やけどは勲章! 火の粉の雨に打たれ続ける男たち 約15000個の爆竹が大爆発する危険覚悟の「手力の火祭」
神輿(みこし)を担ぐ男たちの素肌に降り注ぐ火の粉に、町内や境内で次々と鳴り響く無数の爆竹。やけどは勲章、岐阜県・岐阜市の「手力雄神社」に伝わる「手力の火祭」とは? タレントの寺坂頼我くん(以下、寺坂くん)が、祭りにアツい思いを賭ける「OMATSURIちゃん」を探しました。
法被は穴だらけ! 爆竹と鐘の音を派手に鳴らしながら神輿を担いで練り歩く
祭り当日「手力雄神社」には、神輿を担いでスタンバイする男たちの姿が。出発の合図と共に、大量の爆竹が爆発。さらに練り歩く神輿に合わせて、爆竹と鐘の音が町中に鳴り響きます。
(蔵前会長・杉浦智大さん)
「(Q何でこんなに爆竹を鳴らしてる?)邪気をはらうという意味がある。(Qこんなに鳴らす?)まだ少ない方」
爆音の中、教えてくれたのは蔵前地区の会長・杉浦智大さん。
(蔵前会長・杉浦智大さん)
「うちの町内は、神社の宮本の地区。自覚と責任感を持って臨むように指導しています」
300年以上の歴史を持つ「手力の火祭」は、五穀豊穣や家内安全を願って花火を奉納する祭り。神輿を始め、“山”と呼ばれる趣向を凝らした花火の飾りなどを、町民が毎年手作りしています。参加する8つの町の中でも杉浦さん率いる蔵前(くらのまえ)は、神社の所在地であることから宮本と呼ばれ、自覚と責任が求められる重大な役回りです。
男たちが着る法被は、落ちてくる火の粉で穴だらけ。当日は、1箱10個入りの爆竹が1500箱も用意され、ごみ拾いをするまでが決まりになっています。
大量の爆竹が爆発し神輿が滝花火をくぐり抜ける! ド迫力のフィナーレ
午後6時、蔵前の神輿は「手力雄神社」へ到着しました。境内へ入ると思いきや、参道に並べられた大量の爆竹が、日中よりも威力を増して爆発。各町内の飾り神輿からも火花が上がります。神社の境内が火薬と爆音に包まれ、足元は一面爆竹の残骸だらけです。宮本である蔵前の男たちは警備のため、顔色一つ変えず爆竹を背に仁王立ち。
(蔵前の男性)
「僕らがここに立っていないと、(爆竹が)全部お客さんに行っちゃう」
既にフィナーレのような雰囲気ですが、本番はこれからです。
(蔵前会長・杉浦智大さん)
「あとはやるだけ。とにかく事故・けがなく無事に終わる」
大勢の観客が境内に集う中、御神燈に点火し花火がスタート。その後、神輿を担いだ男たちが滝花火に立ち向かう「飾り神輿の乱舞」が行われます。滝花火をくぐることで、神輿の花火が点火。
素手で花火を持ち続ける「手筒花火」では、危険を顧みず、勇敢に火の粉の雨に打たれ続ける男たちの姿が。最後は手作りした山の「山焼花火」で祭りが終了しました。
約300年の伝統を守り抜く 祭りへの熱い想い
300年の伝統を守り抜いた「手力の火祭」。寺坂くんが選んだ「OMATSURIちゃん」は、蔵前会長の杉浦さんを選びました。
(蔵前会長・杉浦智大さん)
「この祭りのために一年間働いている。長く続けられるように、みんなで一緒に頑張っていきたい」
寺坂くんの法被にまた一つ、力強い手形が刻まれました。
CBCテレビ「チャント!」5月1日放送より