父違いのきょうだいから絶縁。母が亡くなったら知らせるべき?
折り合いの悪い家族とは、もう関わりたくない。そう考える人もいるはずです。では、きょうだいと絶縁状態にある人は、母親が亡くなった時、その死をきょうだいに知らせる義務があるのでしょうか。6月24日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリ』、「ズバリ法律相談室」のコーナーでは、複雑な家庭環境で育ったリスナーからの相談に、オリンピア法律事務所の原武之弁護士が回答しました。
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「私の母は若い頃かなり自由奔放に生き、きょうだいは私を入れて6人。もちろん父は違います。姉2人、兄2人は親戚に預けられ、私と妹は義理の父と母とで暮らしていました」(Aさん)
十数年前に義理の父が亡くなった時、それまでの母の行動に他のきょうだいは激怒したといいます。その怒りはAさんにも向けられ、「あんたらとは縁を切る。母が亡くなっても関係ないし、連絡もしないでほしい」と言い渡されました。
「私も他のきょうだいとは思い出もなく、逆に意地悪をされたのでむしろ付き合いたくないので良かったと思っています。でも、本当に母が亡くなったら連絡しなくてもいいのでしょうか」(Aさん)
連絡をすれば文句を言われそうで、しなければしないで何か言ってきそうで気が休まらないというAさん。当時まだ小さかった妹は、この話を知らないそうです。
宣言だけでは縁は切れない
北野「でもこれ効力ないですもんね、口だけで言っても」
原弁護士「縁切りとか勘当とかっていうのは宣言してるだけで、戸籍上の親子関係がなくなるわけではない」
では、母が亡くなった後に兄や姉へ連絡しなくても、法的に問題はないのでしょうか。
原弁護士「法的には別に連絡する義務もないので、連絡しないこともよくありますし、あとで連絡することもあって、別に何にもしなくてもいいです」
問題は「言った言わない」で揉める可能性です。原弁護士は、母が存命中に対処しておくことを勧めました。
原弁護士「そういう話になった時には、お母さんが存命中にメールとかで、もうそういう話になったから、私は母が亡くなってもあなたたちには連絡しませんと通告しておくっていうことですよね」
法的な証拠として、手紙やメールで意思を残しておくことが有効だといいます。
相続となると別
ただし、相続が発生すると事情は変わります。
原弁護士「遺言がないと、基本的には全員の同意がないと分けることができないので」
兄や姉を外して遺産分割協議を行なっても、その効力は認められません。全員の同意がなければ成立せず、話し合いができなければ遺産分割調停も必要になり、手続きが煩雑になってしまいます。
そこで原弁護士が強く勧めたのが、母に遺言書を用意してもらうことでした。
原弁護士「今後、縁を切るってことになると、自分の介護とか将来も面倒見てもらうってことですから、あなたに全て渡すよっていう公正証書遺言ぐらい書いてもらわないと、手続きも面倒だし、あとで揉めるかなと」
遺言があれば、遺言執行者を決めておくことで、他の相続人に連絡せずに手続きを進められます。
遺留分だけは避けられない
ただし、遺言を残しても請求を防げない権利があります。それが遺留分です。兄や姉からの遺留分の請求は、遺言があっても避けられません。
まずは母に遺言を書いてもらうこと、誰が遺言を執行するかを決めておくこと、そして他の相続人には連絡しなくてよいという意思を残してもらうこと。この3点が重要だと原弁護士は整理しました。
原弁護士「残された方の判断でやると揉めるんで、遺言に書いてくれると『それに従っただけです』と言えるのでありがたいですね」
北野「お母さんに言うたら怒るかもしれんけど、書いといてもらわんと揉める元ですよね。多分お母さん、自由奔放に生きすぎたんやと思いますけど」
母が元気なうちに遺言で意思を残しておくことが、結果として残される側を守る手立てになりそうです。
(minto)
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