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「乗り越えられない試練はない」ドラゴンズ木下雄介が力強く目指す、脱臼からの”復帰投手第一号”

「乗り越えられない試練はない」ドラゴンズ木下雄介が力強く目指す、脱臼からの”復帰投手第一号”
木下雄介投手(C)CBCテレビ

開幕一週間前、ドラゴンズファンは、過去に例を見ないアクシデントを目の当たりにした。

近未来の守護神候補として、すでに開幕一軍の信頼を得ていた木下雄介投手。そのオープン戦最終戦、仕上げともいえるマウンドで、悲劇は起きた。マウンドでまさに渾身の快速球を投げた瞬間の右肩脱臼。うずくまった。私宮部は放送席でスコアを付けていたが、一切の音が無くなり、時が止まったようなドームの空気を初めて感じた。

―どうして野球の神様は、彼に試練ばかりを与えるのか。

彼は昨年も充実の沖縄キャンプ最終日、そのラストの練習メニューで足を大ケガ。なんでいつも、最後の最後で。。。正直一週間たっても、ショックは和らがない。ドラゴンズファンの皆さんの心配もいかばかりだろうか。しかし、現実の症状を踏まえ、一番前向きに進もうとしているのは、木下投手本人だ。

心境を言葉にしてくれた。

「今回はちょっと大丈夫じゃないかも、です。あれは、自分でも衝撃映像ですね。でもやれることはやっていきます!肩は、当日の夜、はめていただきました。ただ、肩の脱臼は初めてで、こんな痛いと思わなかったです」

「投手の脱臼というのは、復帰は厳しい、と言われてますが、それなら、自分が第一号になります。全然有名じゃない選手のボクに、あの日以降、ファンの方から本当にたくさんのメッセージやSNSでの励ましの言葉を頂いて、頑張ろうって気持ちになりました。感謝しかないです」

「とにかくただ復帰するんじゃなくて、今よりさらにレベルアップして、クローザーは木下しかおらんやろ!って、周りに認めてもらえるぐらい、怪我前より成長できるように、これからの時間を大切にしていきます!」

そして最後に力強く。

「乗り越えられない試練はないと思うので、この試練も乗り越えます!」

そう、かつて取材し記事にもしたが、彼はこれまでいくつもの試練を乗り越えてきた。だからこそ、できる。彼なら、できる。

***

自ら「衝撃映像ですね」と振り返る、マウンド上での悲劇から一週間。彼はしっかりと前を見始めた。あの日一人目の打者を打ち取った時に見せた、渾身の150キロ快速球を、ドラゴンズファンがもう一度、目の当たりにできることを信じて。燃えよ!ドラゴンズ!

【CBCアナウンサー 宮部和裕 CBCラジオ「ドラ魂キング」水曜(午後4時放送)他、テレビ・ラジオのスポーツ実況担当。生粋の元少年ドラゴンズ会員。早大アナウンス研究会仕込の体当たりで、6度目の優勝ビール掛け中継を願う。】

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