開始から15年。「裁判員制度」は本当に必要?
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一般市民が裁判員として裁判に参加する裁判員制度ですが、すでに開始から15年以上経ちました。報道などで浸透してきたこの制度について、元裁判官で明治大学の瀬木比呂志教授が、著書『絶望の裁判所』(講談社)で裁判員裁判の必要性に対し、疑問を投げかけています。2月8日放送『北野誠のズバリサタデー』(CBCラジオ)では、オリンピア法律事務所の原武之弁護士が気になるニュースとして、『現代ビジネス』(講談社)の記事を取り上げました。聞き手はパーソナリティの北野誠と加藤由香アナウンサーです。
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制度の現状について、裁判員の辞退が多いことと、複雑な事件の場合に裁判員の拘束が長いことが問題と指摘する原弁護士。
さらに15年以上続いている制度の割には意外と文化として根付いていない問題にも言及。
仕事を休んで裁判員になるのは難しく、定着しているとは言い難い状況だそうです。
裁判員裁判の問題点としてよく言われるのが、殺人など重い事件がすべて対象になっていることで、全件行なう必要があるのかということです。
「被告が犯行を認めている場合でも必要なのか?」と疑問を投げかける北野。
原弁護士は、例えば量刑の決定だけに絞ったり、逆に犯行を否認している事件だけ対象としたり、被告が裁判員裁判を望んだ場合だけに絞っても良いのではないかと提案しました。
制度に向く裁判とは?
ふたりはさらに具体的な事案について、裁判員裁判の必要性を問いかけました。
北野「僕らがよくわからない危険運転致死罪、あんまり有効化されてなくて、もう少し案件をちゃんとしようよって。あんな方こそ裁判員裁判がいるんじゃないかと思うんですよね」
原「殺人だとどうしても遺体の写真とかを見る部分があったりするし、ちょっと非日常じゃないですか。
交通事故も見ますけれども、交通事故は誰でも起こす可能性があることだし、例えば振り込み詐欺の関係だっていろんな社会背景があるわけですから、みなさんの意見を聞いた方がいいと思うんですね。
だから対象とする事件を変えるというのもひとつの手で、そんな重大犯罪にこだわる必要があるのかなと」
例えば裏社会での抗争に関する裁判に参加させても参考になるのかどうかは疑問です。
ルール改正の必要性
裁判員裁判の対象は刑事事件だけですが、原弁護士はそのルールにも疑問を呈します。
原「本当はみんな乖離していると思われてるのは、民事の可能性があって。慰謝料が安いとか、名誉毀損が認められないとか、そういう感覚を入れるのって、本当は民事なんじゃないかっていう議論もあるんですよね。
そうすると、いま硬直的に本当に定着してるのかなっていう状態を維持するぐらいなら、もう一度原点に戻って考え直すという」
裁判は地方裁判所で行なわれますが、結局その後の高等裁判所などでひっくり返ることもあり、「裁判員裁判の意味があるのか?」との疑問が残ります。
原弁護士は「世間の意見を裁判に反映させたいのであれば、裁判官が新卒から定年までやり続けるのではなくて、欧米のように弁護士をしていた人から選挙で選ぶなど、他の経験を積ませる方が良いのではないか」とまとめました。
(岡本)
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