コロナ禍から丸5年。様々な対策はどれほど有効だったのか?

コロナ禍から5年が経過しました。世界中が未曽有の危機となる中、当初さまざまなコロナ対策が出されました。果たしてどれくらい有効だったのでしょうか?3月15日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーがコロナ禍について振り返ります。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く前代未聞の出来事が続いた数ヶ月
日本国内で新型コロナが初めて確認されたのは、2020年1月15日でした。
大石「早いですね。コロナ禍に入ってから5年です。暗黒の時代でしたよね」
国民はマスクを着け、街は突然静かに。当時の様子を「街から一斉に色が奪われていった」と振り返る大石。
「新しい生活様式」が普及した一方、いつもの生活が出来ないことにストレスを抱えた方も。
ただ5年も経つと、記憶もかなり薄れてきたようです。
大石「あれだけ取材したのに…記憶がかなり奪われた」
その歴史を記録すべく、自著『新型コロナワクチンの光と影』に年表を入れたことを明かします。
全国一斉臨時休校が行われたのは3月。
夕方のニュース速報の原稿を読む際、大石は衝撃的な内容に驚き、「何かの間違いでは?」とスタッフに確認したことを思い出します。
大石「ありえないでしょ?全国一斉に小中高で(休校)。びっくりしましたね」
オンエア後、学校に問い合わせると「情報を詳しく教えて下さい」と逆に質問が。
学校長や教育委員会に通達される前に、安倍総理(当時)や文部科学大臣からトップダウンでいきなり伝えられていたのです。
大石「こんなことは前代未聞だったと思います」
マスク着用・アクリル板・換気の是非は?
次いで選抜高校野球大会は中止、東京オリンピックも1年延期となりました。
大石「緊急事態宣言が出され、街に出られなくなっちゃった。『ステイホーム』って言葉が流行ったじゃないですか」
出国できない状況にもかかわらず、近所の方に「ホームステイ」と何度も聞き間違えられたと大石。また「三密」も流行語になりました。
その後の検証で効果的でないと判明した対策も。例えばアクリル板の設置は、当初期待されたほどの効果はなかったようです。
大石「コロナは飛沫感染ではなく、空気感染だから」
またマスク着用については、コロナウイルスがインフルエンザウイルスより小さいことが周知されず、感染予防効果を過度に期待する誤解もありました。
最も効果的だと判明した対策は、やはり換気。
大石「部屋の中に漂うコロナウイルスの濃度が大事なんだと」
このように科学的に正しいことと、正しくないことが混在していました。
大きな衝撃を与えた有名人の訃報
有名人の訃報も相次ぎました。
3月29日、享年70歳で没した元ドリフターズの志村けんさんを重い口調で偲ぶ大石。
大石「何かの間違いかと思いました。コロナに感染して肺炎になって亡くなった」
4月23日、享年63歳で亡くなったのは乳がんを患っていた女優の岡江久美子さん。
テレビで長年親しまれた方々の訃報は、「高齢者や基礎疾患のある方はリスクが高い」ことを強く印象づけるものでした。
その後のコロナ対策の方向をある意味決定づけたのでは、と私見を述べる大石。
大石「社会の空気が一気に変わった」
また「報道側も十分な判断材料を提示できなかった」と悔やむ大石。
接種が広まったワクチンに関して、重症予防効果のメリットは伝えたものの、デメリットは伝えきれなかったと悔やみます。
新しく始まる国の対策によると、今後パンデミックがあった場合は病を早期に分析し、感染拡大防止につなげるそうです。
非常時に人の言動を変えるのは、ちょっとした意識。
意見の多様性が保たれる社会を目指すには、意識が恐怖に支配されないことが大事、と改めて呼びかける大石でした。
(nachtm)
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