どう接して良いかわからない…Z世代の部下にかけるべき言葉

多くの40代、50代が管理職として働いている現在、いわゆる「Z世代」と呼ばれる部下にどう接して良いのか悩む人が増えています。ジェネレーションギャップは昔から上司の悩みではありましたが、今の若者をどのように接していけば良いのでしょうか?3月8日放送『北野誠のズバリサタデー』(CBCラジオ)では、『できる上司のZ世代をモンスターにしない言葉』(ビジネス社)の著者で一般社団法人日本メンタルアップ支援機構の代表理事、産業カウンセラーの大野萌子さんが出演し、Z世代に声をかける際に注意したいことについて解説しました。聞き手はパーソナリティの北野誠と加藤由香アナウンサーです。
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大野さんはこれまで、『言い換え図鑑』シリーズ(サンマーク出版)で、同じ内容でも伝え方によってコミュニケーションが改善できることを解説してきました。
今回の著書では、Z世代との会社のコミュニケーションに悩む上司向けの良い言い換え方や、Z世代の特徴や本音がわかりやすく解説されています。
実際に大野さんへ寄せられている相談で多いのが、「自分の言動がハラスメントと受け取られないか不安」ということ。
どう関わって良いのかわからないために、相手のことがよくわからないまま接した結果、いきなり辞められたり会社に来なくなります。
そして「その原因が自分にあるのではないか?」と不安を訴える人が少なくないとのことです。
Z世代が消極的になってしまう理由
一方でZ世代の側からすると、「誰に何を聞いたら良いのかがわからない」「忙しそうなので相手に遠慮して声がかけづらい」「話したことがないので接点が持ちづらい」という、コミュニケーションの取り方に悩むことが多いとのこと。
また、今ならではの意見として、「フリーアドレスやテレワークなどの普及により、聞きたい時に人がいない」というものもあるそうです。
さらに「アドバイスを求めてもやんわりとした言葉しか返ってこないため、自分は期待されていないのではないか」と、上司が気遣いが逆効果となることもあるようです。
若い人側から積極的に話しかけるということが少ない原因のひとつに、SNSの影響もあるのではないかと大野さん。
大野さん「悪目立ちじゃないですけど標的になるみたいなことが、やっぱりSNS上とかでちょっとひとこと言っただけで炎上しちゃうというのを目の当たりにしてるじゃないですか。
それが自分たちの世界になると、グループチャットの中とかでも何か言われたり、あいつが何かみたいなことをひとことでも言われたらそれが火種になって、何か大きなことになるんじゃないかみたいな不安があって。自己防衛のひとつでもあると思うんですよね」
どのように伝えたら良いか
ただ、仕事を行なう上では、誰とも会話しないわけにはいきません。
特に上司が部下に伝える上で避けて通れないのが、悪い点を注意するということ。
この際、「相手の人格否定をしない」ことが大切です。
大野さんは、よくある前置きの「こういうことは言いたくないんだけど」というのは、上司の自己防衛と取られるため、ストレートに言ったほうが良いとアドバイスしました。
大野さん「ストレートに言うこと=ハラスメントではないですし、ストレートに言わないと逆に勘ぐっちゃう。
普段の付き合いが少ないと余計にマイナス方向に勘繰るので、ハッキリこうしてねとかこう思ってるよとか」
また、内容は具体的に言わないと伝わらないということもあります。具体的にしてほしいことを表現するのが大切です。
そして「話したことがない人には話しかけづらい」ことを防ぐため、挨拶をすることも大事とのことです。
ハラスメントと受け取られないために
一方で、自分の言動がハラスメントに引っかかっていないか不安な人は、どうすれば良いのでしょうか?
大野さん「相手のことがわからないので、上司のほうも考えすぎというところがあると思うんですよね。
だから基本的に『これを聞いたらハラスメントじゃないか』と思わずに、通常の日常会話を重ねていくことが本当に大事なこと。
挨拶を始めとして、お互いに『こういう人なんだ』ということを知ってくると、やっぱりちょっとしたことでもトラブルにならないということがあると思うんですよね。
知らないと『こう思ってるんじゃないか』、相手のことがわかっていればひとことひとことに引っかからなくて済むということがあると思います」
以前「女性に髪型が変わったことを指摘するとセクハラに当たる」という考えが広まりました。
これに対し、大野さんは「これはセクハラの拡大解釈であって、髪型が変わったことは明らかなので、自分としてはそれは言っても良い」と語りました。
ただ、これに対して「髪を切ったのは失恋?」とプライベートな領域に入るとセクハラになりかねません。
職場で使いたい3つのパワーワード
これだけ気を遣われて過ごすZ世代に対して、北野は「メンタル面で将来心配にならないですか?」と疑問を投げかけます。
大野さん「やっぱり上辺だけのコミュニケーションっていうのは、かえって疑心暗鬼になっちゃうというところがあると思うんです。
一方でSNSなんかを通じて心の内をそこで吐き出せたりっていう、悪いことばかりじゃなくて自分の考えとか間違ってなかったんだなとかっていう確認をすると。
うまく利用できれば、心穏やかに生活できる部分もあると思うんですね。
人って自分が満たされると人との関わりもうまくいくようになるので、自分の心が安定するコミュニティとか安心する場所が持てるようになったら、やっぱりリアルでもやっていこうというふうにはなれるんじゃないかなと思うんですね」
最後に大野さんは職場で使える3つのパワーワードとして、「助かったよ」「ありがとう」「うれしい」という、感謝とねぎらいの言葉を挙げました。
(岡本)
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