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疎遠になった親族に「遺産を承継したくない!」という時の対策は

疎遠になった親族に「遺産を承継したくない!」という時の対策は

昨今、少子高齢化により、中小企業や小規模事業者の後継者難が大きな経営課題となっています。そして、元気なうちに資産の管理や、次世代へのスムーズな承継について考えていく必要性も高まっています。 CBCラジオ『北野誠のズバリ』「シサンのシュウカツにズバリ」では、事業承継と資産承継について専門家をゲストに学んでいきます。10月16日の放送では「相続時に妻へ全財産を残すことはできるのか」について、北野誠と松岡亜矢子が三井住友信託銀行 名古屋営業部 財務コンサルタント・渡辺さんに伺いました。

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妻に全財産を残したい

今回は、こどものいない70代のご夫婦からきた資産の相談です。

どのような内容だったのでしょう?

渡辺「ご主人様より、相続が発生した際に、奥さまに自宅や金融資産など全財産を遺すことはできるのか、という相談」

北野「ちなみにご主人には両親やご兄弟はいらっしゃらないんですか?」

渡辺「ご両親は既にお亡くなりになっていて、お姉さんと妹さんがいらっしゃる」

このような場合は配偶者だけではなく、夫の姉と妹も相続人になると続けます。
相続は、配偶者は常に相続人となりますが、第一順位としてこどもや孫、第二順位は父母や祖父母、第三順位は兄弟姉妹甥姪となります。

一人でも「財産が欲しい」と言えば?

北野「ということを考えると、奥さまは旦那さんが亡くなった時に全財産を相続することは難しい?」

渡辺「何も準備もなく相続が発生してしまうと、奥さまはご主人様のお姉さんと妹さんとご主人様の財産をどのように分けるのか、話し合う必要がある」

具体的にどのような話し合いになるのでしょうか?

渡辺「奥さまが全財産を相続することに相続人全員が納得してくれた場合は、全財産を相続できる」

ですが、相続人の中に一人でも「私も財産が欲しい!」という人が現れた場合は、財産を分けなければいけなくなると渡辺さん。
ちなみに現在の法定相続割合は、配偶者が 3/4、兄弟姉妹甥姪は1/4 となっています。

北野「ご主人と、お姉さんと妹さんは普段から頻繁に連絡とってないよね?あったらこんなこと相談にならへんもんね」

渡辺「実は今回のケースも、疎遠になっていたんです」

当事者と疎遠になっていると「財産を欲しいとは言わないだろう」と考える人が多いと渡辺さん。ですが、疎遠だからこそ権利を主張しやすいとも言えるそうです。

北野「普段親密に仲良くて奥さんも知っていたら、逆に言いにくい」

遺言書の効果

「妻に全財産を承継したい」という場合、どのような対策があるのでしょうか?

渡辺「今回のお客様は、『全財産を妻に遺す』という遺言書を作成しました」

この場合、兄弟姉妹は相続人ですが遺留分がないため、奥さまは遺言書通りに全財産を相続することができるとのこと。

ちなみに「遺留分」というのは遺言書があっても最低限相続できる権利ですが、第一順位のこどもや孫、第二順位の父母や祖父母にはあるのですが、第三順位の甥姪兄弟姉妹にはないそうです。

北野も知らなかったようで「これは勉強になった」と驚きます。

北野「これはご主人だけが遺言書を書いたらいいんですか?」

渡辺「当初は、ご主人様が奥さまに財産を遺すことだけを考えていましたが、最終的には奥さまが先に亡くなるかもしれないということで、奥さまも『全財産をご主人に遺す』という遺言書を作成されました」

北野は姉妹から「待った―!」という声がかからなかったのか懸念しましたが、渡辺さんは「大丈夫でしたよ」と答えます。さらにもう一つ気になっていたようで…

北野「これはちゃんと公正証書役場で書かれるんですよね?」

渡辺「はい。もちろん自室でもいいのですが、公正証書役場で作ったほうがいいですね」

改めて「遺言書」の役割は大きいと認識した北野でした。
(野村)
 

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