いずれは根尾選手の専用曲を!サカナクション山口一郎のあふれる野球への想いとドラゴンズ愛
CBCラジオ「ドラ魂キング」の収録スタジオ入りするなり、マイクチェックもそこそこに始まったドラゴンズトーク。サカナクションのボーカル山口一郎さん(以降一郎さん)の、少年時代から続くというドラゴンズ愛は本物だ。
「又吉投手の流失は痛いけど、ホークスから誰を獲ります!?それに、ドラの若手が楽しみ。ルーキーのブライト選手や鵜飼選手の試合もチェックしましたが、急に外野手激戦ですね。でもこの前、大島選手が、まだまだ自分が引っ張るって言ってくれてた記事も見ましたよ」
のっけからの勢いに圧倒されつつ、私、宮部が突っ込む。
「一郎さん、レコーディング期間も、ドラゴンズのこと、かなりつぶやいてますが、お時間とか大丈夫なんですか?」
「全然大丈夫です。むしろ、ボクら東海地方以外のドラゴンズファンは、情報に飢えていた中、ネット上でもようやく充実してきたのが、嬉しいんです!」
一郎少年の原点
子供のころ北海道小樽で育った一郎さん。お父様が岐阜県に縁が深いこともあり、小学生時代は青色のドラ帽子で通学していたと聞く。
そしてサカナクションの原点である札幌のライブハウスのマスターがかつて、アルバム特典映像の中で「一郎君は、あの頃から、音楽と釣りと中日(ドラゴンズ)、ばっかりだったよね」と懐かしむシーンがあった。
そんな根っからのファンだからこそ、ネットでドラゴンズの情報が手に入りやすくなった現状に対する、こんな提案も飛びだした。
「だけど、どれだけたくさんのサブスクリプションに契約しないといけないのでしょう。ドラゴンズ用に情報プラットホームを整備してほしい!」
大野雄大との縁
そして話題は、エース大野雄大投手との縁へ。サカナクションの『ルーキー』がリリースされた2011年に文字通り“ルーキー”だった大野投手。一昨年の2019年に打席登場曲を『新宝島』に変えた直後、ノーヒットノーランを達成!なんという縁の深さだろう。
さらにさすがは一郎さん、目の付け所が違う。
「ノーヒットノーランも凄いですが、新宝島にしてもらってから、大野投手自身の打率が上がってるんです!」
エースの投球だけでなく、打席にも注目しているとは。確かに、登場曲は、マウンドへ向かう時の曲ではなく、バッターボックスへ向かう時の曲なのである。
「自分の打率を上げたからこそ、投球のリズムも、さらに良くなったのではないでしょうか」
さすがトップミュージシャン、リズムを考えるとは。投手に打点がついた時の試合全体の流れの移り変わりは、いわずもがなだ。
根尾昂との縁
そして、『モス』を打席登場曲にしている根尾昂選手の話題へ。
「彼は、大注目の中、プロ3年目が終わって、周りにいろいろと言われていることでしょう。気にする人ではないでしょうが、自分の道を貫いて、野球道を極めてほしい。あと、焦らないでほしい。ボクも30歳で上京して。下積みが長い分、花開いた時に、説得力があり、質量が、あると思う。3年間積み上げてきたものを来年出してほしいですね。同じ、岐阜のゆかりもあるし」
なんともありがたい、自身との境遇を共有した言葉。
「だからこそ、来季もまた『モス』を使っていただけたら。なんなら、バッターボックスへ入るまでの秒数を合わせてエディットします。いずれ将来は、根尾選手が打席へ向かうためだけの曲も作ることができたら!」
「だって、『モス』が流れてからの、プロ初本塁打が満塁弾、リアルタイムで部屋で一人で観てて感動しましたもん。もっともっとファンを増やして歓びを共有したい。今は野球に興味のない人にも素晴らしさを知ってほしい。ドラゴンズのことをもっと気にしてほしい。ボクはミュージシャンの立場からやっていきたい!」
この熱いメッセージを聞いた根尾選手からは、こんな感想をもらった。
「ちょっと興奮しました。はい、モスは来年からも使用させていただきますが、申し訳ないので僕が曲に合わせてバッターボックスへ入ります!」
サカナクション山口一郎さんの、あふれるほどの野球への想いとドラゴンズ愛。野球選手とミュージシャン、舞台は違えどファンのために戦う姿から受ける感動を、もっと多くの人に知ってもらえることを願って。燃えよ!ドラゴンズ!
【CBCアナウンサー 宮部和裕 CBCラジオ「ドラ魂キング」水曜、三浦優奈さんと共演、テレビ・ラジオのスポーツ実況担当。生粋の元少年ドラゴンズ会員。早大アナ研仕込の体当たりで、6度目の優勝ビール掛け中継を願う。「月刊ドラゴンズ」コラムも連載中】