熱中症経験者から学ぶ原因と落とし穴

2021年8月8日(日)放送 【第468回】
熱中症経験者から学ぶ原因と落とし穴

サマリーSummary

ゲスト:藤井サチ
ドクター:帝京大学医学部附属病院 医学博士 三宅康史
昨年熱中症で搬送された人の数は、これから迎える8月の第2週がピークで、その数は1万3000人以上にものぼります。重症化すれば命をも落とす恐ろしい病気ですが、きちんと対策をすれば防ぐ事ができるといいます。そこで今回は、熱中症の対策法や意外な落とし穴を専門医に教えてもらいました。

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。

今回のテーマは「~熱中症のピークはこれから!?~経験者が語る 熱中症の意外な落とし穴

昨年熱中症で搬送された人の数は、これから迎える8月の第2週がピークで、その数は1万3000人以上にものぼります。重症化すれば命をも落とす恐ろしい病気ですが、きちんと対策をすれば防ぐ事ができるといいます。そこで今回は、熱中症の対策法や意外な落とし穴を専門医に教えてもらいました。

熱中症の基礎知識~熱中症ってどんな病気?~

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

人は暑くなると汗をかき、その汗が蒸発する時に身体の熱を逃して体温調節をしています。しかし、大量に汗をかいて水分などが失われると、体温調節機能が乱れて熱を逃せなくなってしまうのだとか。これが、いわゆる熱中症にかかった状態。すると、めまいや頭痛、倦怠感、筋肉のけいれんなど、さまざまな症状を引き起こしてしまうそうです。

<屋外の熱中症の主な原因は「水分不足」>
屋外での熱中症で一番多い原因が水分不足。熱中症予防のためには、2~3時間おきにコップ1杯程度の水分を習慣づけて飲む事が大切だそうです。また、水分補給をする際は水や麦茶がおすすめ。コーヒーなどのカフェインが入った飲料は、利尿作用があるため水分補給には適さないそうです。

熱中症の落とし穴(1)「塩分不足」

私たちの身体は、塩分によって水分が保持されるようになっています。しかし、汗をかくと水分のほかに、塩分も流出します。すると、水分を保持する塩分が少なくなるため、水を飲んでも吸収されず脱水状態を改善する事ができないそうです。

<食事抜きによる塩分不足に要注意!>
3食きちんと食べていれば塩分不足になる恐れは少ないそうですが、夏に大量の汗をかく人は1食でも抜くと塩分不足となり熱中症を引き起こす可能性があるのだとか。そのため、食欲がない時はスポーツドリンクなどで塩分やエネルギーを補給するのがおすすめ。(※糖分があるので飲み過ぎには注意しましょう)。高血圧などで塩分を控えないといけない方は、かかりつけ医に相談してください。

熱中症の落とし穴(2)「エアコンの設定温度」

エアコンをつけていても28℃よりも高い温度の中にいると、身体が疲れて体温調節機能が低下するジワジワ型の熱中症になる可能性があるそうです。特に加齢で暑さに鈍感になる高齢者は、屋内での熱中症に注意が必要です。

<熱中症予防のためには「室温28℃以下」をキープ!>
先生よると、熱中症を予防するために重要なのが室温を28℃以下にキープする事。エアコンの設定温度を28℃にして安心するのではなく、室内に温度計を置き、室温が28℃以下になるようエアコンの温度を調節する事が大切だそうです。

<蒸し暑いときは「ドライモード」がおすすめ!>
湿度が高いと汗が蒸発しにくくなるので、身体の熱を逃せず暑さを感じやすいそうです。先生曰く、蒸し暑さを感じるときはエアコンのドライ(除湿)運転を活用するのがおすすめ!室内では温度だけでなく湿度も測り、温度は25~28℃、湿度は40~60%の範囲内を目安にエアコンで調節しましょう。

熱中症の落とし穴(3)「睡眠不足」

体温は、自律神経の働きにより汗をかくなどして調節されています。ところが、睡眠が十分でないと自律神経の働きが低下。体温を正常に保てず、熱がこもり熱中症にかかりやすくなるそうです。そのため、少しでも寝不足だと感じたら炎天下での運動などは控えましょう。また、寝室を十分に涼しくするなど寝る環境を整えて、質の良い睡眠をとる事も大切だそうです。

「水分不足」「塩分不足」熱中症それぞれの症状

熱中症の症状によって、水分が足りないのか塩分が足りないのかがわかるそうです。

・水分不足による熱中症
水分不足の場合、血液の量が減り血圧が低下します。そのため、めまいや頭痛など血圧に関連する症状が現れるそうです。
≪症状≫めまい、頭痛、吐き気、集中力低下、食欲不振など

・塩分不足による熱中症
塩分不足の場合は神経や筋肉に悪影響を及ぼすため、それに伴う症状が現れるそうです。
≪症状≫足がつる・しびれる、けいれん、脱力感など

最新!お手軽熱中症予防法「手のひらを冷やす」

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

手のひらには、動脈と静脈をつなぐAVA(動静脈吻合)という血管があり、AVAを冷やす事で効率よく体温の上昇が抑えられるそうです。AVAは頬や足の裏にもあり、アメリカの大学の研究で、AVAと首などの太い血管を冷やした時の体温の低下を比べたところ、AVAの方が早く下がったというデータもあるそうです。

<ペットボトルでお手軽熱中症対策!ポイントは温度>
先生によると、AVAは冷たすぎる温度にさらされると血管を閉じてしまうため、熱を逃しにくくなってしまうそうです。そのため、もし外で暑さを感じたら自動販売機などで買った直後のペットボトルにタオルハンカチを巻いてください(※5℃のペットボトルを想定)。約5分で、AVAを冷やすのに最適な15℃になるそうです。

<感染症対策を兼ねた予防法もおすすめ!>
手を洗う際に、ひじまでしっかり水をかけて長めに水につけると身体を冷やす効果が期待できるそうです。手軽にできるので手洗いの時にぜひお試しください。

熱中症の応急処置

身近にいる人が熱中症になったときは、下記の方法で対応しましょう。頭文字をとって「FIRE」と覚えると良いそうです。

<熱中症の応急処置で覚えておきたい4つの項目「FIRE」>
・Fluid(水分補給)
・Icing(冷却)首筋や脇の下などの太い静脈があるところを冷やしてください。
・Rest(安静)涼しい場所で静かに休んでください。
・Emergency call (救急車を呼ぶ)

(2021年8月8日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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