13日開幕「世界陸上」初日3日間の見どころをジャーナリストが解説

世界最高峰の陸上競技大会「東京2025世界陸上」が、いよいよ9月13日(土)から21日(日)までの9日間、国立競技場を舞台に開催されます。日本での開催は、1991年の東京、2007年の大阪に続き、3回目です。同月9日の『CBCラジオ #プラス!』では、スポーツジャーナリストの生島淳さんが、注目競技の見どころについて語りました。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く13日の注目競技は競歩
大会初日の13日土曜日午前8時からは、男女の35キロ競歩が行なわれます。
競歩は日本のお家芸とも言える種目で、長年にわたって高い競争力を誇っています。
近年は「厚底シューズ」の普及により、各国の選手たちが記録を伸ばしている一方で、日本勢は対応が遅れてしまった時期もありました。
しかし最近ではしっかりと適応し、再び上位を狙える力をつけてきているとのこと。
「今回はメダルも期待できる」と話す生島さん。
競歩の距離はかつては50キロでしたが、長すぎるという理由から35キロに短縮されており、ルールの変更によってレース展開も変化してきているそうです。
その他注目の13日競技
午後6時5分からは、男子3000メートル障害の予選が行なわれます。
注目は、順天堂大学OBの三浦龍司選手。
ヨーロッパのレースでも上位に食い込んでおり、今季世界ランキング3位の実力者です。
生島さん曰く、予選をいかに余裕を持って通過できるかが鍵となります。
続いて午後9時30分からは、女子1万メートル決勝も予定されています。
夜間とはいえ、気温が高い可能性があるため、過酷なレースになることが予想されます。
14日は女子マラソンと100m決勝
14日日曜日の朝8時からは、女子マラソンがスタートします。日本からは安藤友香選手、小林香菜選手が出場予定です。
特に小林選手は、早稲田大学の体育会ではなくサークル出身という異色の経歴を持ち、大塚製薬所属として代表の座を勝ち取りました。その努力と実力に注目が集まっています。
夜には、陸上の花形種目ともいえる男女100メートルの準決勝・決勝が開催されます。
男子では、桐生祥秀選手、サニブラウン・アブデル・ハキーム選手、そして大東文化大学4年の守祐陽選手が出場します。
世界では今シーズン、9秒7台を出している選手が2人(ジャマイカのキシェーン・トンプソン選手、アメリカのケニー・ベドナレク選手)おり、レベルの高さが伺えます。
日本勢が決勝へ進めるか、注目です。
15日は男子マラソン&フィールド競技
祝日である15日月曜日の朝8時からは、男子マラソンがスタートします。
出場予定の小山直城選手、近藤亮太選手は国際大会の経験も豊富。
そして、青山学院大学出身として初の世界陸上代表となる吉田祐也選手にも注目が集まります。
夜の部では、午後8時10分から男子棒高跳び決勝が行なわれます。
注目はスウェーデンのアルマンド・デュプランティス選手。世界記録を次々に更新してきた“空中の超人”です。
陸上ファンならずとも一見の価値があります。
続いて午後9時からは女子やり投げ決勝。日本の北口榛花選手が出場予定です。
今シーズンは世界ランキング6位につけており、メダル圏内も視野に入っています。
ただし、今のところ調子は万全とは言えないようで、特に最初の3投が勝負どころとなりそうです。
世界の超人たちのパフォーマンス
そして、午後9時55分からは男子3000メートル障害の決勝が行なわれます。
三浦龍司選手の実力を持ってすれば、「世界の強豪を相手に堂々と戦える」と生島さんは期待を寄せています。
ただ、ヨーロッパのレースでは驚異的な記録が次々と出ており、「世界の壁は厚い」とも。
決勝進出だけでも素晴らしい成果と言えるでしょう。
生島さんは最後に、「世界陸上は、まさに世界最大の運動会のようなもの。世界の超一流アスリートの走り・投げ・跳躍は一見の価値があります」と話します。
現地で観戦すると、「この人たちは本当に同じ人類なのか」と思うほどの身体能力に驚かされるそうです。
特に走り高跳びの選手の脚の長さには、いつも驚かされるとのこと。
「こういう選ばれた選手たちが世界と戦っているんだ、日本の選手もその中で奮闘しているんだ」と感じながら、観戦してみてはいかがでしょうか。
(ランチョンマット先輩)
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