テレビ初! 名古屋の元祖手羽先「風来坊」の味付けの秘密とは? 自宅で再現できるレシピも大公開!
爆笑問題・太田光と石井亮次アナウンサーが、東海地方の定番を深掘りするバラエティ『太田×石井のデララバ』。今回は、名古屋市熱田区発祥の手羽先チェーン「風来坊」を103時間取材しました。さらに、宿命のライバル「世界の山ちゃん」との食べ比べも!見た目と味の違いを検証します!
名古屋の二大手羽先店「風来坊」と「世界の山ちゃん」を食べ比べ!見た目や味の違いは?
2024年で創業60年を迎える風来坊は、東海地区を中心に北海道から佐賀県まで全国に60店舗を展開。看板メニューの手羽先は、お客さんのオーダー率100%です!
名古屋で手羽先といえば「風来坊」と「世界の山ちゃん」!街の声を聞いても、風来坊派と山ちゃん派が応援合戦です!太田さんは、名古屋市中区の「風来坊栄店」で、両店の手羽先の食べ比べを実施。「全然違う!(山ちゃんの方が)辛い!」と驚き顔です。
違いは盛り付け方にも。山ちゃんは、高く積み上げる迫力満点の盛り付け。一方、風来坊は鳥の翼をイメージして平らに盛り付けます。栄店店長の二之湯さんによると、左右を混ぜずに同じ側の手羽だけでそろえて盛り付けるのだとか。仕入れ段階から左右の羽を分ける徹底ぶりです!
「揚げ方」や「カット」にこだわりが!? 食べやすさの4つの秘密
風来坊の手羽先の最大の特徴は、お客さんが「何十本でも食べられる!」と言う“食べやすさ”。その4つの秘密を徹底解剖します!
1つ目は「サイズへのこだわり」。風来坊は、ベトナムから32~35gの小ぶりな手羽先を仕入れています。ひとくちで食べることができるサイズで、肉のジューシーさも兼ね備えています。店長によると「大きくなりすぎると鶏肉の主張が激しくなり、たれとのバランスが悪くなる」とのこと。
2つ目は「形へのこだわり」。風来坊が最もこだわっているのが、手羽先の先端部分を切り落として手羽中にする「風来坊カット」!ひとくちで無駄なくキレイに食べられます。風来坊では、かつて手羽先を量り売りしていて、先端部分もグラムに含まれていたそうです。「先端部分までお金をもらうのは申し訳ない」という創業者・大坪健庫さんの優しさから、風来坊カットが誕生したのだとか。
3つ目は「秘伝の味付け」。風来坊の甘辛いたれは、創業時から変わらぬ秘伝の味。材料のすべては、社員の中でも限られた数人しか知らないのだとか。店長に聞いても「ニンニクスライス、しょう油、みりん以外は、何が入っているか本当に知らない」とのこと。たれのボトルも確認しましたが、成分表示はなし!
たれと並ぶ、味の決め手である“スパイス”の中身も企業秘密!分かったのは、コショウが入っているという情報のみ。塩は手羽先の両面、スパイスは皮面のみに振ります。片面のみにすることで、スパイスと肉の味が、噛んでいるうちに徐々に混ざり合うよう計算されているとのこと!
4つ目は「揚げ方のこだわり」。風来坊では、ベトナムの工場で1度揚げた手羽先を仕入れ、お店でもう1回揚げているそうです。2度揚げすると、外がパリパリ、中がジューシーになるのだとか。
1つのお店で揚げる手羽先の量は、多い時で1日に約8000本!お店で2回揚げると、厨房スタッフの手が追いつかないとのこと。工場では、揚げた後にスチームで加熱し、冷凍してもジューシーな鶏肉にしています。
手羽先作りを任されるのは、腕前を認められたスタッフのみ。栄店では、40人のスタッフのうち、手羽先を作れるのは5人だけ!難しい理由は、揚げ時間が決まってないから。揚げる本数によって油の温度が変わり、揚げ時間も微妙に変化します。
音と泡のサイズで、完成のタイミングを見極めるのは職人技!わずかな違いですが、揚げていくと徐々に音が高く、泡が小さくなるのだとか。
「元祖手羽先」は発注ミスから生まれた!?
1963年の創業当時は、若鶏の半身を揚げてたれを塗った「ターザン焼き」が風来坊の看板メニューでした。手羽先が生まれたきっかけは“発注ミス”!
風来坊本部の統括本部長の藤村さんによると、仕入れている丸鶏の発注を忘れてしまった際、ビニール袋に入った大量の手羽先をタダで持っていっていいと言われたのだとか。手羽先にターザン焼きのたれを塗って調理し、常連さんに出したら好評だったそうです。
藤村さんによると、偶然生まれた手羽先の人気が爆発したきっかけは、CBCテレビの番組とのこと。調べてみると、52年前の1972年に、名古屋市内の繁盛店を紹介する番組の映像を発掘。取材を受ける創業者の大坪さんが映っていました。放送された翌日から行列ができるようになりましたが、あまりの人気ぶりに他のお店も手羽先をマネするようになり、風来坊はCMを制作。大坪さん自ら出演し、「手羽先の元祖は風来坊です!」とアピールしたのだとか。
家庭でもマネできる!? 手羽先名人が味の完全再現に挑戦!
秘伝のたれとスパイスの中身は企業秘密。そこで番組は、以前の放送で世界の山ちゃんの味の再現に挑んだ「手羽先サミット2023」王者・笠本康二さんに協力を要請!今回はスーパーで買える食材だけで、風来坊風の手羽先を作ってもらいました!
笠本さんは、現在営業しているお店の中で、最も歴史の長い篠原店(1968年開店)を訪問。無理を承知で聞いてみると、秘伝のたれを味見できることに!笠本さんは「思っていた味と全然違います!」と驚き、たれ再現のポイントを「甘ったるくないスッキリした甘さ」と見定めました。
笠本さんがスーパーで選んだのはリンゴジュース!その他のたれの材料は、みりん、白だし、ニンニクスライス。スパイスは、塩、うま味調味料、コショウの3種類と分析しました!
再現開始から5日目。1回目の試作で、リンゴジュースは甘ったるいと判断し、スッキリとした甘さが特徴のオリゴ糖ベースに変更。さらに、みりんベースのたれも試作。2つの試作品を、風来坊歴35年、風来坊を愛する集団「風来会」の代表を務める加藤夫妻に試食してもらいました。
両方を食べた2人は、オリゴ糖とみりんをブレンドしてコクを出すことを提案。その後も改良を重ね、挑戦して10日目、ついに理想の「風来坊風の手羽先」が出来上がりました!
審査するのは、統括本部長の藤村さんと、篠原店店長の井上さん。見た目は、ほぼ同じという高評価!味に関しても、藤村さんは「90点!素晴らしい!」、井上さんは「合格点!再現度が高い!」と感心します。
本家が認めた「風来坊風の手羽先」の作り方
◎材料(2人前)
手羽先10本、白ごま 適量
たれ=みりん180ml、白だし 小さじ1、オリゴ糖10g、すりおろしニンニク1g
スパイス=塩、うま味調味料、白コショウ 適量
◎作り方
(1)たれは、みりん、白だし、オリゴ糖を火にかけ、弱火で10分煮てアルコール分を飛ばし、すりおろしたニンニクを加えます。
(2)カリッと揚げた手羽先にたれを塗り、塩、コショウ、うま味調味料で味付けします。
(3)仕上げに風味付けのための白ごまを振ります。
再現度90%、風来坊独特の甘辛いたれに迫るおいしさです!みなさんもぜひ作ってみては?
CBCテレビ『デララバ』3月13日(水)放送