加齢臭・口臭・汗臭さ…そのニオイは病気のサイン!?健康に関わる体臭・口臭を徹底リサーチ

2023年5月28日(日)放送 【第557回】
加齢臭・口臭・汗臭さ…そのニオイは病気のサイン!?健康に関わる体臭・口臭を徹底リサーチ

サマリーSummary

ゲスト:松本明子
ドクター:東海大学 理学部化学科 教授 理学博士 関根嘉香
加齢臭や口臭、汗臭さなど多くの方がお悩みのニオイ。実は、ニオイは周囲の人を不快にさせるだけでなく、深刻な病気のシグナルとして発せられている事もあるのだとか。そこで今回は、ニオイについて徹底リサーチ!身近な体臭・口臭の対策法や病気のシグナルとなるニオイの発見法などを専門医に教えてもらいました。

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは東海大学 理学部化学科 教授 理学博士 関根嘉香 先生です。

今回のテーマは「〜そのニオイは病気のサイン!?〜健康に関わる体臭・口臭

加齢臭や口臭、汗臭さなど多くの方がお悩みのニオイ。実は、ニオイは周囲の人を不快にさせるだけでなく、深刻な病気のシグナルとして発せられている事もあるのだとか。そこで今回は、ニオイについて徹底リサーチ!身近な体臭・口臭の対策法や病気のシグナルとなるニオイの発見法などを専門医に教えてもらいました。

汗のニオイの原因&対処法

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

<汗のニオイの原因>
先生によると、汗の成分はほとんどが水分のため、本来ニオイはないそうです。ニオイの原因となるのは、皮膚に存在する常在菌。汗が出た後に放置すると、汗と混ざった皮脂などを菌が分解し、ニオイが発生するのだとか。ニオイが発生するのは、発汗してから約1時間(※発汗量・部位・温湿度・常在菌量などで時間は変化します)。そのため、汗臭さを防ぐには、ニオイが発生するまでの間に対処が必要だそうです。

<汗のニオイの対処法>
汗をかいた時は、濡れたタオルやハンカチで皮膚の表面を拭くと良いそうです。汗は、身体を冷やすために出ているので、乾いたタオルで拭くと皮膚表面の汗が失われます。すると、余計に汗が出てしまいニオイが発生してしまうのだとか。その点、濡れたタオルだと皮膚の表面は潤ったままなので、余計に汗も出ずニオイの軽減につながるそうです。

加齢臭の原因&対処法

<加齢臭の原因>
加齢臭の原因は、皮脂の中の成分が酸化してできる「ノネナール」という物質。枯れ草や古本のようなニオイが特徴だそうです。加齢臭が出る場所は、首の後ろや頭頂部、脇、そして意外と見落としがちなのが背中。男性の場合は35歳ぐらいから、女性の場合は40歳ぐらいから出てくる傾向があるそうです。

<加齢臭の対処法>
先生によると、加齢臭は基本的に洗えば落ちるそうです。例えば、夜お風呂に入り、朝起きた時にもう一度お風呂に入ったりシャワーを浴びたりすると、日中の加齢臭はあまり気にならなくなるのだとか。ただし、ニオイを落とそうとして身体をゴシゴシ洗うのはNG。身体を洗い過ぎると皮脂が失われる事で余計に分泌されてしまい、かえって加齢臭が強くなる可能性があるそうです。

口臭だけじゃない!?ニンニク臭の意外な落とし穴

実は、ニンニクは口臭だけでなく、体臭にもつながってしまうそうです。食べた後は口臭が強くなりますが、食後3時間ほど経つとジワジワと身体からニンニク臭が出はじめ、それが約24時間も続くのだとか。対策法としては、ニンニクを食べる時に牛乳を飲むのがオススメ。牛乳のたんぱく質がニンニクのニオイ成分を吸着し、身体への吸収を抑えてくれる働きがあるそうです。

病気のシグナルの可能性も!?「ツーンとしたアンモニア臭」

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

<体臭の発生経路は3種類>
体臭には、身体の表面から出る皮膚ガスという生体ガスが深く関係しており、その発生経路は3種類あるそうです。1つは、汗のニオイなどの「表面反応由来」。2つ目は、皮脂などの分泌によって発生する「皮膚腺由来」。そして、3つ目の「血液由来」にあたるのがアンモニア臭。アンモニア臭は、酸っぱい汗のニオイとは異なり、公衆トイレに行った時に感じるようなツーンとしたニオイが特徴。皮膚の毛細血管などから血液中に含まれるアンモニアが身体の外に出てきてしまうそうです。

<アンモニア臭が発生する原因(1)運動>
アンモニア臭が発生する原因はさまざまあり、そのうちの1つが運動だそうです。運動などでエネルギーが消費される際に、生理現象として体内でアンモニアが生成されるのだとか。運動した時に出るアンモニアは運動が終わればすぐおさまるので、それほど気にする事はないそうです。

<アンモニア臭が発生する原因(2)ストレス>
ストレスを感じた時もアンモニア臭が発生しやすいそうです。詳しいメカニズムは研究中だそうですが、ストレスを感じやすい仕事中に行なった実験では、ストレスを感じ交感神経優位の時間が続くとアンモニア臭の値も高くなっている事がわかっているのだとか。そのため、アンモニアを出さないためにも、日頃からストレスを溜めない事が大切だそうです。

<アンモニア臭が発生する原因(3)肝臓からのSOS>
アンモニア臭が強かったり頻繁に出たりする場合は、肝臓からのSOSサインの可能性があるそうです。体内で生成されるアンモニアは、血管を通って肝臓に送られ処理されてから、大部分が尿と共に排出されます。ところが、肝臓の機能が低下しているとその処理が追いつかなくなり、血管を通って身体の外にニオイとして放出されるのだとか。そのため、ストレスのない生活を送っていてもアンモニア臭を感じる場合は要注意。気になる方は、一度病院で肝臓の状態を診てもらって下さい。

放置すると糖尿病の危険も!?エチケットだけじゃない口臭対策

<口臭の原因の1つ「舌苔」>
先生曰く、口臭の多くは健康な人からでも発生する「生理的口臭」。口の中の細菌が古くなった細胞などを分解する事でニオイが発生するそうです。なかでも特に多いのが「舌苔」。舌苔とは、古くなった細胞や細菌が舌に付着した白っぽい汚れ。本来は、食事の時に食べ物と一緒に胃に送られますが、忙しくて食事を抜いてしまう人などは舌苔がつきやすいのだとか。実際に先生が診てきた患者さんの約7割は口臭の原因が「舌苔」だったそうです。

<舌苔が「誤嚥性肺炎」につながる恐れも!?>
誤嚥性肺炎とは、唾液や食べ物などと共に細菌が誤って気管に入って起こる肺の炎症。
飲み込みの力が弱くなっていると、舌苔が気管に入るリスクが高まり誤嚥性肺炎につながる恐れがあるのだとか。そのため、高齢者の方はより注意が必要だそうです。

<ドクターオススメ!歯磨き&舌磨き法>
先生曰く、歯磨きは小刻みに磨く事が大切!小刻みに動かす事で毛先が歯の隙間に入り、細かい汚れまで落ちやすくなるそうです。舌磨きをする時は、小さめのガーゼを湿らせてから指に巻き付けます。そして、舌の表面をなでるように前後左右にガーゼを動かします。舌の表面には細かい凹凸があるので、前後左右に動かすと舌苔が取れやすいのだとか。これを1日1回朝に行うのがオススメ!なお、歯ブラシで磨くと毛先で舌を傷つける恐れがあるので決して行わないでください。

<口臭が取れないのは歯周病のサイン!?>
歯磨きや舌磨きを正しく行なっても口臭が取れない場合は、歯周病のサインの可能性があるそうです。歯周病の原因となるのは、歯周病菌。歯茎に炎症を起こしたり歯を支える骨を溶かしたりしてしまう病気です。歯周病菌がたんぱく質などを分解する過程で作り出すニオイが、舌苔のニオイ成分と似ているのだとか。歯周病が進行し歯周組織の破壊が進むと、歯磨きなどのケアだけではニオイが取れにくくなってしまうそうです。さらに、歯周病は、進行していくにつれ、菌が歯茎の血管を通じて全身へと広がり、心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病などのリスクも高まると考えられています。そのため、気になる方は早めに病院を受診しましょう。

(2023年5月28日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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