ラーメン数珠つなぎ第十一弾!静寂な借景を眺めながら鴨ダシの絶品ラーメンが楽しめる「酒楽亭 空庵」

東海地方の人気ラーメン店の店主からイチオシをいただく「人気ラーメン店主がおすすめするラーメン数珠つなぎ」企画。第十一弾は「えびそば緋彩(ひいろ)」オーナー佐野さんおすすめの、名古屋市緑区にお店を構える人気ラーメン店「酒楽亭 空庵」を取材しました!
ラーメン店とは思えない和の雰囲気の中で楽しむ至高の一杯「酒楽亭 空庵」
お店の場所は名古屋市緑区。名鉄有松駅から徒歩10分ほどのところにある「酒楽亭 空庵(しゅらくてい くうあん。以下空庵)」。


外観はラーメン店とは思えないような荘厳さを醸し出しており、まるで割烹のようなたたずまいです。
「空庵」は2013年9月にオープン。連日行列ができる同店は「究極のラーメン2025 東海版」 総合グランプリをはじめとする数々の受賞歴がある人気ラーメン店です。

扉を開けて店内に入ると、窓の外一面に日本庭園が広がっています。ラーメン店らしからぬ和の雰囲気に思わず驚きの声が漏れること間違いなし。

扉左手には券売機。メインの「鴨はちラーメン」や「塩ろくラーメン」など、おもしろいネーミングのメニューがそろいます。

席は日本庭園を目の前で楽しめるカウンター席が8席、2名がけのテーブルが4つあります。落ち着きのある和の雰囲気で統一され、自然光が差し込む店内はどこか心が和みます。
ラーメン店では珍しい?!ラーメンの前に前菜と鴨肉が楽しめる!
おいしいラーメンに定評がありますが、「空庵」が他のラーメン店と違うのは、すべてのラーメンに前菜と鴨皿がつくこと。まるでコース料理のようですね。

前菜は不定期で替わりますが、今回は「ささげと燻製鴨肉とフレークアーモンド」。シャキシャキ食感のささげとナッツのカリッとした食感がとてもおいしく、いぶした鴨ミンチとの相性も抜群です。


こちらが空庵名物の「鴨皿」。鴨肉は注文が入ってから一つ一つ丁寧に切るのでとてもみずみずしく、卓上のIHクッキングヒーターにのせて自分で加熱します。

1分ほど煮るとちょうど食べ頃。ラーメンのダシで煮込んだ鴨肉は歯応えもうまみもしっかり。臭みもなく、ネギの爽やかさがアクセントになっています。
ラーメンが到着する前に、前菜と鴨皿だけで満足してしまいそうなほどのおいしさ。
鴨ダシのコク深いスープが特徴の「鴨はちラーメン」
前菜と鴨皿を楽しんだ後は、いよいよラーメンの到着。まずはお店の看板メニュー「鴨はちラーメン 1,490円(税込み)」

美しい模様の丼に、トッピングや麺が整然と盛り付けられたラーメン。顔を上げれば日本庭園と、まるで旅行に来たかのような気持ちになります。トッピングは醤(ひしお~魚や肉、穀物を合わせて醗酵させた調味料の一種)や、オーナーの冨田さんがその日に合わせて選択する彩りのいい野菜。丼の中で季節を感じられるのはなんとも粋です。

国産鴨ガラと魚介類をふんだんに使用して丁寧に抽出することで、透明感のある見た目とは裏腹に口の中でじわーっと長くうまみが残り続けるコク深いスープになっています。

麺は、かめばプチン!すすればつるつるとした喉越しがクセになります。毎日その日の気温や湿度などを考えて仕込む自家製麺だからこそできる食感です。おいしすぎるスープはつい飲み干してしまいたくなりますが、その気持ちをグッとこらえ、「鴨はち専用トマト茶漬け 390円(税込み)」を注文することをおすすめします。


トマトの酸味とみずみずしさがコクのあるスープとマッチしていて、夢中でかきこみたくなるお茶漬けです。
見た目からは想像できない斬新な味わい「冷やしの梅吉ラーメン たたきとろろ和え」
続いては暑い季節にぴったりの「冷やしの梅吉ラーメン たたきとろろ和え 1,690円(税込み)」。

美しい丼はキンキンに冷やされ、鴨はちラーメンと同様、スープをベースに、鴨ダシからとれたコラーゲンときざみとろろを加えることで、スープがとろりとなる特徴的な一杯。

滑らかで美しい麺は見た目の通りつるつるとすすり心地がとてもよく、かんだ歯を弾き返すほどのコシがあり、優しい小麦の風味を楽しめます。みりん漬けにした南高梅の甘みと酸味が食欲をさらにかき立て、ミョウガの爽やかな苦みがいいアクセントに。細切りのキュウリも繊維に沿って切られているので食感を楽しむことができ、まるでスープまで楽しめる冷やし中華のような味わいになっています。
多彩な料理経験から生まれるこだわりの一杯
「酒楽亭 空庵」のオーナー冨田さんは、高校時代から料理に携わり、独学で料理を学んでいましたが、自分の腕がどこまで通用するのかを知るために、中国・上海の日本料理店で料理長として約3年間腕を振るっていたそうです。
中国から帰国後、新たにどんな料理店をやろうかと模索していた際、中国でよく食べていたラーメンと鴨を取り入れたお店をオープンしようと考え、現在のような形になりました。和の趣が随所に盛り込まれた空間とラーメンの盛り付け。今までの多彩な料理経験から作られる一杯は、単なる食事ではなく「日本料理としてのラーメン」という体験を存分に楽しむことができます。次回は「酒楽亭 空庵」冨田さんおすすめのラーメン店をご紹介します!
店舗名
酒楽亭 空庵(しゅらくてい くうあん)
住所
名古屋市緑区武路町122
営業時間
11:00~14:30
18:00~20:00(売り切れ次第閉店)
定休日
水曜日、木曜日
電話番号
052-622-9888
ライター名
ジヌ
※記事内容は配信時点の情報です。
番組紹介

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