経験者から学ぶ!難病との向き合い方

2021年10月31日(日)放送 【第480回】
経験者から学ぶ!難病との向き合い方

サマリーSummary

ゲスト:村上佳菜子
ドクター:順天堂大学医学部附属順天堂医院 膠原病・リウマチ内科 教授 東京都難病相談・支援センター センター長 医学博士 山路健
希少疾患である難病は、病気の知識や情報が少なく専門医も少ないので、早期発見や正しい診断に至らない事もあるといいます。一人一人が病気の理解を深めておく事が重要なのだとか。そこで今回は、経験者や専門医に難病について教えてもらいました。

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。 メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。

今回のテーマは「~治療法・医療費・生活は?~患者に学ぶ!難病の向き合い方

希少疾患である難病は、病気の知識や情報が少なく専門医も少ないので、早期発見や正しい診断に至らない事もあるといいます。一人一人が病気の理解を深めておく事が重要なのだとか。そこで今回は、経験者や専門医に難病について教えてもらいました。

難病の基礎知識

<難病の定義>
先生によると、下記の4つを満たすものが難病と定義されているそうです。
(1)発病の機構が明らかでない
(2)治療方法が確立していない
(3)希少な疾病
(4)長期の療養を必要とするもの

<指定難病について>
難病のなかでも、厚生労働省が指定する病気を「指定難病」と呼びます。現在333の病気があり、難病法に基づき医療費助成制度の対象となります。患者数は全国で約94万人といわれています。

<患者数が多い指定難病>
1位 パーキンソン病(約13万人)
2位 潰瘍性大腸炎(約12万人)
3位 全身性エリテマトーデス(約6万人)
先生によると、上記の患者数は、申請をして診断基準を満たした一定の重症度の人数のため、実際の患者数はもっと多いそうです。

知っておきたい難病(1)「特発性大腿骨頭壊死症」

特発性大腿骨頭壊死症とは、大腿骨の先端にある大腿骨頭の血流が悪くなったり、途絶えたりする事で、骨の一部が死んでしまう病気です。壊死した壊死した部分に体重がかかると、骨が潰れて痛みが現れるようになるのだとか。患者数は約1万7000人。多くは原因不明ですが、アルコールの飲みすぎやストロイドの大量投与に関連して起こることが多いとされているそうです。

<特発性大腿骨頭壊死症の治療法>
先生によると、骨が潰れないようにするため、松葉杖を両方使って生活する保存療法が一般的な治療法。壊死が進行している場合は、自分の関節を残す骨切り術や、人工関節置換術などの手術を行うそうです。
(1)保存療法(松葉杖)
(2)骨切り術
(3)人工関節置換術

知っておきたい難病(2)「全身性エリテマトーデス(SLE)」

全身性エリテマトーデスは、本来ウイルスを攻撃するはずの免疫が自身の一部を敵と間違えて攻撃してしまい発症。腎臓・皮膚・関節・血管系など、全身の臓器が障害される病気です。初期症状は、身体のだるさや関節など。顔に湿疹が出る蝶形紅斑も主な症状です。患者数の男女比は1:9で20~40代の女性に多いのも特徴だそうです。

<全身性エリテマトーデスの治療法>
全身性エリテマトーデスは、完治が難しいため、病気が安定した状態を維持する事が治療目標。免疫反応を抑えるストロイドを中心に、免疫抑制薬や抗マラリア薬、生物学的製剤を組み合わせて治療を行うそうです。

知っておきたい難病(3)「特発性拡張型心筋症」

特発性拡張型心筋症とは、何らかの原因で心臓の筋肉(心筋)の働きが悪くなり収縮力が低下する病気です。心臓は、全身に血液を送り出していますが、収縮力が低下すると血液を適切に送り出せなくなってしまうのだとか。主な自覚症状は、息切れや疲れやすさなど。進行すると、安静時にも症状が現れるようになるそうです。

<特発性拡張型心筋症の治療法>
心筋細胞は、一度機能が失われると元には戻りません。そのため、治療法は薬物療法や補助人工心臓治療、最終的には心臓移植が必要になるそうです。
(1)薬物治療
(2)心臓再同期療法
(3)補助人工心臓治療
(4)心臓移植

<世界初!心臓の再生医療>
心臓移植はドナーの数が十分ではないため、全ての人が受けられるわけではないそうです。
そこで、現在心臓移植の代用となるiPS細胞を使った心筋細胞移植の研究が進められています。今年の秋には、安全性と効果を確認する世界初の再生心筋細胞移植の治験がスタートしており、再生医療によって心臓を元に戻せる時代が近づいてきているそうです。

難病との向き合い方

先生によると、適切な治療を行なって自己管理を続けている患者さん達のなかには、健康な人と同じように仕事をしたり日常生活を送ったりしている人も少なくないといいます。そのために大切なのは、家庭や職場など周囲の人たちの支援。病気を理解し、寄り添う事が必要だそうです。

<治療も進歩しています>
先生によると、発症の仕組みや悪化するメカニズムの解明など、難病の研究も進んできているとの事。近年では、遺伝子ゲノム診断の技術が進歩し、個々の患者さんに最適な治療ができる個別化医療が進んでいるそうです。

(2021年10月31日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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