元監督の牛島和彦が解説!DeNAがソフトバンクに勝てた理由
11月5日、元中日ドラゴンズ投手で野球解説者の牛島和彦さんがCBCラジオ『ドラ魂キング』に出演しました。3日に日本シリーズを制して横浜DeNAベイスターズが日本一になりましたが、横浜ベイスターズ時代に監督経験のある牛島さんには質問が多数寄せられました。ベイスターズはなぜ日本一になれたのでしょうか?聞き手は加藤里奈と三浦優奈です。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く東克樹投手の好投
「ベイスターズがホークスをKOした分岐点が東投手の好投だと思いますが、牛島さんの意見が聞きたいです」(Aさん)
牛島「確かにそうですね。無理かなと思いましたけど、出てきて抑えましたからね」
東投手はクライマックスシリーズ第1戦で左太もも裏の肉離れで登録を外れていましたが、日本シリーズ第3戦で復帰登板。7回1失点と好投し、DeNAが4対1で勝ちました。
牛島「野球っていいピッチャーがピシャッと抑えると、バッターは何日間かズレるんですよね」
キーワードは「ズレる」
例えば普通の真っ直ぐをバッターが普通に打ちにいって、差し込まれて詰まらされた場合、次の打席からは対応しにいきます。
次に違うピッチャーが来ると、打ちにいくタイミングがズレてしまうそうです。
牛島「だから3連戦の頭ってエース級が放ってくるでしょ。あそこでズラしたりするんです」
牛島さん自身、3割以上打って首位打者を狙うようなバッターから「お前と対戦すると3日間ぐらい調子悪いんだよ」と、オールスターゲームの時に言われたことがあるそうです。
牛島「すごい嬉しかったですよ。1日1~2打席しか対戦してないのにズレることがあるんだと、その時に思いましたね」
いい投手は、たとえ1打席でも対戦打者を何日も苦しめるようです。
DeNAの勝因は?
今回の日本シリーズでは、1・2戦目でソフトバンクが圧倒的な差を見せましたが、ベイスターズは第3戦から怒涛の4連勝で日本一の座を奪いました。
「1・2試合目と、3試合目からの違いは何でしたか?」(Bさん)
「ソフトバンク打線があれだけ抑えられた理由は何でしょうか?」(Cさん)
「山川(穂高)選手を抑えたことが大きいと思いますが、いかがでしょうか?」(Dさん)
牛島「ソフトバンクが油断したわけじゃないんですけど、初戦点も取って勝ってるし、このピッチャーはこう攻略しようではなく、普通に試合に入っていったと思うんです」
DeNAはそこを3戦目から、ボール球を振らせにいったと解説する牛島さん。確かに、空振りして悔しがっているソフトバンクの選手を多く見ました。
ノッてるキャッチャー
牛島「バットが止まるようにならなかった。その流れのまま行きましたね。ワールドシリーズでもそうでしたよね。ヤンキースのジャッジがボール球をどんどん振ってましたもんね」
加藤「これはキャッチャーが判断したんですか?それとも三浦監督の考えだったんですか?」
牛島「バッテリーでしょうね。真っ直ぐで空振りするシーンが結構多かったでしょ?」
ソフトバンクのバッターが、ボール球、落ちる球という意識を持たされてしまったそうです。そこへ150ぐらいの真っ直ぐ。すると振り遅れて空振り。
牛島「振り遅れると、早めに振らなきゃダメって、またボール球を振って空振りしてしまう。だからそういう巡り合わせがDeNAにはよかったかな」
三浦「私、陰の功労者は戸柱(恭孝)選手かなと思ったんですが」
牛島「戸柱よかったね。思いっきりここへ投げて来いみたいな感じで、ノッてるキャッチャーでしたからね」
戸柱捕手はクライマックスシリーズから打っていました。
牛島「打撃が絶好調なキャッチャーがリードしてくれてるんだから、こいつを信じていこう、みたいな気になるんですよ。結果が出るとどんどんバッテリーはノッていけます」
横浜DeNAベイスターズが日本一になれた理由を分かりやすく解説した牛島さんでした。
(尾関)