ボタン1つで次の駅へ!?東海道新幹線で技術開発専用車両に潜入!金色のバッチを付けたNo.1社員のサービスとは?
年末年始、帰省や旅行でたくさんの人が利用した新幹線。大事な旅を陰で支える“駅員さん”によるサービスのNo.1を決める大会に密着!また、開業60年を迎えた東海道新幹線で開発中の“自動運転”で走る未来の新幹線を取材しました。
「乗客への気遣い」が求められる サービスNo.1社員を決める大会とは?
JR東海グループの中で年に1度行われるサービスのNo.1を決める大会。No.1に輝いた社員は、金色に輝く「特別なバッジ」を制服に付けることができます。
今回は、2024年12月24日に静岡・三島市の「JR東海 総合研修センター」で行われた大会に潜入。主に若手が出場する「出札(しゅっさつ)部門」を取材。普段、切符販売の窓口を担当する11人の社員が、サービスNo.1をかけて競いました。
出札部門では、制限時間12分の中で3つの課題が与えられ、乗客の要望に応えられるかなどが問われます。
課題①は、別の列車の事故により、乗っていた列車が運転打ち切りになった客への料金払い戻し。
課題②は、年末に新幹線に乗りたい外国人の対応。
課題③は、2人分の列車の時間変更です。
日常的に遭遇しそうなシチュエーションばかりですが、審査員の厳しい視線の中で「乗客への気遣い」が求められます。
東海道新幹線No.1の接客に注目
No.1の最優秀賞に輝いたのは、新大阪駅の丸岡平河さん。入社3年目の21歳です。
課題①では、迷惑をかけたことを謝罪し、すぐに金額を計算します。素早い操作で、あっという間に清算終了。さらに、簡単に料金の払い戻しができるネット予約のサービスも案内しました。
課題②では、流ちょうな英語で対応。増え続けるインバウンド観光客に対応するため、入社してから身に着けたそうです。年末年始は「のぞみ」の自由席がないことも説明。富士山を見たことがないという情報を聞き出し、富士山がよく見える窓側の席を確保しました。
(JR東海・丸岡平河さん)
「普段から全部が全部、あのように対応できているわけではないので、日々の業務から自分が最優秀という自覚を持って、より一層お客さまに寄り添ったサービスができれば」
ドクターイエローに代わる“検査システム”
続いて、“未来の新幹線”を取材。JR東京駅でCBCテレビ・大石邦彦アナを出迎えたのは、JR東海・丹羽俊介社長。JR東海の最新の技術開発を紹介してもらいます。
ホームに入ってきた新幹線の行き先表示には「試運転」の文字。丹羽社長によると、普段は見ることができない「技術開発専用」の車両とのこと。通常ダイヤの隙間で走行し、未来の新幹線の技術開発を行っています。
車内には精密機械がずらり!モニターに映っているのは電線です。丹羽社長によると、いろいろな金具類をチェックするための仕組みとのこと。“新幹線のお医者さん”と呼ばれる検査車両「ドクターイエロー」にも搭載していない技術です。JR東海が所有する車両は2025年1月で引退。代わりに、客を乗せる列車で検査できるシステムを開発しています。
屋根の上に設置されたカメラで電線を撮影し、その映像をAIが解析。金具に異常がないかを判定する国内初の技術です。
東京~新大阪間にある金具は約40万個。細かい検査のため、ドクターイエローでも行えず、現在は職員が巡回し、目で見て点検をしています。この最新技術が導入されれば、負担は大幅に減らせることが可能です。
メディア初取材!自動運転の運用開始は2028年ごろ
実用化も近いという「自動運転システム」も特別に取材。走行中の運転台にメディア取材が入るのは初めてです!JR東海の広報担当が持つカメラと共に、大石アナがJR社員以外は立ち入り厳禁の運転台へ。運転士の操作は、手元にある出発ボタンを押すだけです。
(CBCテレビ・大石邦彦アナ)
「運転士さんはボタンを押した後、何もしていません。しかし、新幹線はスムーズに発車しました」
この自動運転システムは、コンピューターが列車の速度や位置をリアルタイムで管理。線路の勾配やトンネルなどの走行条件も考慮して運転し、駅に定刻通りに到着可能か0.1秒ごとに確認して速度を調整します。運用開始は2028年ごろが目処。実用化に向け、さらに研究を重ねています。
(JR東海・丹羽俊介社長)
「列車を運行する主役は人間であり、人間がチームで運営していくもの。人間が働きやすくなる姿を目指して開発をしています」
(CBCテレビ・大石邦彦アナ)
「より人間によるサービスを高めることにも、つながっているということですね」
CBCテレビ「チャント!」2025年1月7日放送より