「あの人嫌い」子どものひと言で交際を断念…。シングルマザー婚活で実際にあった5つのエピソード
「子どもに反対されたら?」「住む場所やお金はどうする?」――。
シングルマザーの婚活は、自分の恋愛感情だけでは進められない複雑な事情が絡み合います。仕事、家事、育児に追われる中で、婚活のための時間や費用を捻出することは簡単ではありません。結婚相談所へ一歩を踏み出す人は全体の1割ほどだといいます。
それでも「人生を諦めたくない」と奮闘する彼女たちには、どんな壁と選択があるのでしょうか。
独自の「週末婚」を選んだケース、子どもの一言で交際を断念したケースなど、結婚相談所の現場で実際にあった5つのエピソードから、現代の多様な家族の形を紐解きます。
婚活したい気持ちはあっても、簡単には動けない現実
「隣の女性」のリアルな本音を伝え、「今」を生きる女性たちを応援したい――。
そんな思いからCBCテレビが立ち上げたのが、「me:tone編集部」です。今回は、婚活業界で長く現場を見続けてきたブライダルサロンbouquetの佐藤さんにシングルマザーの婚活について聞きました。
シングルマザーの婚活は、恋愛だけを考えればいいわけではありません。
仕事や家事、子育てに追われる毎日のなかで、婚活のための時間を確保すること自体が大きなハードルです。実際に佐藤さんのもとで活動するシングルマザーは、会員全体の1割ほどだといいます。
me:tone編集部:「相談所に来るというのは、かなり勇気が必要なことなのでしょうか?」
佐藤さん:「そうですね。難しさもしんどさもあるけれども、それでも諦めたくない、チャレンジしたいという気持ちで、本当に勇気を持って来てくださるという印象ですね」
相談所へ足を運ぶ前の段階で、婚活を考えながらも立ち止まっている人は少なくないようです。

最大の壁は「私の幸せ」ではなく「子どもの幸せ」
シングルマザーの婚活の中心にあるのは「自身の子ども」です。自分の希望だけで話を進めることはできません。相手との相性だけでなく、子どもとの関係や生活環境など、考慮すべき要素が圧倒的に増えるからです。
佐藤さん:「一番大きな問題だと思うので、ここがケアできないと踏み出せない方が多いですね」
現実問題として、お見合いやデートのために子どもを預ける必要があり、そのスケジュール調整自体が大きな負担になることもあります。
実際にあった「シングルマザー婚活」の5つのケース
シングルマザーの婚活は、子どものこと、親のこと、住む場所のこと。考えるべきことが数多くあります。だからこそ、成婚までの道のりも人それぞれです。
ここでは、佐藤さんが実際に見てきた印象的な事例を紹介します。成功したケースもあれば、残念ながらご縁につながらなかったケースもありました。しかし、そのどれもがシングルマザー婚活のリアルを映し出しています。
【ケース1】親や友人の「心配」という名の「反対」を乗り越えて成婚
シングルマザーとの結婚を考えた初婚男性のケースです。本人同士の気持ちは固まっていましたが、男性側の親や友人たちからは心配の声が上がりました。
「本当に大丈夫なのか」「子どももいるんでしょ?」
それは悪意ではなく、将来を案じての言葉でした。
佐藤さん:「そこで2人は、無理に理解を求めるのではなく、お子様も含めて実際に会ってもらうことを選びました」
お互いが信頼し合っている姿や、子どもが自然に懐いている様子、 すでに家族のような雰囲気ができていること。そうした姿を直接見てもらうことで、少しずつ周囲の不安は解消されていきました。
結婚は本人同士だけの問題ではないからこそ、大切な人たちにも安心してもらう努力が実を結んだケースでした。

【ケース2】子どもの環境を守るために選んだ「週末婚」
子どもの環境を変えたくないという思いから生まれたケースです。
お相手は遠方に住んでおり、結婚すれば転居が必要な状況でした。しかし、お子さんには通い慣れた学校があり、大切な友達もいます。
「卒業までは今の環境で過ごさせてあげたい」
そんな親心と、「好きな人と一緒になりたい」という気持ちの間で葛藤が生まれました。
佐藤さん:「そこで選んだのは、すぐに同居するのではなく、しばらくは週末だけ一緒に過ごすスタイル。いわゆる“週末婚“でした。」
子どもの卒業という節目までは現在の生活を守りながら、2人の関係も大切に育てていく。
現在もその形で良好な関係を続けており、将来的な入籍も予定しているそうです。
「結婚の形はひとつではない」ことを教えてくれるエピソードです。
【ケース3】子どもを大切にしてくれる姿が決め手になった成婚
まだ幼い子どもを育てていた女性Aさんのケースです。
通常であれば交際が進んでから子どもを紹介することも多いですが、Aさんは比較的早い段階から子どもを交えたデートを行いました。
お相手の男性はとても穏やかな性格で、お子さんに対しても自然に接していたそうです。
「かわいいね」「すごいね」と言葉をかけながら、すぐに打ち解けていきました。
その様子を見たAさんは「この人なら大丈夫」と確信し、真剣交際を経て成婚へ。さらにその後、お相手の海外赴任が決まり、3人で海外生活をスタートさせました。
恋愛感情だけではなく、「子どもを大切にしてくれる人かどうか」が決め手になった代表的なケースです。

【ケース4】「あの人、嫌い」子どもの一言で交際を終えた決断
一方で、子どもとの相性を重視した結果、成婚に至らなかったケースもあります。
シングルマザーBさんは、「自分が好きになること」と同じくらい、「子どもが受け入れてくれること」を大切にしていました。何度かデートを重ねたあと、子どもに感想を聞いたところ返ってきたのは「あの人、嫌い」という率直な一言でした。本人同士だけであれば交際を続けられたかもしれませんが、Bさんは子どもの気持ちを優先し、交際終了を決断します。
その後も婚活を続けましたが、すべての条件を満たす相手と出会うことは簡単ではなく、最終的には「今はそのタイミングではないのかもしれない」と活動を休止されました。
親としての責任と、自分自身の幸せ。その両方を真剣に考え続けた末の決断でした。
【ケース5】「同じだったらどうしよう」ためらう過去の傷跡
離婚理由が、自分と子どもへのDVだった女性Cさんのケースです。
新しい出会いがあり、交際も順調に進んでいました。しかし、お相手との会話を重ねるうちに、過去のトラウマが少しずつよみがえってきてしまったのです。
「この人も同じだったらどうしよう」
頭では別の人だと理解していても、心が追いつきませんでした。
結果として、Cさんは交際終了を選択。婚活では条件や相性だけでなく、過去の経験や傷と向き合う時間も必要になります。特に離婚による傷が深い場合は、出会いを探すだけでなく、心の準備が整っているかどうかも重要になることを考えさせられる事例でした。

新しい家族の形に「たったひとつの正解」はない
今回紹介したケースを見ていくと、成婚した人も、途中で活動をやめた人も、それぞれ違う課題と向き合っていました。
周囲の理解を得る必要があった人。子どもの気持ちを最優先にした人。過去のトラウマが影響した人。
今回の取材を通して感じたのは、シングルマザー婚活において「こうすればうまくいく」という正解があるわけではないということです。
それぞれの状況に合わせて、子どもや家族にとって無理のない形を探していく。
その積み重ねの先にこそ、新しい家族の形があるのかもしれません。

【ブライダルサロンbouquet代表 佐藤香織氏 経歴】(写真左)
日本航空グランドスタッフとして4年勤務し、20代で結婚。
夫の海外赴任によって、2年間アメリカでの生活を経験。
駐在中に第一子を出産、帰国後に第二子を出産。
2014年 名古屋市・千種駅前で、「ブライダルサロンbouquet」を開業
カウンセラー歴11年
「ベスト仲人賞」受賞(県内唯一)、IBJ AWARD®10期連続受賞、他計20回の表彰歴。
≪保有資格≫
JLCA認定婚活カウンセラー・スペシャリスト/上級心理カウンセラー/メンタル心理カウンセラー

番組紹介
働く女性のリアルな声を届けるWEBメディア『me:tone』。
名古屋を起点に、座談会や美容・キャリア・お金の話題まで、身近で共感できる情報を発信し、女性たちの「今」を応援します。
共感と気づきで毎日を前向きに。毎週不定期で更新。



