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知っておきたい最新治療法

知っておきたい最新治療法

サマリーSummary

ゲスト:中川絵美里
日進月歩で進化し続けている現代の医療。これまで完治するのを諦めていたり、一生付き合わなければいけなかったりした病気や症状のなかにも、医療の進化によって大きく改善できるものが登場しているのだとか。そこで今回は、片頭痛・ヘルニア・外傷の専門医に教えてもらった「知っておきたい最新治療法」をご紹介します。

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。

今回のテーマは「~片頭痛・ヘルニア~驚きの最新治療

日進月歩で進化し続けている現代の医療。これまで完治するのを諦めていたり、一生付き合わなければいけなかったりした病気や症状のなかにも、医療の進化によって大きく改善できるものが登場しているのだとか。そこで今回は、片頭痛・ヘルニア・外傷の専門医に教えてもらった「知っておきたい最新治療法」をご紹介します。

片頭痛患者を救う最新治療法

慢性的な「片頭痛」に悩む日本人は、現在およそ840万人いるといわれています。

<片頭痛による痛みはなぜ起こる?>
頭の中には三叉神経という神経があり、刺激を受けると「CGRP」という物質が放出されます。この「CGRP」が血管などにある受容体と呼ばれる部分に結びつくと、血管の拡張や炎症反応を引き起こし、それを脳が痛みとして感じていると考えられているそうです。また、三叉神経を刺激し片頭痛の引き金となるものを誘因といいます。誘因には、光・音・ニオイ・ストレスなどさまざまなものがあるそうです。

<片頭痛を注射で予防!?最新治療法>
先生に教えてもらった最新治療法は、1か月に1回程度注射を打つ事で片頭痛が起きにくくなるというもの(※注射薬の種類によって打つ期間が変わります)。従来の治療薬は、脳の興奮や血管の拡張などを抑える事で痛みを防いでいましたが、この注射薬の場合は痛みが発生する原因物質や受容体の働きをブロックするため、痛みを予防する効果がより高いそうです。

<注射による頭痛予防薬が受けられる人>
・片頭痛と確定診断されている
・痛み止めを使っても生活に支障がある
・片頭痛の日数が1か月に4日以上ある
・今までの予防薬で効果がない方や副作用で使えない方
先生によると、注射による治療は頭痛専門外来や脳神経内科などを受診する事で受けられ、保険も適用されるとの事。ひどい片頭痛でお悩みの方は、専門医に相談してみましょう。

<ドクター直伝!頭痛をやわらげる方法>
・片頭痛の場合
片頭痛の場合は、こめかみに冷たいペットボトルを当てるなど、痛いところを冷やすと良いそうです。
・緊張型頭痛の場合
緊張型頭痛の場合は、お風呂に入るなどして身体を温めて血行を良くする事で、症状の改善につながるそうです。

手術なし!椎間板ヘルニアの最新治療法

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

椎間板ヘルニアによる腰痛に悩む人は、全国に推定約100万人いるといわれています。

<椎間板ヘルニアとは?>
椎間板ヘルニアとは、椎間板の中の髄核と呼ばれるものが出っ張った状態。神経を圧迫する事で、腰痛や手足のしびれなどの症状を引き起こすそうです。

<2018年 手術をしない治療法が認可>
これまで椎間板ヘルニアを治すには手術しかありませんでしたが、2018年に手術をしない画期的な治療法が認可されました。その方法とは、酵素を椎間板の中に注入して髄核にあるゼリー状の物質(プロテオグリガン)を溶かし、出っ張ったヘルニアを引っ込めるというもの。この治療法は、全国の整形外科がある病院で受ける事が可能だそうです。(※学会に認定された施設であるなどの条件があります)

<手術をしない治療法には課題点も>
先生によると、酵素を注入する治療法には課題もあるとの事。それが、一生に1回しか打てない事。注射する酵素は身体にとって異物となるため、2回目を受けた時にアナフィラキーショックなどのアレルギー反応が起こる可能性があるからなのだとか。そのため、ヘルニアが複数か所にある場合も、現時点では1か所にしか打てないそうです。

<重度の椎間板ヘルニアを救う!治験が進む最新治療法>
東海大学医学部附属病院の酒井大輔先生が研究を進めているのが、椎間板の細胞を採取して培養し、それを壊れた椎間板に注入するという治療法。椎間板には血管が通っていないため、壊れても修復するための細胞を他から供給する事ができません。しかし、この治療法なら徐々に椎間板が再生し腰痛の原因を根本から治すことができるといいます。元々は患者さん本人の細胞を使用していましたが、現在は手術で切除せざるを得なくなった方のヘルニア組織を集め他人へ使う研究を行なっているそうです。椎間板には血管がないので他人の細胞を入れても拒絶反応が起きにくく、若い成人ドナーの細胞を使う事で椎間板の再生能力がより高くなるというメリットがあるのだとか。先生によると、5年~10年先にはこのような治療法が一般化する事を目指しているそうです。

外傷を改善する最新治療法

外傷治療の現場でも、これまでになかった治療法が導入され始めています。

<シートで外傷を改善する最新治療法>
先生に教えてもらった治療法は、外傷に豚の小腸の粘膜下組織を使ったシートを貼るというもの。一見すると何の変哲もない半透明のシートですが、先生によるとそのシートには細胞を元気にする成分が豊富に含まれており、外傷にシートを貼る事で細胞が活性化され再生力をアップする効果が期待できるのだとか。さらに、シートは身体に同化するため、通常の治療よりも改善が見込めるのだそうです。

<糖尿病の合併症治療にも活用>
糖尿病の合併症として起こるのが、神経と血管の障害。神経の感覚が鈍くなると、痛みに気付きにくくなり大きな怪我を負いやすくなるといわれています。さらに、過剰な糖で末梢血管が傷つけられると傷の治りが悪くなり、手や足先などで壊死が起こるのだとか。壊死が起きた場合は、その部分を切除し治療を行いますが、その際にシートを活用する事で再生力をアップし傷の改善につなげられるそうです。

(2022年4月17日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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