日本もそうなる?デンマークで手紙の配達廃止へ

最近、手紙やはがきを書いた覚えはありますか?「年賀状くらいなら…」という方も少なくないのではないでしょうか。近年では「年賀状じまい」という言葉も生まれ、その年賀状さえも出さない人が世代を問わず増えています。3月8日放送のCBCラジオ『石塚元章 ニュースマン!!』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が、そんな手紙やはがきの今後を考えさせられるニュースを取り上げました。聞き手は加藤愛です。
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石塚「最近、郵便書きます?」
石塚の問いかけから始まった今回のトーク。
加藤「書いてないですね…。必要なところに送る、とかはたまにありますけど」
加藤は業務上必要な手続きがあれば郵便を利用するとのこと。
たしかに行政とのやり取りや企業のサービスを受ける上で、郵送で書面を提出する場面はあります。しかしそれもこの頃はぐっと減って、Eメールやネット上での手続きがメインになってきているような気がします。
石塚「特に親しい人との手紙のやり取りって減ってますよね」
街のあちこちで見かけるポストですが、その利用もかなり減っている様子。
石塚「例えば山奥の方だと特に、郵便配達の人が回収しに行っても一通も入ってないってこともあるみたいで」
回収するものがない、もしくは極めて少ないにもかかわらず集配人が遠くまで足を運ばなくてはならない、という業務効率の悪さも問題になってきているようです。
長い歴史に幕
そんな状況は日本に限ったことではないようで、デンマークではついに手紙の配達を廃止することになったそう。
デンマークでは「ポストノルド」という会社が一手に郵便事業を請け負っています。
デンマーク政府とスウェーデン政府が出資をしている会社ですが、ポストに手紙を投函する人が激減したため、400年続いた手紙配達サービスを終了せざるを得なくなってしまったようです。
石塚「400年の歴史ってすごいですよね。日本にも古くには飛脚とかもいましたけど、郵便制度が始まったのは明治になってからですから」
2000年には14億5,000万通ほどあった郵便の数が、昨年には1億1000通しかなかったそうで、25年で90%以上減っている状況。
それにもかかわらず、これまで通りに郵便の運営をしていては経営が成り立たないため、事業の廃止に至ったのだとか。
デンマークでは2025年の末を目途に、ポストもすべて撤去されるとのこと。
ただポストノルド自体は経営を続けるようで、小包の配達事業で生き残りをかけるそうですが、従業員の大勢解雇が予想され、関係者には不安が広がっています。
デジタルの良さ、手紙の良さ
石塚「時代の流れといえば時代の流れですけど、日本も決して他人事ではないよね。よその国の話だねっていうわけにはいかなくなってくる日が来ると思う」
確かにデジタルでのやり取りに慣れると、郵便を出すことは手間やお金がかかるように思えます。
はがきや便箋を購入して、書いたらまた切手を購入して貼って投函するといった一連の流れが億劫に感じるものです。
手持ちの電子機器を使い、その場で全国どころか海外ともやり取りができるメールやSNSと比べると、どうしてもデジタルの方が便利に思えてしまいます。
石塚「でも『書くのが楽しい』『もらうのが楽しい』という文化もありますからね」
加藤「手書きならではの良さなんかもね」
デジタルの時代だからこそ、手紙やはがきを受け取ることが一層嬉しいと感じることもあるのではないでしょうか?
電話も減った?
石塚「今の若い人は電話すらも嫌厭しがちで、『メールの方がいいじゃないですか』って言う方が増えてるんですよね。私は電話すると声が聞けるからいいと思うんですけどね」
メールは自分の都合の良いタイミングで返すことができますが、電話はそうはいきません。そういった面で「メールの方が相手にとって迷惑ではない」と考えている人もいるようです。
石塚「電話の方が相手の雰囲気も分かるし、用事も早く済むしさ」
石塚は電話の方が好きなタイプのようですが、一長一短なので世代や個人の性格によっても分かれそうです。
デジタル化で生活が便利に快適になるのは素晴らしいですが、人々が古くから大切にしてきた文化や風情も、同時に残していくことができると良いですね。
(吉村)
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