メジャーリーグで議論「サラリーキャップ」とは?
5月末にメジャーリーグ機構(MLB)のオーナー側から、今オフに予定される労使協定交渉に向けて「サラリーキャップ」制度の導入を検討する動きがあると報じられました。日本でも来シーズンからBリーグで導入される予定のサラリーキャップは、より身近な話題になりつつあります。6月9日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、スポーツジャーナリストの生島淳さんが、「サラリーキャップ」の仕組みや導入の背景、選手会との対立構図について解説しました。聞き手は西村俊仁アナウンサーです。
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生島さんは、サラリーキャップについて「各球団の戦力均衡を図り、どのチームにも優勝のチャンスを与えるための制度です」と説明しました。チーム全体の年俸総額に上限を設けることで、資金力による戦力格差を抑える狙いがあるといいます。
アメリカではニューヨークやロサンゼルスなど大都市圏の球団が豊富な資金力を持つ一方、中規模都市の球団との間で経済的な差が生まれやすい状況があります。そのため、年俸総額に上限を設けることで公平な競争環境を整えようという考え方が制度の根底にあるそうです。
西村「球団が持ってる資金というものでチームの強さ弱さっていうところを判断するのではなくて、同じ条件にすることで、真剣に競技力をどう高めていくか考えようよっていうことなわけですよね」
また、日本でも来シーズンからBリーグでサラリーキャップが導入される予定であり、より身近な話題になりつつあります。
ぜいたく税が機能していない?
現在のメジャーリーグには、一定額以上の年俸総額に対して課税する「ぜいたく税(ラグジュアリータックス)」制度があります。
しかし生島さんは、近年のロサンゼルス・ドジャースについて「勝つためにお金に糸目をつけないチーム」と指摘しました。
大谷翔平選手をはじめとするスター選手を抱え、積極的な補強を続けていることから、ぜいたく税だけでは戦力均衡を保つ機能が十分に働かなくなっているとのこと。
こうした状況を受け、一部オーナーの間では、より強力な抑制策としてサラリーキャップを導入すべきではないかとの声が上がっているそうです。
西村「本来はぜいたく税だけで抑えたかったところを超えられてしまったので、サラリーキャップでしっかり制限しようという流れなんですね」
選手会は強く反発
一方で、サラリーキャップ導入には選手会が強く反対しています。 生島さんは、MLB選手会について「おそらくアメリカでも最も力の強い組合のひとつです」と説明しました。
サラリーキャップが導入されれば選手の年俸上昇が抑制されるため、選手会が反発するのは当然だといいます。 さらに選手会側は、「経営が苦しいのであれば、それは経営陣の問題ではないか。なぜ選手が負担しなければならないのか」という主張を展開していると紹介しました。
西村「働いた分だけ報酬をもらうのは当然という考え方ですよね」
生島「アメリカではそういう形でしっかり切り返していくんです」
NFLとの違い
生島さんは、すでにサラリーキャップを導入しているナショナル・フットボール・リーグ(NFL)との違いにも言及しました。 NFLではテレビ放映権をリーグが一括管理し、その収益を32球団に公平に分配しています。
また、リーグ全体として戦力均衡を重視し、できるだけ各チームの勝率が拮抗する環境づくりを進めているそうです。
一方のMLBについては、比較的自由競争を重視するリーグだと分析しました。
生島「ぜいたく税はあるものの、現状ではマーケットの大きな球団が有利になっているのではないか」
今後予定されている労使協定交渉では、サラリーキャップ導入が大きな争点となる可能性があります。
メジャーリーグの競争環境や選手の待遇に大きな影響を与えるテーマだけに、今後の議論の行方に注目です。
(ランチョンマット先輩)
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