これが分泌されると、緊張感がほぐれリラックス効果があると言われています。さらに、精神的な効果だけでなく自律神経を整えてくれる働きもあるので、頭痛やめまいといった身体の不調の改善にも繋がるそうです。
攻めの休養(2)栄養タイプ
<栄養タイプの休養法>
先生によると、食べるのが大好きな栄養タイプの人は、活力の元にもなる神経伝達物質を作るための栄養を摂る事が重要。ビタミンB群やミネラルなどの栄養素は、「補酵素」といって「セロトニン」などの神経伝達物質を作り出すのに深く関わっているそうです。そのため、これらの栄養素を含む食材を積極的に摂る事が栄養タイプの活力につながるのだとか。これからの時期はビタミンB群を含むサンマやキノコなどがオススメだそうです。
<バランス良く腹八分目を心がけましょう>
栄養タイプの人は、食べ過ぎに要注意。食べ物が口に入ると、胃液の分泌を促す「ガストリン」というホルモンが放出されます。しかし、食べ過ぎてしまうと必要以上に多く放出され、胃液が逆流して胸焼けを起こしたり、胃もたれを起こしたりする事もあるのだとか。そのため、バランス良く腹八分目を心がける事が大切だそうです。
攻めの休養(3)親交タイプ
<親交タイプの休養法>
お喋りなど、人とのコミュニケーションや自然と触れ合う事が好きな人は親交タイプの休養法が最適だそうです。親交タイプの人の活力は「オキシトシン」。オキシトシンは、別名「愛情ホルモン」とも呼ばれ、不安や心配事などの緩和やストレス軽減の効果がある神経伝達物質。こちらも精神的な効果だけでなく頭痛や倦怠感の軽減の他、血圧を下げる効果も期待できるのだとか。オキシトシンは人との触れ合いやスキンシップによって分泌されると言われていますが、動物との触れ合いでもオキシトシンの分泌量が増加するというデータもあります。そのため、動物カフェなどへ行くのもオススメだそうです。
攻めの休養(4)娯楽タイプ
<娯楽タイプの休養法>
映画・ドラマが好きな人や、アイドル・音楽に夢中になった事がある人は娯楽タイプの休養法が最適。推し活や、読書、音楽・映画鑑賞などをする事で活力アップにつながるそうです。
攻めの休養(5)造形・創造タイプ
<造形・創造タイプの休養法>
造形・創造タイプは裁縫やイラストなど、ものづくりが活力になるタイプ。自分の好きな事に没頭する事でストレスからも一旦離れられ、活力アップにつながるそうです。
攻めの休養(6)運動タイプ
<運動タイプの休養法>
先生によると、運動タイプの休養法が合うのは、身体を動かすのが好きな人や、学生時代スポーツに打ち込んだ人。軽い運動をする事で神経伝達物質の「セロトニン」が分泌される事が分かっているそうです。そのため、ヨガ・ウォーキング・ストレッチ・ラジオ体操などがオススメ。また、軽い運動を行うと、血流が良くなる事で肩こりや頭痛の改善も期待できるのだとか。逆に、ランニングや筋トレなどで息が上がってしまうほど激しく運動するのはNG。疲労物質が溜まってしまうそうです。
休養のベースは「休息タイプ」
休息タイプとは、睡眠や休憩をとるなど、すべての休養のベースとなるタイプ。疲労を100%回復するには、しっかり睡眠をとった上で6タイプの攻めの休養を付加して活力を高める事が大切だそうです。
(2024年8月25日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)