M&Aを円滑に進めるために大切なものは「相手を敬う気持ち」

少子高齢化により、中小企業や小規模事業者の後継者難が大きな経営課題となっています。そして、元気なうちに資産の管理や、次世代へのスムーズな承継について考えていく必要性も高まっています。CBCラジオ『北野誠のズバリ』「シサンのシュウカツにズバリ」では、事業承継と資産承継について専門家をゲストに学んでいきます。3月26日の放送では、関東にある工業用機械を製造している会社のM&Aについて北野誠と松岡亜矢子が三井住友トラストグループ 経営承継支援 はじめ部長の藤原秀人さんに伺いました。
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今回藤原さんが紹介したのは、関東にある工業用機械を製造している会社の事例。
どのような会社だったのでしょう?
藤原「年商は4億円ほどで、従業員20名弱。大手自動車メーカーやカメラレンズ会社や塗装関連会社など、これまでになんと2,000社以上との取引がありました」
北野「すごい数ですね。なぜM&Aをされたんですか?」
藤原「社長さんが70代を越えたということと、後継者がいらっしゃらなかったんです」
「後継者がいないと、どうしてもM&Aを考える」と納得する北野。買い手の会社はどのような会社だったのでしょうか?
藤原「こちらも関東にある電気機械器具を製造されている会社さんで、従業員はこちらも同じく20名ほど」
買い手のメリット3つ
対するそして、買い手会社の社長は40代。なぜ、買い手会社は今回のM&Aに挙手したのでしょう?
藤原「理由は、自社製品の開発力を獲得するためです」
買い手の会社は、これまでは受託加工がメイン。他企業から依頼を受けて製造するため、自社製品を持っていなくて競合他社との差別化が図りづらい状況でした。
そのような状況の中、M&Aで自社製品を開発し技術力のある会社と提携することで、開発力や技術力の強化を図る戦略をとったのです。
買い手会社の具体的なメリットは何でしょうか?
藤原「売り手さんの会社には50年以上売れ続けているヒット製品があり、品質も保証され、売上が安定していることがひとつです」
もうひとつは、売り手の製品で必要な部品の一部を買い手の工場で作ることが可能だったそう。つまり、内製化でき稼働率を高めることができるのだと藤原さん。
藤原「それと、なにより売り手と買い手間で社員同士が交流し、アイデアを出し合うことによって新製品を開発することができるという点の3つです」
北野「買い手さんのニーズに合っていたんですね!」
「教えてもらう」という姿勢
その後、M&Aはスムーズに進んだのでしょうか?
実は売り手側、10年前から買い手企業を探していたのですが、ニッチな製品のため、なかなか買い手がみつかりませんでした。
そのため同業の買い手が現れてからは、追い風に乗るように話がスムーズに進んだそうです。
藤原「一番の要因としては、M&Aは譲り受けた企業が親会社になり、譲渡企業が子会社にるため上下関係になりがちですが、今回は、買い手社長が業歴が長い売り手のベテラン社長から学ばせてもらう姿勢で話を進めたから」
北野「対等というか、どちらかというと技術を教えてもらおうと」
M&A成立後はうまくいったのでしょうか?
藤原「譲り受けた従業員さん全員を集めて、10年後にどのような会社になりたいかというビジョンを一緒に考えたそうです」
売り手は30年前から海外との取引があったとのこと。今ではそのネットワークを活用して、買い手はグローバル企業を目指して日々頑張っていると藤原さん。
北野「仕事を気持ちよく進めるためには、買った売ったじゃなくて対等でやるって。いままでも買い取られた側の従業員の生活も守ります…これがうまくいく秘訣かも」
藤原「それがないとM&Aはうまくいかない」
買い手の若手社長のベテラン経験者に対しての「学ばせてもらう」という姿勢に感心する北野でした。
(野村)
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