家族にとって大問題。高齢の親に「免許返納」を説得するには?

翻訳家でエッセイストの村井理子さんが、3月20日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリ』に出演しました。村井さんは1970年静岡県生まれで、現在は滋賀県の琵琶湖畔に在住。翻訳家として『「ダメ女」たちの人生を変えた奇跡の料理教室』(新潮文庫)などを手掛け、また自身もベストセラー『村井さんちのぎゅうぎゅう焼き おいしい簡単オーブン料理』(KADOKAWA)を執筆しています。最新刊は認知症の義母と90歳の義父のケアに奔走する日々を綴った『義父母の介護』(新潮新書)。番組では村井さんが介護に関する実体験や本音を語りましたが、ここでは義母に免許を返納させた時の苦労について取り上げます。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く免許返納の説得に激怒
家族が認知症となった時や認知症が疑われた時、悩ましい問題なのが免許を返納させるよう説得すること。
特に人身事故を起こされると取り返しのつかないことになりますが、本人が説得に応じず車に乗り続けてしまうというケースが多々あります。
村井さんの義母は物損事故などを起こしたことがあったそう。そのため「事故も多くなってきて、年齢的にももうそろそろ返納した方がいいんじゃないか」と説得ところ失敗。
その後もケアマネージャーと一緒に何度も返納を頼んだのですが、怒ってしまうこともあったとのことです。
アクティブにドライブすることが多い義母にとって、車を奪われることは生き甲斐を失い、プライドを傷つけられるようです。
「車が盗まれた」と抗議
義母による事故は2回ありました。またスーパーの駐車場の柱などの自損事故以外に、逆走行為も一度起こしていたため、次は人身事故につながりかねません。
しかしいくら説得しても聞く耳を持たなかったため、村井さんは義父に了解を得て、夫とともに廃車の手続きを行なう手段に打って出ました。
問題はその後。義母は電話で「息子に車を盗られた。今すぐお金を支払ってください」と訴えたり、翌日には村井さんの税理士さんに電話し、「義理の娘が私の車を盗りました」と報告するなど、大変な状況となってしまったそうです。
抗議が収まった理由
ところが2、3週間ほど経ったある日、義母は返納に納得してしまいます。
どうも自身で「自分の目の前で自動車事故が起きたことを目撃し、このような事故を起こしてはいけないと考えた末、自ら免許を返納した」と考えたとのこと。
これが自分を納得させるための創作なのか、それとも認知症による症状なのかは不明だそうですが、以降「車が盗られた」とは言われくなりました。
車を売ったお金は義父に渡っており、「車が盗られた」と話す義母に義父が「息子夫婦は盗んでいない」と説明したとのこと。
やはり説得には周囲の協力が不可欠なようです。
(岡本)
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