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「太郎」で「ジョージ」はNG!戸籍法改正で読み方の基準強化

「太郎」で「ジョージ」はNG!戸籍法改正で読み方の基準強化

改正戸籍法が5月26日に施行され、戸籍の氏名にふりがなを記載する制度がスタートしました。また法務省は氏名の読み方にも基準を設けました。6月4日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリ』では『弁護士JP』の記事を基に、この制度について、オリンピア法律事務所の原武之弁護士が解説しました。一体どんな名前の読み方が認められなくなるのでしょうか。

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高校球児の名前が読めない!

この制度について原弁護士は、キラキラネームに限らず、いろんな複雑な読み方が増えており、音読みと訓読みだけでなく、語呂合わせ読みみたいなものも出てきていると背景を説明しました。

北野も実感を込めて「高校野球見てても、なんかバッターの名前が書いてあって。『これなんて読むねん!』っていう字が多いですよね」と同意します。

漢字だけでは本人確認が困難になってきたため、ふりがなも管理することになったそうです。

「太郎」で「ジョージ」はアウト

法務省が示した認められない読み方の例は以下の通りです。

まず、漢字の意味や読み方との関連性を認めることができない読み方として、「太郎」と書いて「ジョージ」や「マイケル」と読ませる場合などが挙げられています。

また、漢字に対応する単語に明らかに異なる別の単語を付加した読み方として、「健」を「ケンイチロウ」や「ケンサマ」と読ませる例があります。

さらに、社会を混乱させる読み方として、「高」を「ヒクシ」、「太郎」を「ジロウ」と読ませるなど、漢字の持つ意味とは反対の意味で読ませたり、別人と誤解するように読ませたりする場合も含まれます。

ただし、どこまでが許容範囲なのかは複雑な問題もあります。原弁護士は「アイヌ語由来の地名のように、地域ごとに独特の読み方がある場合、名前でも同様の配慮が必要になるのか」という課題を指摘しています。

「ココア」「サラ」はセーフ

一方、以下の場合は認められます。

まず、漢字の一部を当てる読み方として、「心愛」を「ココア」、「桜良」を「サラ」と読ませる場合。

また、熟語として一般的な読み方として、「飛鳥」を「アスカ」、「五月」を「サツキ」と読ませる場合。

そして、読まないが漢字の意味が関係する「置き字」を含む読み方として、「美空」を「ソラ」、「彩夢」を「ユメ」と読ませる場合です。

ただし、原弁護士は「漢字の『一』で『トップ』と読ませるのはどうなのか」「『〇〇左衛門』『〇〇之丞』といった、その家で伝統的に続いている長い名前はどう扱われるのか」など、ギリギリのラインがどこにあるのかという課題を指摘しています。

北野も「ほんまに寿限無のような世界が出てきたらどうすんのやろ」と笑いながら、極端なケースへの対応についても疑問を投げかけました。

窓口はどう対応?

新制度の運用について、原弁護士は「すぐ命名しなきゃいけないのに、判断に迷ってられないから。誰がそんな早く迅速に判断するのか」と実務面での懸念を語ります。

また、後から戸籍を変更するのは困難であり、窓口での判断も上司への相談を重ねる複雑なプロセスになると指摘。さらに、「旧約聖書の文字を拾った」などと特殊な由来を主張された場合、チェックもできないという対応の難しさについても言及しました。

ふりがな記載制度がスタートしたものの、実際の運用では様々な課題が生じる可能性があり、判断基準の明確化が求められそうです。
(minto)
 

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