命に関わる危険な「頭痛」の見分け方…専門医に学ぶ!タイプ別頭痛の対処法【ドクター 坂井文彦】

2024年5月26日(日)放送 【第607回】
命に関わる危険な「頭痛」の見分け方…専門医に学ぶ!タイプ別頭痛の対処法【ドクター 坂井文彦】 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

サマリーSummary

ゲスト:武藤十夢
ドクター:埼玉精神神経センター 埼玉国際頭痛センター センター長 坂井文彦
現在、日本人の4人に1人が「頭痛」に悩んでいると言われています。頭痛は原因によって正しく対処することが大事だそうですが、その原因は分かっているだけで300種類以上もあるのだとか。そこで今回は、頭痛の原因や命に関わる危険な頭痛の見分け方などを専門医に教えてもらいました。

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは、埼玉精神神経センター 埼玉国際頭痛センター センター長 坂井文彦先生です。

今回のテーマは「〜頭痛外来の名医が解明!〜命の危険も!?頭痛に潜む真犯人」

現在、日本人の4人に1人が「頭痛」に悩んでいると言われています。頭痛は原因によって正しく対処する事が大事だそうですが、その原因は分かっているだけで300種類以上もあるのだとか。そこで今回は、頭痛の原因や命に関わる危険な頭痛の見分け方などを専門医に教えてもらいました。

日本人は頭痛持ちが多い?

先生によると、日本人は頭痛持ちが多いそうです。海外では頭痛は病気と明確に判断されて治療を行うそうですが、日本では「たかが頭痛」と放置される事も少なくないのだとか。頭痛といってもさまざまな種類があり、起こり方も、痛み方も色々。そのなかから原因を突き止めて治療に結びつける事が大切だそうです。

「1次性頭痛」と「2次性頭痛」

頭痛は大きく「1次性頭痛」と「2次性頭痛」に分けられるそうです。

<1次性頭痛とは?>
1次性頭痛は、脳に異常がなく頭痛そのものが病気で慢性的に起こるもの。命に関わる事はありませんが、日常生活に支障をきたす場合もあるそうです。

<2次性頭痛とは?>
2次性頭痛は、脳の疾患が原因で起こる頭痛。急な痛みに襲われるのが特徴で命に関わる可能性があるのだとか。医師が2次性頭痛の可能性を見つけた場合は、MRIやCTなどの精密検査を行うそうです。

主な1次性頭痛と特徴

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

繰り返し起こる慢性的な頭痛には下記のようなものがあるそうです。

<(1)頭が締め付けられるような痛み「緊張型頭痛」>
緊張型頭痛は頭が締め付けられるような痛みが特徴。筋肉などの血行が悪化すると乳酸などの疲労物質が筋肉に溜まります。これが痛みを感じる神経を刺激し頭痛を起こすと考えられているそうです。お風呂に入ると血行が良くなるため、疲労物質が流されて痛みが緩和されるのだとか。「頭が締め付けられるような痛み」「入浴すると痛みが和らぐ」に当てはまる場合は、緊張型頭痛の可能性があるそうです。

<肩こりと頭痛の関係>
肩こりで血行が悪化すると、筋肉に疲労物質が溜まります。すると、痛みを感じる神経を刺激して緊張型頭痛が生じる事があるそうです。

<睡眠の質も大切>
人は睡眠をとる事で日々の疲労を回復しています。大切なのはその質。睡眠時間がバラバラなどで体内のリズムが乱れると睡眠の質が下がります。すると、疲労が蓄積して肩こりが解消されず頭痛につながる事があるそうです。

<(2)ズキズキとした拍動性の痛み「片頭痛」>
「片頭痛」も1次性頭痛の一つ。言葉から勘違いされがちですが、片側だけでなく両側が痛む事もあるのだとか。片頭痛は、緊張型頭痛とは違い何らかの刺激で血管が拡張し、その拍動に伴い血管周囲を取り巻く三叉神経が刺激され、ズキズキとした拍動性の痛みを生じるのが特徴。「ズキズキした痛み」「動くと辛い」場合は、片頭痛の可能性があるそうです。

<外からの刺激が頭痛の引き金に!?>
片頭痛は、低気圧や人混みの匂いや音、光など外からの刺激に敏感に反応する事で血管が拡張し、痛みが出る事があるそうです。

<(3)緊張型頭痛と片頭痛が混合した「混合型頭痛」>
慢性的な頭痛のなかには、緊張型頭痛と片頭痛が混合している「混合型頭痛」の場合もあるそうです。

<痛み止めの飲みすぎで頭痛が起こる!?>
脳には痛みを調節する機能があり、命に関わらない痛みは自動的に解消してくれているそうです。しかし、痛み止めを使いすぎると痛みの調節機能が働かなくなり、逆に頭痛に敏感になってしまうのだとか。この薬の飲みすぎで起こる頭痛を「薬物乱用頭痛」と言います。適切な薬の使用は問題ないそうなので、記載されている用法用量はしっかり守りましょう。

<頭痛ダイアリーが治療の手掛かりに!?>
慢性的な頭痛に悩む方は、頭痛ダイアリーをつけると良いそうです。「いつ頭痛が起こりどれくらい続いたか」「どのような痛みか」「お薬を飲んだか」「その日の天気」など、日々の頭痛の状況を記録する事で、頭痛の特徴を知る事ができ治療を行う医師に頭痛の情報をしっかりと伝える事ができるそうです。(※頭痛ダイアリーは日本頭痛学会のHPでダウンロードできます)

頭痛の名医オススメ!タイプ別頭痛の対処法

<緊張型頭痛の対処法(1)>
緊張型頭痛の場合は、首の後ろにある「圧痛点」をマッサージするのが一番良い対処法だそうです。肩がこった時に揉みほぐす事で血行が良くなり痛みの軽減が期待できるのだとか。こまめに行なって、頭を支える筋肉に休養を与えてあげましょう。

<緊張型頭痛の対処法(2)>
先生によると、睡眠の質を上げるため寝る90分前に40℃のお湯で10分程度入浴すると良いそうです。温まる事で身体をリラックスさせる副交感神経が優位になり、質のいい睡眠につながるのだとか。また、他にも肩を大きく10回程度回すなどのストレッチもオススメ。肩周りの血行を良くする事で、痛みの緩和や予防にも効果が期待できるそうです。

<片頭痛の対処法>
片頭痛の時は静かな暗い部屋で休息を取るのが一番の対処法だそうです。これだけで改善しない場合は拡がった血管を元に戻す薬を処方してもらうと良いのだとか。他にも、拡張した血管を収縮させるための冷却シートや、光などの刺激を遮るアイマスクやサングラスも先生のオススメ。また、混合型頭痛の場合は、まず辛い片頭痛の対処から始めると良いそうです。

放置は危険!2次性頭痛の恐怖

<くも膜下出血を引き起こす脳動脈瘤>
脳動脈瘤は、脳にある血管の枝分かれ部分の血管壁に強い圧力がかかり、外側に膨れコブ状に膨らみができたもの。この脳動脈瘤が破裂すると「くも膜下出血」を起こし命に関わる危険があるのだとか。脳は外側から硬膜・くも膜・軟膜で覆われており、くも膜と軟膜のすき間に大量出血を起こした状態を「くも膜下出血」と言います。くも膜下出血を発症した日本人の約8割が「脳動脈瘤の破裂による」とされているそうです。

<くも膜下出血の前兆「警告頭痛」>
先生によると、くも膜下出血の前兆として、脳動脈瘤から少量の出血があると激しい頭痛を引き起こす事があるそうです。このような頭痛を「警告頭痛」と呼ぶのだとか。警告頭痛は、短時間で治まる事もあるので、痛みが治まったとしても今までと違う頭痛があった場合は早めに受診して検査を受ける必要があるそうです。

危険な2次性頭痛を見分けるポイント

<ポイント(1)「だんだんひどくなる頭痛」>
脳腫瘍の場合、腫瘍自体は痛まないそうですが腫瘍が大きくなっていくにつれて周りの神経を圧迫するため、徐々に頭痛がひどくなるそうです。

<ポイント(2)「急に起こる強烈な痛み」>
急に起こる頭痛は、脳に出血や血栓ができている場合が多いため、注意が必要だそうです。

(2024年5月26日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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