餃子に味噌土手、創業100年超えの居酒屋も!?名古屋・栄のグルメを大特集!長く愛される老舗店の秘密に迫る
爆笑問題・太田光と石井亮次アナウンサーが、東海地方の定番を深掘りするバラエティ『太田×石井のデララバ』。今回は「栄グルメ」を165時間取材!愛され続ける老舗店の秘密に迫ります!
平日でも満員!甘い「焼き餃子」が人気の町中華
2024年4月、名古屋初を含む93店舗が集結する「中日ビル」がグランドオープン。新たなランドマークが生まれ、賑わいを見せる栄。多くのビルが立ち並ぶ名古屋の中心地ですが、路地に入ると、まるでタイムスリップしたかのように雰囲気が変わる場所も。古くから愛されている老舗店もたくさんあります。
栄駅から徒歩約7分の中華料理店「夜来香(えいらいしゃん)」は、今から69年前の1955年創業。昔ながらの町中華で、何十年も通う常連や懐かしい雰囲気を求めるお客さんで、平日でも満員です。
エビマヨ、ニラレバ、カレーラーメンなど、メニュー数は全63品。中でも人気は、創業当時からの看板メニュー「焼き餃子」。ほぼ100%のお客さんが注文し、多い日には7000個以上を売り上げます!
一般的な餃子はひだを作りながら包みますが、夜来香ではスピードを追求した結果、3本の指でつまむだけ!名付けて「夜来香握り」は、1個包むのにかかる時間がわずか1.5秒!大量に注文される餃子を量産します。
3代目社長の小縣(おがた)昇さんによると、夜来香は名古屋に初めて焼き餃子を持ってきたのだとか。「初代社長(小縣新一郎さん)が戦争で満州に行った時、そこで食べた焼き餃子が忘れられなかった」のだとか。終戦後、初代社長は作り方を独学で習得。1955年に、名古屋初の焼き餃子を販売したそうです。
夜来香の焼き餃子の人気の理由は「甘みがある」こと。番組は、名古屋市守山区にある「萬寿(まんじゅ)食品」の工場へ潜入し、甘みの秘密を探りました。
夜来香の餃子は、野菜が多めなことが特徴。肉が約25kgに対して、野菜が約120kgの割合です。大量のキャベツが投入されますが、実は甘みを引き出しているのは「玉ねぎ」。玉ねぎが入ることで、野菜の甘みが際立ち、餃子の甘さが出るのだとか。創業当時から、作り方は変わっていないそうです。
一般的な餃子と比べて1個が小さい「小ぶりなサイズ」も人気の理由。女性でも食べやすいと好評です。
ミシュランガイドにも掲載!?分厚くてやわらかい「味噌カツ丼」
栄駅から徒歩約5分の「味処 叶(かのう)」は、今から75年前、1949年にオープンした味噌カツのお店。ミシュランガイド・ビブグルマンに掲載された名店で、週末には約1時間待ちの大行列になります。
名物の「元祖味噌カツ丼(カツ6切れ)」の魅力は、濃厚そうな見た目からは想像できない「あっさり味」と、分厚くても食べやすい「やわらか食感」。
使用するお肉は、トンカツでは一般的な背ロースですが、脂身を大幅にカット。お肉に衣を付け、190℃の油の中へ。揚げ時間は、たったの2分!2代目店主の杉本徳雄(のりお)さんによると、余熱で中まで火を通すそうです。やわらかい食感を残したまま、おいしさも閉じ込められるのだとか。
味噌カツの味付けは、カツの上にタレをかけるのが普通ですが、叶では揚げたカツを味噌だれの中へ入れます。杉本さんによると「揚げたてのカツは、油が衣に含まれている。油は味噌だれの中に吐き出させて、味噌を逆に吸わせる」とのこと。煮込む時間は約40秒。衣から余分な油が抜け、味が染み込んでいきます。
叶の味噌だれが誕生したのは、戦後間もない頃。創業当初、割烹料理がメインのお店でしたが、先代店主・杉本利資(としすけ)さんが、天丼のタレをヒントに八丁味噌で味噌だれを開発したのだとか。そのタレを、今でも継ぎ足しながら使い続けています。
意外なことに、徳雄さんは先代から味噌だれの作り方を教えてもらっていないそうです。先代が現役だった頃、徳雄さんはお店を手伝っていましたが、調理には一切関わっていませんでした。そんな中、ある日突然、利資さんが「腰が痛いから」と包丁を置き、完全引退してしまったのだとか。後を継ぐことになった徳雄さんは、先代の味に近づこうと、記憶を頼りに味噌だれの配合を試行錯誤しました。それから13年、昔の味を知るお客さんも納得の味噌カツ丼は、変わらず栄で愛され続けています。
開店前から大行列!平日も賑わう「名古屋最古」の居酒屋
伏見駅から徒歩1分の居酒屋「大甚(だいじん) 本店」は、今から117年前、日露戦争が終結した2年後にオープン。名古屋で最古の伝説の居酒屋です!
営業開始は、居酒屋にしては少し早い午後3時45分。平日・休日を問わず、開店から15分ほどで満席に。店内は相席スタイルで、お客さんは年齢や仕事に関係なく、共に楽しみます。
創業から愛され続けているメニューは「鶏のうま煮」と「いわしの煮つけ」。懐かしい味で、お酒のツマミにピッタリです。
居酒屋では珍しい、自分で好きな料理をとることができるセルフサービススタイルが大甚の伝統。30~35種類から好きなものを選べ、一皿270円からと激安です!
4代目店主の山田泰弘さんになってから、長年40種類だった料理を80種類まで増やしたのだとか。揚げ物、焼き魚、ステーキなどは、注文を受けてから調理。その中から名物になったメニューが「和牛ホルモン味噌土手」。八丁味噌、ワインなどをブレンドした独自の味付けです。
仕入れに密着すると、4代目はメニューにない食材の本マスを購入。キッチンのスタッフに渡し、メニューを作ってもらうのだとか。心掛けているのは、新鮮な食材を使った日替わりメニューを提供すること。この日、購入した本マスは、バター焼きになりました。
大甚は、コロナ禍で経営難に陥った際、営業を続ける為の支援金として、クラウドファンディングにも挑戦しました。存続を望む663人のデララバさんたちが協力した結果、目標金額100万円で、集まった支援総額は700万円以上。お店の奥には、支援者の名前が書かれた木札が飾ってあります。4代目は「この先もずっと続けていかないといけない」という気持ちになったのだとか。
2024年4月、関東地方で6年間教員をしていた息子の悠斗さんが、5代目になるべく大甚に戻ってきました。両親には「自分のやりたいことをやりなさい」と言われていて、継ぐつもりはなかったという悠斗さん。クラウドファンディングで、大甚が多くの人たちから愛されていることを知り、「日本、名古屋の誇りですとか、これからの100年に向けて微力ですけど支援させて下さいとか、ありがたい言葉をいっぱい頂いた。それを見て、いつかはお店に入ろうと決心した」とのこと。
創業は江戸時代!?ずっと変わらぬ味で愛される名古屋名物「ういろ」
スタッフが調べたところ、栄にある飲食店3000店以上の中で、栄に本店を構える一番長い歴史を持つお店は、松坂屋の向かいにある甘味処「雀おどり総本店」。7代目社長の古橋さんによると、創業は今から168年前の1856(安政3)年です。尾張藩が治めていた江戸時代から、お店の歴史は始まっています。
看板メニューは、名古屋名物の「ういろ」。モチモチで甘さを抑えた創業以来の変わらぬ味です。週末には、若者からお年寄りまで、幅広い世代のお客さんで満席になります!
CBCテレビ『デララバ』7月3日(水)放送