運動会が半日?騎馬戦も棒倒しもNG?変わりつつある運動会
秋と言えば運動会。いろんな競技があって、お昼時には家族と一緒にお弁当を食べる、そんな特別な1日が変わりつつあるそうです。9月17日放送の『CBCラジオ #プラス!では、ジャーナリストの北辻利寿さんが「学校の運動会も様変わり」をテーマ最近の運動会事情を解説します。
関連リンク
この記事をradiko(ラジコ)で聴く運動会が半日に
「運動会が変わりつつある」という北辻さん、まず小学校を中心に半日の開催となっているとのこと。
北辻「午前中だけで解散です。新型コロナウイルスの感染拡大がきっかけになって、半日にしてみたら、熱中症の予防にもなるし、教員の働き方改革にもつながるし、あと、お弁当を作らなくていいという親御さんの負担も減ります。いろいろと好評でした」
現在は半日開催が主流となっているという北辻さんに、光山雄一朗アナウンサーは「お弁当が楽しみだったのに、それも食べられないですね。シートを広げて、家族で集って、お弁当のおにぎりをほおばる。あれが運動会の風物詩だったと思うんですが…」と残念がります。
運動会のはじまり
運動会の歴史を紐解く北辻さん。
北辻「もともとはヨーロッパの体育イベントが起源といわれていて、日本には明治維新に入ってきて、最初の運動会は明治7年(1874年)、海軍の兵学校で開催されたという説が有力です。今年でちょうど150年です。
特に小学校の運動会は遠足をかねてやっていました。みんなで海辺や河原とかに出かけて行って運動会をするのが主流でした」
現在のように学校の校庭での開催になってきたのは大正時代になってからだそうです。
また最近は春の開催が増えましたが、かつて運動会と言えば秋の行事でした。
北辻「もともと秋に開催するのは天気が安定していること、最初の東京オリンピックが昭和39年10月10日に開催され、体育の日ができたこと。体育の日、10月、運動会というイメージがあって、10月にやりましょうというのが最初は主流でした」
かつては朝から午後3時くらいまで丸1日開催されるのも常でしたが、最近は春に午前中のみの開催と、イメージが変わってきています。
一大イベント
運動会と言えば「予行練習」を思い出す方も多いでしょう。前週から学年ごとに行い、最後は全学年でのリハーサルを行うため、前日は終日運動会の練習だったという学校もありました。
北辻「今から考えるとどうしてあんなにすごいリハーサルをやっていたのだろうと思いません?親も来る、来賓も来る。みなさんに対して運動会という一大イベントをそつなく、滞りなくやり遂げるためのリハーサルでした。でも先生にとっては負担は大変でした。
当日は観客席にイスを持ってきて、そこに自分たちが座って、親御さんたちはその後ろで応援していたし、一緒にお弁当を食べた思い出がありますね」
危険な競技はNG
また開催時期や時間のみならず、競技にも変化があるようです。
北辻「コロナ禍関係なく、棒倒し、組体操、人間ピラミッドは姿を消しつつあります。危険だからです」
棒倒しの想い出を語る光山。
「僕の学校は棒倒しは男子がやりますが、上半身裸でやっていました。結構危険な一面はありました。でも、青春の1ページだったのに」
北辻「騎馬戦も危険だからとなくなりつつあります。赤と白の帽子を取り合う肉弾戦です。
徒競走もなくなりつつあります。これは『勝ち負けをつけるのはよくない」という考えです。よって、赤白の対抗もなくなりつつあります」
運動会はなくならない
「半日のメリットもありますよね?」と尋ねる光山。
北辻「スポーツを楽しむという意味では人と人、こどもとこどものコミュニケーションをとる場でもあるし、その意味では大事です。
半日になってもなくなることがないのが運動会だと思います。
これから10月に向けていろいろなところで楽しい運動会が開かれることを願いたいです」
様変わりしつつある運動会ですが、その楽しさの核は失われていないようです。
(みず)