開幕スタメン落ち、ベンチでの激昂、オールスター… その裏にあったドラゴンズ京田陽太の思いに赤星氏が迫る

開幕スタメン落ち、ベンチでの激昂、オールスター… その裏にあったドラゴンズ京田陽太の思いに赤星氏が迫る

「とある妄想しがちなファンのドラゴンズ見聞録」
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム

やっぱり今年は強いのでは?と思わせる8連勝の後に地獄の様な8連敗のあった7月も終わり、ペナントレースも残すところ2ヶ月弱。不整脈で離脱を余儀なくされていた、今シーズンの開幕投手笠原祥太郎投手も待ちに待った復活を遂げ、山本拓実投手も先発でプロ初勝利を飾ったりと着々と終盤の追い込みの準備は進められている。
また来週の9連戦ではまた小笠原慎之介投手や、梅津晃大投手などが先発として予想されるなど、灼熱のナゴヤ球場で研ぎ澄まされた熱い男たちがさらにこの夏を熱くしてくれるだろう!

開幕スタメン落ちで京田陽太選手が得たものとは?

1月に「サンデードラゴンズ」に出演した赤星憲広さんの提言©CBCテレビ

赤星氏もショックだったという開幕スタメン外れ。
そのときの気持ちについて京田選手はこう語った。
「試合に出ないと意味がないと思っているので悔しい思いはあったが、ベンチで試合を見ることによって新たな発見があった。」
平田選手は配球をよんで打っているということで、プレーを見て打撃について勉強することがあった。

「事実ベンチで見ていると、配球の読み通りにカーンと打ったりとか、このカウントでこのボールを待っているんだとか。」

また、大島選手からはどのタイミングで配球を読んで走るかなどを見て学んでいた。スタメンでないからこそじっくり見られるものを京田選手はしたたかに眺め続けたのだ。そのことと関係するかもしれないのが、キャリアハイとなるフォアボールの数である。

フォアボールが増えた要因として京田選手はこう話す。
「打ちに行かないというと言い方は悪いが、近くでファールにするというか一球でも多く投げさせる意識はあります。」
これは京田選手が試合の中でより多くの選択肢を見出すことに他ならないだろう。
脚の速さを武器にする京田選手にとって、出塁の選択肢が増えれば増えるほど得点に絡む戦術をうっていける。

注目された走塁の功罪

そんな勝負を左右する走塁で注目された試合が2試合あった。
4月28日タイガース戦での走塁ミス。某解説者の方に喝を入れられたと苦笑しながら話す京田選手。
何が良くなかったかについてこう説明する。
「一番は決め付けていたこと。ショートに打球が飛んだので、僕がショートだったらこっち(セカンド)に投げてアウトにするなと思ったので、そのまま(ホームに突っ込んだ)」

これに対して赤星氏はこう解説した。
「ただの凡走ではないと思います僕は。自分のなかでこうだとシミュレーションしていての走塁であればこの先があると思う。」
こうした失敗であっても、自分のなかでこれと決めたことがあればまだまだ進歩してく。幾多の経験を経た赤星氏だからこそできたアドバイスだ。

そして7月28日カープ戦の好走塁については、
「隙があれば”常に”(一つ先の塁を)狙ってますし、プロ野球ってゆっくりするプレーも多いのでそこをなんとか掻き回していけたらなと思っている。」
そんないやらしい目の付け所から、見ているものを驚かすような好判断をどんどんと仕掛けていってほしい。そうした一つの考えられたプレーから、流れが変わっていくのも野球の面白さである。そういった部分をレベルアップさせればチームとしても良い状態になって行くだろう。それは京田選手の脚にかかっているだろう。

得点圏打率改善の秘策とは?!

「サンデードラゴンズ」に出演する赤星憲広さんと京田陽太選手©CBCテレビ

得点圏打率がひどいのはなぜ?というど直球すぎる質問に京田選手はこう答える。

「追い込まれる前に細かく狙い球を絞ったほうがいいのかなと考えている。チャンスだからといってイケイケになるのではなくて少し落ち着いてやることが重要なのかなと考えている。」
赤星氏もその考えに賛同。弱点に対しても冷静に分析できているところを見ると、経験の中で成長してきたことが感じられ実に頼もしい。

またオールスターでは、京田選手はジャイアンツの丸佳浩選手に話を聞いた。

「アレもコレってなっちゃうとダメなんで、1つ自分のルーティンを持っておけば)そこに戻ることができるので調子が悪くなっても(対応できる。)」
と不調の脱し方を吸収している。そんな京田選手に赤星氏はこうアドバイス。

「京田選手が来年以降も出られたら、ピッチャーに聴いたほうがいいですよ。このピッチャーって僕のことをこう見てるから、こういう風に攻めてくるんじゃないかっていうのが分かる。」

赤星氏の多角的な視野の持ち方は、まさにプロ。オールスターでも虎視眈々と自分のレベルアップに繋がる部分を探す姿勢は、1つステージが上がった京田選手にも必要不可欠なものだろう。細かい積み重ねを築き上げさらに素敵な選手になるのが楽しみでならない。

”ベンチ蹴り上げ激昂”について京田選手の思い

1月に「サンデードラゴンズ」に出演した京田陽太選手と2019年の公約©CBCテレビ

6月16日5点リードを逆転され、ヤキモキする試合展開。ベンチに帰ってくる京田選手は勢い良くベンチを蹴り上げ叩きつけた。決して褒められることではないが、普段あまり感じない悔しさを強く感じることとなったシーンだ。その時の思いについて京田選手はこう語った。

「今まででのままではダメと感じていたので、何かを変えないとと思ったときに自分には必死さが足りないのかなと思った。1年目の必死さをもう一度と思ってやっています。」

チームに対してもそうだが、そのチームを作り上げる自分自身に対しての憤りも強くあってのことなのだろう。赤星氏も自分やチームを鼓舞するために気持ちの乗った表情や、スイングでフィールド上でそれを表現していってほしいと鼓舞する。
京田選手は勘が良く、なにが足りないかを強く感じ取り、自分で考えて状況を変えようともがいている。1年目で頭角を現し、ずっと定着しているなかで様々な課題に当たらなければいけない。恵まれた状況かもしれないが、その中での変化は人一倍の努力を強いられる。しかし京田選手の言葉を聞いていると、きっとそれを超えてまたひとまわり大きく羽ばたいてくれるのではと期待できる。あくなき挑戦を乗り越えた暁には、チームもまた大きく変わるだろう。そのために闘い続ける京田選手を応援したい。頑張れ京田選手!

澤村桃

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