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危険なむくみの見分け方

危険なむくみの見分け方

サマリーSummary

ゲスト:高島礼子
ドクター:東京血管外科クリニック 連携主任医師 医学博士 榊原直樹
顔や足に出る「むくみ」の症状。その多くは生理的なものだそうですが、なかには大病が潜んでいる場合もあり、放っておくと命に関わる可能性もあるのだとか。そこで今回は、危険なむくみの見分け方を専門医に教えてもらいました。

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。

今回のテーマは「~意外な大病のサイン!?~危険な「むくみ」の見分け方

顔や足に出る「むくみ」の症状。その多くは生理的なものだそうですが、なかには大病が潜んでいる場合もあり、放っておくと命に関わる可能性もあるのだとか。そこで今回は、危険なむくみの見分け方を専門医に教えてもらいました。

むくみのメカニズムと原因

<人はなぜむくむ?>
水分や養分は、血液で運ばれ血管と細胞の間を常に行き来してやりとりをしています。水分を多く摂りすぎると、血管内の水分が増えて細胞へ運ばれる量が増加。その水分が脂肪にまで蓄えられる事でむくみにつながるそうです。

<むくみの原因は?>
むくみの原因の1つは、水分を摂りすぎる事。夏は熱中症予防のために水分摂取が欠かせませんが、水を一度にたくさん摂取すると脂肪組織に流れてしまい、むくみにつながってしまうのだとか。そのため、こまめに少量ずつ摂る事が大切だそうです。他の原因としては、食事の際に塩分を摂りすぎる事で体内の水分量が一時的に多くなってしまう場合や、アルコール・睡眠不足・ストレスなど。これらのように一時的な原因で起こる場合は、生理的なむくみだそうです。

危険なむくみ(1)コロナ禍で急増!?「足の血行不良によるむくみ」

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

コロナ禍やリモートワークなどの影響で、血行不良によるむくみ患者が急増しているそうです。血液は重力によって足に溜まりやすく、それをふくらはぎの筋肉が動く事でポンプのように働き心臓へと戻しています。しかし、座りっぱなしなどで脚を動かさない時間が長くなると、ポンプとしての役割が果たせず血行不良につながってしまうのだとか。また、足の血行不良が続くと抵抗力が落ちて皮膚に炎症を起こす事も。放置すると皮膚の細胞が血流不足で死んでいき潰瘍という状態につながる場合もあるそうです。

<ドクターオススメ!簡単むくみ予防体操>
座ったままできる簡単なむくみ予防法をご紹介します。1時間毎に行う事でむくみと血流の改善につながるそうです。
▼イスに座りながらふくらはぎの筋肉を意識しかかとを上下させる
▼1時間毎に3分間行う

危険なむくみ(2)高齢者に多く見られる「腎臓機能の低下によるむくみ」

腎臓には、身体の余分な水分を尿として排出する機能があります。しかし、加齢などによって腎臓の機能が落ちてしまうと、余分な水分を尿として排出できなくなってしまうのだとか。すると、行き場のなくなった水分が身体に取り残されてしまいむくみにつながってしまうそうです。先生曰く、足に異常なむくみがあって尿に変化が見られる場合は腎臓の機能が低下している可能性が高いので医療機関で検査を受けた方が良いとの事です。

他にもある危険なむくみ

<足のむくみ+黄疸=肝臓病の疑い>
足のむくみに加えて、白目の部分や皮膚の色が黄色っぽく見える「黄疸」症状が出ている場合は、肝臓の機能低下の可能性があるそうです。また、肝臓の機能が落ちると血管内に水分を保持するためのたんぱく質が減少し血管外に漏れやすくなります。すると、水分が足だけでなくお腹にも溜まり、ぽっこりお腹のような「腹水症状」が現れる場合もあるそうです。

<足のむくみ+動悸=心臓病の疑い>
先生によると、足のむくみに加えて動悸がある場合、考えられる病気が心臓病。心臓病になると、不整脈が出やすくなり動悸として感じるようになるといいます。さらに心臓病の場合、血液が心臓に戻りにくい状態になるため、下半身に血液が溜まりむくみの症状が現れるそうです。

あなたのむくみは大丈夫?!「むくみセルフチェック法」

危険なむくみを見分けるセルフチェック方をご紹介します。

<むくみのセルフチェック法>
▼足のすねの部分を親指で5秒間押す
▼押さえた親指を離した時にすねの部分に凹みができるかチェック
数秒経っても凹みが戻らない場合は、異常なむくみの可能性があるそうです。また、靴下の跡が食い込んでくびれが現れるような形の場合も同じく要注意との事。症状が長引く場合は、血管外科や循環器内科で相談してみてください。

足にむくみとコブが生まれる「下肢静脈瘤」の最新治療

<下肢静脈瘤とは?>
下肢静脈瘤とは、足の静脈にある血液の逆流を防ぐための弁が壊れる事で血液が逆流。足に血液が溜まりやすくなり、血管がコブのような状態になってしまう病気。日本人に約1000万人いるといわれており、見た目の変化だけでなく、足に強いむくみやだるさを引き起こし、血行不良から皮膚炎や潰瘍などの症状が現れる可能性もあるそうです。

<下肢静脈瘤の最新治療「血管内塞栓術」>
「血管内塞栓術」は、医療用の接着剤をカテーテルで血管に流し込み、外側から圧迫すると下肢静脈瘤の原因となっている血管が塞がり血液の逆流がなくなるという最新治療法。治療で塞ぐ血管は表面にある静脈のごく一部なので、足にはほとんど影響がないそうです。

<最新治療「血管内塞栓術」の条件>
・塞ぐ血管の直径が12mm以下である事
・接着剤へのアレルギーがないかの検査が必要

むくみの正しいセルフケア

先生曰く、むくんだ足をきちんとケアしないと、むくみが改善しない状態が続き足が太いままになる可能性もあるそうです。正しいセルフケアで日々のむくみを解消しましょう。

<「着圧ソックス」でむくみ予防>
着圧ソックスや弾性ストッキング、ふくらはぎ用サポーターを履くと、ふくらはぎに適度な圧力がかかります。すると足に水分が溜まるスペースが少なくなるため、むくみの予防につながるそうです。

<「ゴキブリ体操」でむくみ改善>
仰向けになり両手と両足を上にあげてブラブラさせる「ゴキブリ体操」は、手や足を高くする事で溜まっていた血液が重力で心臓に戻るのでむくみの改善に良いそうです。

(2022年8月7日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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