高校無償化は実現できるのか?
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2月17日に行なわれた衆議院予算委員会で、石破総理大臣は高校の授業料などの修学支援金制度を拡充するため2025年度予算案を修正する意向を示しました。子育て世帯への支援を求める声が年々大きくなる中で、今回の法案の動きに関心が集まっています。2月18日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、リスナーからの投稿をつボイノリオと永岡歩アナウンサーが投稿を紹介しました。
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石破総理は「2025年度の予算案を修正する方向で与党と相談したい」と述べました。
高校の授業料を世帯年収に関わらず、また国公立・私立ともに、生徒ひとり当たり年間11万8,800円を支給する方針を示したとのことです。
現在は世帯年収が910万円未満の場合、年間11万8,800円が支給されています。
また世帯収入590万円未満では、私立高校の生徒のみを対象に年間39万6,000円が支給されていますが、石破総理はこの金額の引き上げにも言及しました。
授業料の全国平均である約45万7,000円をベースに検討する方向で、さらに2026年度からは高校授業料の無償化を本格実施する方針も示したようです。
お金はどこから?
授業料に関する支給額アップや無償化の方針。子育て世帯にとってはありがたい話ですが、気になるポイントがあるようです。
「高校授業料の無償化、さらに給食費も無料へという案が出ているみたいで。こどもがいるので嬉しいですが、財源はどこから持ってくるか気になります」(Aさん)
育児にかかる費用が軽減されても、税負担が増えてしまっては元も子もありません。結局生活は変わらない状況になってしまうのではないかと心配しているようです。
「この無償化、ターゲットになっている家庭にとっては嬉しい話でしょうが、授業料の無償化といっても、実質は授業料を税金で賄うということで。石破内閣のことですから増税を言い出すのではないかと思っています。
増税となると、ようやく子育てが終わってひと段落した家庭がやれやれと思っているところに、さらに追い打ちになる可能性があります。やはり一番やってほしい事は減税ですね」(Bさん)
つボイ「この辺りにヒヤヒヤしてる方が多いね」
年々増え続ける税負担。これ以上重くなるような事態だけは避けたいところです。
まずはやりくりを
一方でこんな意見も届きました。
「正直、所得制限の撤廃や私立高校に通う世帯にまで支給されるのは疑問が残ります。それなら極端な話、中学のように高校も義務教育化すればよいのではと思います。支給の財源はどうするんでしょうか?
老若男女に関わらず、国民に負担を押し付けるのだけは反対です。この方針を決めた国会議員の方たちに身を削って負担してただきたいと思います」(Cさん)
つボイ「高校の義務教育化っていうのも、やっぱり頭をかすめる問題ですよね」
国民のために何か政策をしようと思うと財源が必要になる。一方で減税を望んでいる国民がいる。このバランスをどう取っていくのかが国会に求められているような気がします。
永岡「これいつも思うんですけど、なんで単純に税収を上げるのかなって。他に無駄はないの?新しい政策をやるのはいいんですけど、他のところを見直したらもっと予算を捻出できるんじゃないかって」
そういった見直しも行なわれてはいるようですが、あまり結果は出ていないようです。
財源がないからといって安易に増税に踏み切るのではなく、今ある財源内でやりくりをして欲しいと語る永岡。
公立は定員割れ?
無償化によるこんな弊害も心配されています。
「私立高校、公立高校ともに授業料が無償化になると、私立に生徒が集中して公立との格差が広がるという懸念があるみたいです」(Dさん)
つボイ「なるほど。野球やりたい子は強い私立に行きたがったりしますよね」
永岡「勉強に関しても私立の方がより専門的なことをやってたり、受験に特化してたりしますしね。やってる内容が違うのに一概に無償化になってしまうと、じゃあ私立の方がいいじゃんってなったりするのかな」
私立高校も公立高校も、それぞれの特色があります。こどもが自身の進路を経済的な理由で諦めることなく、望んだように希望する道を選択できるようになって欲しいものです。
つボイ「もう一年早くやってくれたら、という立場の家庭もあるんじゃないですかね」
永岡「無料になる頃には卒業しとるやないか!ってね」
立場は違えど、財源のことも考えると多くの人の今後の生活に大きく関わってきそうな今回のニュース。さまざまな角度から関心を寄せていることがうかがえました。
(吉村)
番組紹介
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