「水虫」「尿もれ」もう悩まないで...人に言いにくい身体のお悩み解決!専門医に学ぶ原因と解決策
サマリーSummary
ドクター:仲皮フ科クリニック 院長 医学博士 仲弥
ドクター:亀田総合病院 ウロギネ・女性泌尿機能センター センター長/医学博士 野村昌良
身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは仲皮フ科クリニック 院長 医学博士 仲弥先生と亀田総合病院 ウロギネ・女性泌尿機能センター センター長 医学博士 野村昌良先生です。
今回のテーマは「〜もう悩まないで!水虫・尿もれ〜人に言いにくい身体のお悩み解決」
今回は、人に言いにくい身体のお悩みの中から「尿もれ」と「水虫」について徹底リサーチ!それぞれの専門医に原因や解決策などを教えてもらいました。
人に言いにくい身体のお悩み解決(1)水虫
<日本に住む人の4人に1人が水虫に感染!?>
水虫以外の理由で皮膚科を訪れた患者約3万4000人を調査したところ、4人に1人の割合で水虫が見つかったそうです。つまり、日本に住む人の約2500万人が水虫と推測されるのだとか。水虫は簡単に調べられるそうなので、気になる人は皮膚科で診てもらいましょう。
<水虫の原因は?>
先生によると、水虫の原因は、「白せん菌(はくせんきん)」というカビの一種。白せん菌は、裸足で歩く人が多い場所の床などにいるそうです。それが足の裏につくと、ケラチナーゼというタンパク質を溶かす酵素を出して角質細胞を溶かし、中に進入して増殖するのだとか。一方、身体は白せん菌を外敵とみなし排除しようとするため、炎症反応が起きます。すると、かゆみや水ぶくれなどの症状が現れるそうです。
<初期の水虫は大きく2種類>
初期の水虫は大きく2種類あるそうです。一つは、指の間にできる「趾間型(しかんがた)」。高温多湿な指の間にできる水虫で激しいかゆみを伴うそうです。もう1つは、 指の付け根などに水ぶくれができる「小水泡型(しょうすいほうがた)」。こちらも、かゆみを伴うそうです。
<治ったと勘違い!?水虫の落とし穴>
高温多湿を好む白せん菌は、梅雨から夏にかけて活動が活発になり増殖。その時期のかゆさは夜眠れないほど激しい時もあるのだとか。一方、冬になると白せん菌は大人しくなります。そのため、治ったと勘違いして治療をやめる人もいるそうですが、それが落とし穴。冬は息を潜めて生き続け、暑くなるとまた大暴れしてしまうそうです。このような状態を繰り返していると、免疫機能がだんだん働かなくなり、白せん菌はどんどん増殖。慢性期の水虫につながってしまうそうです。
<知らないうちにうつしているかも!?慢性期の水虫に要注意!>
慢性期の水虫は、かゆみがなく自覚症状がないそうです。しかし、そのまま放置すると、裸足で歩く場所全てに白せん菌を撒き散らす事になってしまいます。しかも、角質などの餌があれば白せん菌は数年生き続けると言われているのだとか。慢性期の水虫には、下記のようなものがあるそうです。
〜慢性期の水虫〜
・「かかと水虫」
かかとがガサガサと荒れたような状態が年中続き、粉をふくなどの特徴があります。乾燥肌・赤ぎれと見分けにくいそうです。
・「爪水虫」
爪が変色・厚くなるなどの特徴があり、全国で行った疫学調査で約10人に1人が該当したそうです。
<足だけじゃない「白せん菌」の恐怖>
先生によると、白せん菌は足だけではなく、身体中の皮膚の至るところにつくとの事。ついた場所によって呼び名が変わるそうです。一見、湿疹や蕁麻疹(じんましん)のようにも見えますが、薬を間違えると悪化する事もあるそうなので、気になる方は必ず皮膚科で診てもらいましょう。
〜水虫のできる場所(全身)〜
・手水虫(手白せん)
・シラクモ(頭部白せん)
・ゼニタムシ(体部白せん)
・インキンタムシ(股部白せん)
・足水虫(足白せん)
<「白せん菌」から身を守る方法!>
白せん菌が皮膚の中に入るのは24時間以上かかるといわれているそうです。そのため、1日1回足を洗うと感染しないのだとか。また、室内のゴミを掃除機でよく吸い、拭き掃除をして常に清潔を保つ事も大切だそうです。
人に言いにくい身体のお悩み解決(2)尿もれ
<尿もれの原因は?>
骨盤の底には、膀胱などの臓器を支えたり尿道などを締めたりする「骨盤底筋群」と呼ばれる筋肉があります。この筋肉がゆるむと、膀胱が部分的に下がりやすくなり、本来は閉じている尿道が開いてしまう事があるのだとか。これを「腹圧性尿失禁」と呼びます。先生によると、くしゃみをした時や笑った時など、お腹に力を入れた時に尿もれがある人は腹圧性尿失禁の可能性が高いそうです。
<尿意を我慢できない「切迫性尿失禁」>
膀胱は、敏感な臓器。そのため、骨盤内で動いてしまうとその刺激を脳が尿意と勘違いし、我慢できずもらしてしまう事があるそうです。これを「切迫性尿失禁」といいます。他にも、水の刺激や音などの影響を受ける事もあるのだとか。膀胱が下がる原因の1つは、骨盤底筋を引っ張り上げるお腹周りのインナーマッスルが弱まった事が考えられるそうです。オススメは、姿勢をしっかり保ったウォーキング。続ける事で尿もれ予防につながるそうです。
<専門医直伝!簡単尿もれ改善法>
先生によると、尿もれを防ぐには、普段から尿意を意識して、もれない段階でトイレに行く事が重要だそうです。毎日当たり前であまり意識する事がない尿意ですが、尿もれしてしまった時は、下記にある「トイレに行く基準7段階」のどの段階だったか思い返してみて下さい。そして、次はもう一つ早い段階で行くようにしましょう。大切なのは普段から尿意を意識する事。この方法は、腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁のどちらにも効果的だそうです。
〜トイレに行く基準7段階〜
7段階 すごくトイレに行きたい
6段階 かなりトイレに行きたい
5段階 少しトイレに行きたい
4段階 なんとなくトイレに行きたい
3段階 ある程度溜まった
2段階 少し溜まった
1段階 なんとなく溜まった
<尿もれ対策「骨盤底筋群を鍛える」>
腹圧性尿失禁には、尿道を締めるのに重要な骨盤底筋群のトレーニングも効果的だそうです。
〜骨盤底筋群トレーニング法〜
(1)椅子に丸めたバスタオルを置いてその上に座る
(2)タオルをお尻で挟むイメージでお尻の穴を締める
(3)5秒力を入れてゆるめる それを10回ずつ朝昼晩行うと効果的
慣れてきたらタオルなしでテレビを見ながら暇な時に行う
<男性の尿もれの原因&対策法>
男性は、加齢により尿道がゆるくなる事で排尿後に尿道内に尿が残りやすくなるそうです。それが排尿後に出てきて下着を汚すという事が起こるのだとか。先生によると、これを防ぐためには、出し切ったと思っても少し時間をかけて確認する事が大切。排尿時には座り、少し前かがみの姿勢で排尿すると残尿がなく出やすいそうです。
<「尿もれ」重要なのは心の状態!>
先生によると、頻尿や尿もれは心の状態に大きく関与する事がわかっているそうです。例えば、緊張状態・過度なストレスがあると、頻尿や尿もれが増悪するのだとか。そのため、リラックスするなど心の状態を整える事が頻尿や尿もれを防ぐのにも効果的だと考えられるそうです。
(2023年9月3日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)