若者が祭りの大ピンチを救う?!ド派手な衣装で踊り歩く岐阜県・中津川市の「杵振り踊り」

2024年5月8日(水)放送
若者が祭りの大ピンチを救う?!ド派手な衣装で踊り歩く岐阜県・中津川市の「杵振り踊り」 CBCテレビ:画像『チャント!』

2024年4月14日(日)、カラフルな踊り子たちが山奥で大行進する「杵振り踊り」が開催された岐阜県・中津川市の蛭川地区。リポーターの寺坂頼我くん(以下、寺坂くん)が、その祭りにアツい思いをかける「OMATSURIちゃん」を探しました。

赤・青・黄のカラフルな衣装に“ドでかサウナハット”を身にまとう

CBCテレビ:画像『チャント!』

中津川市・蛭川地区の公民館に集まっていたのは、赤・青・黄のド派手衣装やサウナハットに似た形状の大きな帽子をかぶった男たち。衣装の意味を尋ねました。

(杵振り踊り保存会・林松幸会長)
「餅つきをうつ臼、でこの杵を振る」

実りの象徴である餅つきの道具、臼(うす)と杵(きね)を模して「五穀豊穣」を願う祭具。色もそれぞれ赤が太陽、青が雨、黄が穀物という意味が込められています。

CBCテレビ:画像『チャント!』

正午過ぎ、「杵振り」が公民館を出発。蛭川伝統の祭り囃子(ばやし)に合わせて天狗や鬼など、総勢150人で進む大行列です。その中心には、臼をかぶって杵を振る独特なスタイルで舞う約40人の踊り子たちがいました。この踊りが蛭川地区に400年続くといわれる「杵振り踊り」です。

地元で愛されるこの祭りは、昭和の国民的映画「男はつらいよ」の第44作「寅次郎の告白」の舞台にもなり、当時は町をあげての一大イベントとして盛り上がったといいます。町には、今でも映画の主人公・寅さんを演じた渥美清さんの手形とサインの石碑が建っています。

10秒でたったの3歩… 踊り子たちの根性

CBCテレビ:画像『チャント!』

「杵振り踊り」のゴール「安弘見神社」までは、約2kmもあり2時間以上も要するとのこと。しかもこの踊りは、3歩進むのに約10秒かかるというかなりの苦行でもあります。途中何度かある休憩地点が、踊り子たちにとってわずかな気分転換です。

まだ祭り序盤にもかかわらず、わらじを両足履き替えたのは、初参加で高校2年生の長谷川煌真くん。そして、高校3年生の藤原羽流樹くんも初参加です。以前まで40人の踊り子に対し、定員超過で参加できない人が出るほどでしたが、今では希望者を全員入れても定員割れ。これまで18歳以上で行われてきましたが、2024年は15歳から参加可能になりました。初参加の2人に参加理由を伺うと…。

(初参加・長谷川煌真くん)
「無くなっちゃったら困る。蛭川の唯一の魅力」

(初参加・藤原羽流樹くん)
「『若い人たちでもやっているんだぞ!』そういう意思表示がしたい」

先輩からのアドバイスは、一生懸命ではなく“余裕を見せること”。必死な感じは見苦しいため、足が疲れて上がらない時こそ、しっかり足を上げて踊ることが大切だと言われたそうです。

踊り子たちもラストスパート! 最後に待ち受けていたのは?!

CBCテレビ:画像『チャント!』

沿道のお客さんから声援をもらい、行列は3分の2地点まで到達。過酷な行列もあとわずかです。いよいよゴールの「安弘見神社」に到着しましたが、本殿は約150段の階段を上った山のてっぺんにあります。

(初参加・藤原羽流樹くん)
「超ツラい!最後まで頑張りたい!」

行列はついに神社の階段に突入。初参加の2人も肩を寄せ合って必死に踊り、境内に到着。水分補給のためにコップを持つ手は震えるほどで、まさに満身創痍(まんしんそうい)。2人の足元のわらじもボロボロです。

(初参加・長谷川煌真くん)
「やってみてこんなに大変なんだ、こんなに伝統を継いでいくのが大変で、みんな努力しているんだと感じました」

CBCテレビ:画像『チャント!』

「杵振り踊り」もこれで終わりかと思いきや、境内の広場では臼の笠を壊し合い踊る姿が。かつてこの祭りは、最後に笠を破り、顔があらわになった男性を、女性たちが品定めする出会いの場でもありました。午後4時、踊り子たちは本殿の神様に顔を見せ、皆でお参りをして終了。寺坂くんが選んだもっともアツい「OMATSURIちゃん」は、高校生でも伝統を守りたいと初参加で頑張った長谷川くんと、藤原くんでした。

(初参加・長谷川煌真くん、藤原羽流樹くん)
「命削って足を上げました。今回特別に参加できたことで、大人と同じ責任感。ちょっと大人の階段を登ったみたいな」

寺坂くんの法被に、2人の手形が刻まれました。

CBCテレビ「チャント!」5月8日放送より

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