なぜ車輪を使わない? 落としたら一生の恥! 重さ5tの山車 を8人で担ぐ愛知県・知立市の「知立まつり」

2024年5月15日(水)放送
なぜ車輪を使わない? 落としたら一生の恥! 重さ5tの山車    を8人で担ぐ愛知県・知立市の「知立まつり」 CBCテレビ:画像『チャント!』

「ユネスコ無形文化遺産」に登録されている、愛知県・知立市の「知立まつり」は、煌びやかな山車が並び、その上で山車文楽(ぶんらく)が演じられます。レポーターの寺坂頼我くん(以下、寺坂くん)が、アツい思いで祭りに臨む「OMATSURIちゃん」を探しました。

アクシデントがきっかけ?! 5tの山車を片方だけ持ち上げて運ぶ

CBCテレビ:画像『チャント!』

寺坂くんが「知立まつり」について調べるため、知立市・山町を歩いていると、高さ約7mの煌びやかな装飾が施された豪華絢爛な山車を発見。

(祭に参加して20年・梶浦幹さん)
「重さが5tあるので」

江戸時代から祭りが行われている「知立神社」は、東海道を往来する旅人の安全を守る「マムシ除け」の神社として知られてきました。祭りでは寺坂くんが訪ねた山町と、宝町、中新町、本町、西町から、それぞれ1台ずつ、合計5台の山車が神社に向けて出発し、約4時間かけて町内を巡りながら、山車を奉納します。

午前9時、山町の山車が神社に向けて出発。この山車を神社に奉納する頻度は2年に一度ですが、新型コロナウイルスの影響で6年ぶりの奉納です。山車は、片側にだけ長い棒が付いていました。

(祭に参加して20年・梶浦幹さん)
「担ぐんですけど、後ろのみで」

「知立まつり」は、方向転換の時などに山車を片方だけ持ちあげる「担ぎ上げ」が見どころです。その理由を宮司・神山忠憲さんに伺いました。

(知立神社 宮司・神山忠憲さん)
「(山車の)車輪の軸が一本折れてしまいまして、前輪だけで神社の前の坂を下ってきた」

元々は山車を引いていたそうですが、ある時、後輪の車軸が折れたことで、山車を担ぎ上げて神社に向かったことから、「担ぎ上げ」の伝統が始まりました。

町から選ばれた8人の“力自慢”が務める「梶棒」

CBCテレビ:画像『チャント!』

重さ5tの山車を担ぐ「梶棒」と呼ばれる男たちは、山町から選ばれた力自慢の30代8人で構成されています。メンバーを束ねる2024年の「梶棒頭」は、最年長の藤井宣壮さんが務めます。

(山町 梶棒頭・藤井宣壮さん)
「きょうは気合十分で準備万端で、整っております。年齢も37歳なので、もう最後」

梶棒には、“絶対に山車を落としてはいけない”という掟があり、もし落としてしまうと、“恥”とみなされます。8人は町中で次々と「担ぎ上げ」を披露しながら、山車を落とすことなく約3時間かけて町を練り歩き、神社まで約700mの地点に到着。しかし、さらなる難関が待ち受けていました。

CBCテレビ:画像『チャント!』

「知立神社」の目前にある、緩やかな下り坂で行う「宮入り」は、山車を担ぎ上げたまま、約150mの道を、約10分かけて下る難所。町の代表として、山車を落とすことは絶対に許されません。

(山町 梶棒頭・藤井宣壮さん)
「『宮入り』は絶対に落とさないという気持ちと、他町に負けない担ぎ上げと、カッコイイ姿を皆さんに見せたい」

梶棒の華! 担ぎ上げのラストを飾る「宮入り」

CBCテレビ:画像『チャント!』

大観衆が見守る中、山町の「宮入り」がスタート。ゆっくりと進み始めた5tの山車は、ゴールとなる150m先の交差点を目指します。およそ半分の地点を無事に通過するも、過酷さは増し、目も開けられないほど力を込めて担ぐ男たち。横を歩く関係者が、男たちの熱気を冷ますため、氷水を頭に垂らします。

残り50mの場所を通過も、梶棒たちは山車を落とさないように担ぐのに必死で、どこまで進んだのかさえわかりません。そして、ついにゴール地点の交差点に到達。力を出し切った梶棒たちは、一度も山車を落とすことなく「宮入り」をやり切りました。

CBCテレビ:画像『チャント!』

大役を果たした梶棒頭・藤井さんたちは、山車を引いて神社の門を目指します。山町の山車が神社に到着し、5台の山車が6年ぶりに勢ぞろい。名物の山車文楽が披露されて、大勢の見物客を魅了しました。

(山町 梶棒頭・藤井宣壮さん)
「6年ぶりということもあるので、5回やっていて(今回が)正直一番しんどかった。僕は抜けてしまいますけど、このメンバー7人いますので、また頑張ってほしいという気持ち」

今回、寺坂くんが選んだ「OMATSURIちゃん」は、梶棒を無事に務め上げた8人。代表として藤井さんが、寺坂くんの法被に手形を刻みました。

CBCテレビ「チャント!」5月15日放送より

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