ボカロP doriko、「初音ミクバラードの神」と呼ばれた転機を語る

青森県弘前市と北海道函館市が連携した「ひろはこ」。「桜ミク」(初音ミク)とのコラボレーションでもおなじみですが、今年の「春の観光キャンペーン」キャンペーンソングは「ロミオとシンデレラ」などで知られるdorikoさんが担当しています。4月20日放送のCBCラジオ『RADIO MIKU』では、清水藍がdorikoさんに楽曲制作についてインタビューしました。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く初音ミク発売年にデビュー
人気曲「ロミオとシンデレラ」をはじめ、「歌に形はないけれど」「letter song」「夕日坂」などの作品から「ミクバラードの神」とも称されるdorikoさん。
最近では音楽ゲーム『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』用に「purpose」を描き下ろしています。
ボカロPデビューは、「初音ミク」が発売されて3ヶ月ほど経った2007年12月のことです。
清水「dorikoさんはデビューした2007年当時のことは覚えていらっしゃいますか?」
doriko「正直に言うと、だいぶ月日が経って、ほぼほぼ忘れてきてます(笑)」
初音ミクとほぼ同じデビューということは、今年で活動開始18年です。
doriko「おかしいな、ミクちゃんは(設定上)16歳なのに(笑)」
ミク以前から親しんだニコニコ
ボカロとの出会いははっきり記憶しているというdorikoさん。ニコニコ動画は「初音ミク」発売以前から観ていたそうです。
清水「dorikoさん、当時ニコニコ動画で何を観ていたんですか?」
doriko「ちょっとそれは…昨今のコンプライアンスがありますから(笑)」
「初音ミク」の存在を知り、衝撃を受けた楽曲は「みくみくにしてあげる♪」(ika feat.初音ミク)とのこと。
こどもの頃にピアノを習い、友人とバンドを組んでいたdorikoさんは、DTM(デスクトップミュージック)の使用経験もありました。
doriko「自分も曲作りにDTMなどの使用経験もあるし、たくさんの方がやってるなら自分にもできるんじゃね?って思いまして。その後、当時使ってたPCが壊れて新しく買い直したらスペックもアップして。これチャンスじゃね?って『初音ミク』を買いまして。最初は遊びから入りました」
やめようと最後のつもりで投稿した曲が転機に
コメントなどの反応をモチベーションに楽曲を作り続けたdorikoさんですが、ボカロPとしての転機があったそうです。
doriko「最初の頃はニコニコ動画の当時の雰囲気と合わせて、楽しさだったり、その場や聴いてくれる人が楽しくなってくれたらいいな、という感じで作っていたんです。
最初は数カ月でやめるつもりで『歌に形はないけれど』を作って終わりにしようと思ってたんですけど、『最後だから反応とかどうでもいいや』と思って作りました」
最後のつもりで投稿した「歌に形はないけれど」には、思いのほかたくさんの方の反応があり、それを受けて「もうちょっとちゃんとやってみよう」と転換点になったとのことでした。
以降は「ちょっと恥ずかしいんですけど…」と前置きしつつ「切なさ」に全振りして曲を作っていると明かします。
その一方で、投稿当初の楽しい要素はなくなったとのこと。
「切なさ」に振った理由について「単に明るいとか暗いといった曲より、その間くらいの曲の繊細なメロディーや感情を曲として表現したいと思っていた」と続けます。
その後もインタビューは「ひろはこ春の観光キャンペーン2025」に書き下ろした「花の便り」についてなど、話題は尽きませんでした。
(葉月智世)
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