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「包丁の柄」から“食中毒”…人気の「低温調理」リスクは?ホントにあった怖〜い食中毒

「包丁の柄」から“食中毒”…人気の「低温調理」リスクは?ホントにあった怖〜い食中毒
CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは、東京女子医科大学 感染症科 教授 医学博士 菊池賢先生です。

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今回のテーマは「〜梅雨にこそ最大級の注意を!〜ホントにあった怖〜い食中毒」

6月を迎え、気温と湿度が上がるこの時期に増えてくるのが「食中毒」。スーパーの帰り道に近所の人と立ち話しをしてしまったり、台所や車の中に食材を放置してしまったり、些細なことでも新鮮な食材に魔の手が忍び寄っていることもあるのだとか。さらに、食中毒の中には重症化するものもあり、神経がやられて運動麻痺になることや、呼吸ができなくなって人工呼吸器を使わないと救命できないケースもあるそうです。そこで今回は、食中毒から身を守る方法を専門医に教えてもらいました。

「食中毒」の基礎知識

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

<梅雨にこそ最大の注意を!>
これからの時期に増える食中毒。先生によると気温が25℃以上、湿度が70%以上になると菌が増えやすくなるのだとか。コロナが落ち着いて、手洗いや消毒などの感染対策が疎かになってきたことも、食中毒が増える原因の1つと考えられるそうです。

<強い感染力「カンピロバクター食中毒」>
カンピロバクターとは、様々な動物の腸にすみついている菌のこと。その菌が、食肉と共に人体に侵入すると、小腸や大腸に付着して増殖し腸に炎症が発生。下痢・嘔吐・腹痛・発熱など様々な症状を引き起こしてしまうのだとか。カンピロバクターが怖いのは、わずかな菌でも発症するほど感染力が強いところ。例えば、同じように食中毒を起こすサルモネラ菌は10万〜100万個の菌を摂取しないと感染しませんが、カンピロバクターは100個ほど摂取すると感染してしまうそうです。

食中毒を招く見落としがちな感染ルート

<見落としがちな感染ルート「包丁の柄」>
見落としがちな感染ルートの1つが「包丁の柄」。包丁の刃はしっかり洗えていても、柄の洗浄が不十分で感染してしまうケースがあるのだとか。特に柄が木の包丁は、表面が削れて溝ができ、菌が入り込みやすいそうです。

<二次感染に要注意!>
食材の菌やウイルスが、調理器具などを介して他の食品にうつることを「二次汚染」と言います。二次汚染を防ぐには、手や調理器具をしっかり洗うことが大切。各自治体でも包丁を洗う場合は、柄まで丁寧に洗うよう注意喚起しています。また、包丁の柄以外にも、キッチンバサミや鍋などの持ち手も、洗浄が不十分になりがち。しっかり洗うことを意識しましょう。

<食中毒予防の洗浄法>
先生おすすめの方法は、消毒用アルコール(濃度70%以上)を霧吹きに入れて吹きかけること。75℃が1分以上保たれるように熱湯消毒するのも良いそうです。調理器具だけでなく、シンクもきちんと洗って消毒をしましょう。

人気の低温調理でハマりがちな落とし穴

<低温調理のリスク>
鶏ハムや角煮、チャーシューなどが柔らかくおいしく作れると人気の低温調理ですが、生肉には、カンピロバクター・サルモネラ・ウエルシュ菌・O-157など様々な菌が存在しています。抵抗力が弱い子供や高齢者は少量の菌でも重症化しやすく、調理の際には注意が必要だそうです。

<ハマりがちな落とし穴「温度」>
肉の加熱殺菌に必要な温度と時間は、63℃なら30分以上、70℃なら3分以上、75℃なら1分以上。注意すべきは、これらはお湯の温度ではなく「肉の中心部の温度」だということ。肉の厚みによっても加熱時間は変わるので、肉が厚くて中心の温度が63℃に達していなかったり、袋の空気が抜けていないと空気の層で熱が伝わらず加熱不足になったりすることがあるのだとか。また、例えば加熱不足で鶏の体温(45℃)程度が維持されると、菌にとって至適な環境となり常温の時よりも菌が増加してしまうそうです。

<低温調理による食中毒を予防するポイント>
肉に赤みが残っている場合は、菌がいる可能性が高いので要注意。正しく調理するには、低温調理器や、肉の中の温度が計れる中心温度計を使用するのがベスト。食中毒を防ぐためにも、器具の洗浄や調理法には気を付けましょう。

食中毒を起こさないお弁当の作り方

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

<お弁当で避けた方が良い食品>
先生によると、ポテトサラダや混ぜご飯は、水分が多く菌が増殖しやすいので避けた方が良いとのこと。他にもソースをかけたとんかつなどは、ソースに水分と糖分が多いため菌が増えやすいのだとか。この場合は、袋のソースを使うなど別にすれば大丈夫だそうです。

<この時期は特に食中毒対策を!>
お弁当作りの際は、上記以外にも冷ましてから蓋を閉めたり、保冷剤を使ったりなど、食中毒対策をしっかり行いましょう。

キケンな間違い!家庭菜園の落とし穴

<ゴボウにそっくりの有毒植物「チョウセンアサガオ」>
チョウセンアサガオは、荒地などに生えている外来植物で観葉植物としても売られています。葉・種・根の植物全体にたくさんの有毒な物質を持っており、摂取すると幻覚や手のしびれ、眩しく感じるなどの症状を引き起こすのだとか。観賞用に庭に植えたチョウセンアサガオの根を家庭菜園のゴボウと間違えてしまい、食中毒になったケースが全国各所で発生しているそうです。

<見分けるポイント>
見分けるポイントは、ゴボウに比べてチョウセンアサガオの根はもろく折れやすいことだそうです。有毒植物は少量食べただけでも身体を害します。見分けに迷ったら、絶対に食べないことが大事。もし食べてしまい少しでも体調に変化があったら、すぐに医師の診察を受けてください。先生によると、過去10年間で食中毒による死亡者数は47人。その過半数が植物毒によるものだそうです。そのため、どの植物にどんな毒があるのか、危険があることを知った上で育てることが大切だそうです。

(2025年6月1日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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