なぜ?コンサルティングが賄賂の隠れ蓑になりやすい理由
1月13日、東京女子医科大学の元理事長が、大学に約1億2,000万円の損害を与えた疑いで逮捕されました。新校舎建設工事の際、一級建築士の68歳の男性に不正な報酬を支払っていたとのことです。1月14日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、このニュースに関して深堀りしました。リスナーからの投稿を交えながら、つボイノリオと小高直子アナウンサーが意見を交わしています。
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この事件では、元理事長の女が大学から一級建築士に支払わせた不当な報酬の一部を、現金でキックバックさせていたことも明らかになりました。
捜査関係者によると、現金は側近の女を通じて紙袋に入れるなどして渡されていたとのこと。
一級建築士の68歳の男性は、大学の「建築アドバイザー」としてコンサルティング業務を行なった報酬を受け取っていました。元理事長は報酬を支払ったと装い、自らに還流させていたということです。
なお、実際にはコンサルティング業務は行なわれていなかったようです。
原因は一強体制
このニュースに関して、リスナーからも意見が寄せられました。
「権力が一点に集中して、周りをイエスマンで固めたことによる弊害だと思います。このような事は法人に限らず国にも言えることで、周囲の意見を聞かない権力者が正しい方向に進むとは思えません」(Aさん)
つボイ「象徴的な事件でもあるわけですね」
歪んだ関係性の中で支配的な構図が出来上がってしまうことは、今回に限らず他の場でもみられます。今回逮捕された元理事長は、大学を私物化してしまっていたとも言えます。
小高「手にした権力を私欲でふるっちゃうっていうことですよね」
つボイ「大学は学問の場であって最高学府という一面もありますが、結構利権も集中するみたいですね。それらが悪用されるのをちょこちょこ見かけるのが残念です」
疑惑のコンサルタント
小高「新校舎の建設にかかる費用が1億2,000万っていうのはどうなんでしょう、妥当な金額なのかな?」
つボイ「どうやらコンサルタント料として支払ってるみたいですけどね」
小高「コンサルタント料って聞くと、最近なんかちょっとドロッとした感じが(笑)」
東京オリンピック・パラリンピックの際にも似たような汚職事件がありました。コンサルティング会社が賄賂の受け皿となっていたのです。
「コンサルタントやってらっしゃる方で、めちゃくちゃ真面目に取り組んでる方いっぱいいると思うんですけど」と前置きをした上で、「コンサルタントってどこからどこまでがコンサルタントなのかわかんない」と疑問をこぼす小高。
なかなか中身が見えてこない、と不透明さを感じているようです。
成果が視覚的に確認しにくい
そんな小高の疑問につボイが答えます。
つボイ「物質が動いてないからでしょ。例えば建設だったら資材や労働力が必要ですけど、コンサルティングは具体的なモノが動かない」
依頼主が抱える課題を解決するために、アイデアや意見を出して支援するのがコンサルタントの仕事です。
小高「それってやっぱり知的な報酬を得るべきものではあると思うんですけど、でもこれまでの事件を鑑みると、なかなか実態が見えにくいところが不正に使われやすいのかなって」
つボイ「真面目にやってる人は腹が立つと思いますよ」
豊富な経験と知識、多角的な視点など総合的に高い能力が求められるコンサルタント業務。企業や個人がよりよく成長していくための手助けをする素晴らしい仕事が、悪事の隠れ蓑にされてしまうのは本当に遺憾です。
小高「つボイさんがお寿司屋さんで、何をどんな順番で食べたら一番お値打ちに満足できるかコンサルティングするので、料金いただけますか?」
不当な対価を要求する気満々で、怪しい仕事を持ち掛けてコーナーを締めくくる小高でした。
(吉村)