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良くも悪くも広がる波紋。「備蓄米の価格を2,000円に」宣言

良くも悪くも広がる波紋。「備蓄米の価格を2,000円に」宣言

新しく農林水産大臣に就任した小泉進次郎氏が、高騰が続くコメの価格について「これまでと同じやり方では期待に応えられない」として、備蓄米の新たな売渡方法を決めました。これに伴って算出された小売価格の「5㎏で2,000円」という言葉が波紋を呼んでいます。5月26日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』にも、あらゆる立場のリスナーからの意見が寄せられました。つボイノリオと小高直子アナウンサーがそれらをさまざまな角度から読み解きながら、今後の展望を話しています。

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手放しで喜ぶ前に

ブレンド米の平均販売価格は、5㎏で3,000円台後半です。それを一気に2,000円までに下げるという発言に、喜びよりもまず疑問を抱く人も。

「小泉さんが農林水産大臣になって少しアドバルーンを上げたと思ったら、即支持率が3~4ポイント上がったそうで。今に始まったことではないけれど、簡単に判断してはいけないと思います。私はもう少し対象を見守ってから判断したいと思います」(Aさん)

つボイ「これも国民の声のひとつかもしれませんね」

小高「今までのやり方では変わらなかったから、まずは違う方法で動くっていう部分に対して、ある程度の期待感は上乗せされてくるでしょうが。でも期待感はあくまでも期待でしかないので、応えられないと判断されればあっという間に元に戻るか、何なら下がることにはなるでしょうね」

本当に下がるのか?

「小泉さん、6月初めにコメ5㎏を2,000円程に引き下げると発言しています。備蓄米の放出を入札ではなく随意契約にしたり、コメの卸問屋などを回って現状を把握しているようですが、すぐに2,000円台に下がるとは思えません。どうしても参議院選挙のためのパフォーマンスに思えてしまいます」(Bさん)

小高「ただお米の全体的な値段を2,000円台にと言っているわけではなくて、備蓄米の値段を5㎏でその値段に、という話ですね」

つボイ「決してでたらめではなく、ある意味確信があって言った『2,000円』だと思いますよ。経済って割と1+1は2の世界なので」

流通量と販売価格から、今後備蓄米を放出する量に対して設定されるであろう価格はある程度予測できるものです。しかしそれがセオリー通りにいっていないのが現状なわけで。果たして本当に予測通りに下がるのか、注目が集まるところです。

安ければいい?

一方で生産者に対する懸念の声も上がっています。

「確かに今のコメ価格は高すぎると思いますが、かといって安くなりすぎても今後そのツケが生産者に回っていくとコメ農家が減っていき、本当にコメが食べられなくなっていってしまうのではないかと心配しています。

いまコメ農家は大変な状況でコメを生産しています。仕事量と経費の多さの割に利益は少なく、これではとても跡を継ぐ者たちがいなくなってしまいます。消費者は急激なコメの高騰に困っていますが、生産者もやはり困っています」(Cさん)

つボイ「そうですね。ただ今回は備蓄米の話なので、2,000円で売っても農家の人は困らないと思います」

小高「直接的にはそういうことです。農家の人たちの心配は、そこからコメ全体の価格が値崩れを起こしてしまって、農家が作ったコメもまた安い価格で販売されるのが当たり前になるのではという点でしょうね」

備蓄米と農家の生産したコメとは分けて考え、農家のコメに対しては値段が保証されるよう行政の手が入るべきという考えを示しました。

ハッキリしない原因

つボイ「コメというのは大変手間がかかる。『米』という漢字を習う時に、『八十八の手間がかかる』と習いましたが、本当にそうだと思います」

小高「日本人にとってはお米って『高くなったら食べなければいい』というものではないので。高くなっても買うから、結局1回高くなったら値段が下がりにくいわけでしょ。高くても買うから。

だったら、なぜこんなに高くなったのかということをきちんと原因追及して、今後こういったことのないやり方を考えないといけない」

コメの価格が高騰して久しく、あらゆるメディアでその理由について予測はされていますが、直接的な要因についてはいまだ言及されていません。

小高「農業ってものすごいインフラが整っていないとできなくて、それって今日明日で整えられるものではないので。やはり長期的な目線で日本の農政をどうしていくべきなのかという課題があると思います」

今後に控えた選挙のためのパフォーマンスで終わらせず、生産者や消費者のことを考えた政治改革が期待されています。
(吉村)
 

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