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『冥婚・オブ・ザ・デッド』は結婚観が変わるマンガ

『冥婚・オブ・ザ・デッド』は結婚観が変わるマンガ

4月20日放送のCBCラジオ『八木志芳の私たちは求めてる』では、パーソナリティの八木志芳がおすすめのマンガ作品として、久ひろろさんの『冥婚・オブ・ザ・デッド』(KADOKAWA刊)を紹介しました。結婚式場でエンディングムービーを作っている主人公が、通勤途中で「赤い封筒」を拾ったことによって、とんでもないことに巻き込まれるという作品だそうです。

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結婚にネガティブな主人公と結婚したかった幽霊

『冥婚・オブ・ザ・デッド』の内容を説明する八木。

結婚式場で披露宴の最期に流れるエンディングムービーを作る仕事をしている主人公・アキは結婚にマイナスイメージを持ち、恋愛にも婚姻にも否定的な気持ちを持っています。

ある日通勤途中で赤い封筒を拾った途端、幽霊の花嫁・メイと強制結婚することに…49日以内にメイが本当に結婚するはずだったダーリンを探すマリッジコメディです。

ちなみに台湾では未婚女性が亡くなった場合、せめてあの世で結婚できるよう赤い封筒を路上に置き、拾った男性と冥婚させる風習が実際にあるそうです。

八木「私は、結婚式はカップルが必ず1~2回は当日までに揉めるって聞いております。実際に結婚式の司会を何度かやってますし、友人がホテルで結婚式の担当なんです」

作品の中でも、様々なカップルがケンカするシーンがあり、それに対してアキに憑いたメイが言いたいことをビシバシ言うくだりは、幽霊という設定が効いているとのこと。

「結婚=いい」だけに偏らない内容

作品には結婚をポジティブに捉えている人々が出てくる一方で、アキのように結婚にネガティブな考えを持つ人もおり、双方に寄り添った内容がいいと感じた八木。

八木「独身の私は、結婚の良さだけを押し付けていない内容がすごくいいなと思ったんです」

結婚する・しないは個人の選択です。結婚したいのに独身というケースは別として「結婚願望がない」「結婚しない」と選択する人への風当たりはまだまだ強いです。

時には社会不適合者のような扱いを受けることもある中、結婚したい側にも、したくない側にも寄り添ったストーリーが心地いいと続ける八木。

客観視点でコメディタッチに表現

作品に話を戻します。
幽霊のメイが本当の結婚相手を探して「私のダーリンは今どこで何をしているの?」と行動する一方で、アキはその相手が見つからなければ、本当に幽霊と結婚しなければならなくなってしまいます。

八木が本作を勧める理由は、舞台が結婚式場であること、ホラー要素が強くないコメディタッチな点だそうです。

独身であるという自分の立ち位置と、結婚式の司会などを担当する機会やブライダル関連の友人がいる八木だからこそ、この作品の良さに惹かれたことが伝わってきました。

八木「実はこの作品、まだ単行本は1冊しか出ていないのですぐに最新話に追いつけると思いますよ」

現在も本作は連載中で、ネットでも一部の話が無料で読めます。

結婚は、まだまだ女性にとっては「しないつもり」と堂々と言える状態とは言えない日本のジェンダー意識。実際の結婚式を挙げるカップルのケンカなど、決して理想やどちらかの視点に偏ることなくリアリティが込められた作品であるとまとめた八木でした。
(葉月智世)
 

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