中日ドラゴンズCS進出するためにルーキー鈴木博志の力は必要不可欠! 絶対的守護神へ成長するために必要なものは一体何!?
【ドラゴンズライター竹内茂喜の『野球のドテ煮』】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム
夏といえば甲子園!
今年も甲子園に熱い夏がやってきました!8月5日から始まった全国高校野球選手権大会。今年は100回目という節目の大会であり、始まる前からかなりの注目が集まりました。史上最多となる56代表校の熱い戦いに、今年も多くの感動が生まれることでしょう。記念大会の栄冠はどこの高校に輝くのか。今から楽しみで仕方ありません!
夏の甲子園といえばドラゴンズにも思い出に残っている選手がいっぱいいますよね!80回記念大会の決勝でノーヒットノーランの快挙を達成した、横浜高・松坂大輔。97回大会の東海大相模高・小笠原慎之介、そして昨年真紅の大優勝旗を手にした花咲徳栄高・清水達也と三人の優勝投手が在籍。また87回大会で1試合3ホームランを放った大阪桐蔭高・平田良介の大活躍はドラゴンズファンだけではなく、熱心な野球ファンの間では今も語り草となっています。今夏の経験を身体に染み込ませた多くの球児が秋のドラフト会議で指名されるかと思うと、知らず知らず真剣に見入ってしまいます。ドラゴンズへ入って活躍してもらいたい、そんな目線でここしばらくテレビにかじりついていきます!
ようやくエンジンがかかってきたドラゴンズ!
熱い戦いといえば、ようやくドラゴンズもファンの期待に応える粘っこい戦いぶりを発揮し始めてきました!先週は今季初の5連勝を記録。クライマックスシリーズ進出に向け、チーム一丸となって進み出した、そんな一週間でした。活発な打線がチームを引っ張る中、フォアザチームに徹するバッティングを見せ、首位打者の座をキープし続ける平田の大活躍には頭が下がる思いでいっぱいです!打つだけではなく強肩好守にどれだけの投手が助けられていることやら。ビシエドの好調ぶりも平田が後に控えているからこそではないでしょうか。平田にはケガすることなく、この好調ぶりをシーズン終了まで維持してもらいたいものです。
また投手陣に目を移せば、中継陣の充実ぶりが接戦をモノにしている大きな要因となっているのは間違いありません!なかでも佐藤優の活躍ぶりは圧巻!ドラゴンズファンにインタビューすれば10人中10人が彼の変貌ぶりに賞賛の声を挙げるはずです。5日のジャイアンツ戦まで計10戦連続無失点の投球を続けており、今や最も信頼のおけるセットアッパーとしてブルペンを支えています。そして左殺しとして急遽獲得したロドリゲスの力がさらに中継陣の厚みを増したのは言うまでもありません。ただ今後ドラゴンズが勝ち進むためにはもうワンピース足りません。絶対的守護神の存在は必要不可欠!今、その座を死に物狂いでモノにしようとルーキー鈴木博志が挑んでいます。今週のサンドラは現在の心境並びに、信頼されるストッパーになるための心得を語ってくれました。
抑えを任されたことで一球の重みを痛感
8月5日時点、開幕からチームトップとなる46試合に登板。田島の不調から急遽抑えのポジションに指名。7月7日のスワローズ戦でプロ入り初セーブを記録してから、彼もまた熱く険しい夏を過ごしています。
『プロ入りする時からやりたいと言い続けてきたポジション。そのチャンスが一年目からやってきただけにうれしい』
と、今の気持ちを率直に語る鈴木博。ただ抑えを務めて初めて分かったこと。それは一球の重み。当初務めていたセットアッパーでも何度も打たれ、失点を重ねました。しかし鈴木は打たれてもセットアップと抑えは違うときっぱり言います。
『ストッパーは絶対打たれてはいけないポジションなのです』
7月21日神宮でのスワローズ戦は一生忘れられない一夜となったはず。川端から喰らったサヨナラ3ラン。鈴木博は一球の重みを痛感しました。ストッパーはセットアッパーとは違い、チームの勝敗に直結する役割。マウンドでの気持ちの持ち方にも違いがあることに気付いたそうです。
『最後に投げるというのは特別なものがあります』
9回のマウンドに立つ。それはチームの仲間が1イニング1イニング勝利に向けて紡いできた証し。それに報うために投げる。番組では語ってはいませんでしたが、役割の重大さ、そして怖さをプロのマウンドに立ったことで初めて実感したのでしょう。
代魔神から本物の大魔神へ
絶対的なる守護神へ。チームメイトそしてファンから信頼を勝ち取るために、やらなければならない課題が山積の鈴木博。しかしそれは成功への階段を一歩一歩上がっていることと同じ。幸運にもチーム内には球史に残る名ストッパー岩瀬仁紀というリリーフの大黒柱がいます。彼が体験してきた抑えの経験を吸収することが守護神への近道と信じ、毎日取り組んでもらいたいと願います。
現在、1イニングをしっかり抑えるために新球マスターに励む鈴木博。それは過去の名ストッパーなら誰でも操っていた魔球フォークボール。タテの変化球は抑え投手には必要不可欠といえるボールであり、イメージしているのはベイスターズ・山崎康晃。
『指を一番開いた状態で握るだけ。はさむという意識はない。決め球で使えれば投球の幅も広がると思う』
確かに150キロを超えるストレート一辺倒だけでは猛者揃いのプロの世界では通用しません。ここにエグい落差のあるフォークボールを習得すれば鬼に金棒!まさに代魔神からホンモノの大魔神へ名称変更は時間の問題となることでしょう。名捕手だった谷繁元信さんはよくこの言葉を言います。
『投手は信頼はするが信用はしない』
その日その日で体調も異なれば、ボールの曲がりも違います。しかし守護神となれば義務付けられた成功に向け、投げ続けなければならないのが宿命。鈴木博が絶対守護神になる時、それはドラゴンズが常勝チームへ戻る時と信じ、彼の成長を楽しみに待ちたいと思います。
今季正念場ともいえるカープ三連戦
先週末、地元ナゴヤドームでのジャイアンツ戦でカード負け越しを喫し、5連勝の勢いに水を差してしまった感のあるドラゴンズ。次の相手は首位を独走するカープ。しかも敵地マツダスタジアムでの戦いとなり、ここが今季一番の正念場となりそうな予感がプンプンしています。ここでひと踏ん張りしてクライマックスシリーズ進出争いに残って欲しい!すべてのドラゴンズファンからの思い、そして願いが聞こえてきそうです。最低でも勝ち越して、週末ナゴヤドームへ帰ってきてもらいたい!今週も熱烈応援をしていきます!がんばれ!ドラゴンズ!燃えよドラゴンズ!
(ドラゴンズライター 竹内茂喜)