岡慎之助・橋本大輝ら五輪金メダリストが出場!「今年の総決算」全日本体操団体・種目別選手権で対決!
パリオリンピックから4カ月、世界最高峰の選手が集結する全日本体操選手権。五輪メダリストの華麗な演技に注目が集まります。 11月22日から24日にかけて、三重県四日市市で「第78回全日本体操団体選手権」「第78回全日本体操種目別選手権」が開催されます。パリオリンピックの金メダリストである岡慎之助選手をはじめ、日本のエースである橋本大輝選手、谷川航選手、杉野正尭選手、萱和磨選手など、トップアスリートたちが集結する大会です。東京オリンピック日本代表として活躍し、現在は解説者としても活動する亀山耕平氏に、大会の見どころを聞きました。
団体戦は「徳洲会体操クラブ」が最有力候補
亀山氏は、男子団体戦について「徳洲会体操クラブが最有力候補」と話す。「10年間かけて米田功監督がチームの立て直しを図り、やっと東京オリンピック、パリオリンピックあたりで目を見張る成果を上げました。チームビルディングがしっかりしているチームなので、その力を使って個々が強いという大前提のもと、チームの力が強い徳洲会体操クラブが、やはり今、有力候補かなと思います」と解説しました。
次点の候補として挙げられたのは「セントラルスポーツ」です。「パリオリンピックでキャプテンを務めた萱和磨選手をはじめ、橋本大輝選手・谷川航選手もいるので、かなりメンバーが揃っているチームです。本大会最多のオリンピック経験者を擁するチームになっています」と、亀山氏は評価します。
種目別競技の注目ポイント
ゆか
「鈴木一太選手は、本大会で唯一、前方1回ひねりからの前宙ダブル半分ひねりという技を披露するかもしれません。こちらが一つの見どころになると思います」
あん馬
「杉野正尭選手は、オリンピックの種目別決勝に進出し、世界の強豪8名に名を連ねた選手の一人です。パリオリンピックでも彼が唯一実施したHコンバインという高難度の技に、ぜひ注目していただきたいと思います」
つり輪
「金田希一選手は表現力に秀でています。鹿屋体育大学出身の彼は、約2年前に『世界選手権、オリンピックに出場したい。つり輪で世界と戦える選手になりたい』という強い意志を示しました。その言葉通り、現在は日本のトップに立つ存在となり、世界基準の力技を披露しています」
跳馬
「跳馬における完璧な着地は、まさに歴史的瞬間と言えます。今大会で誰が着地を止め、優勝圏内に食い込んでくるか、そこが見どころとなります」
平行棒
「東京オリンピックでこの種目の銅メダリストとなった岡慎之助選手の演技に、まずご注目ください。また、谷川航選手は倒立の美しさに加え、技の難度の高さと迫力を兼ね備えています。すべての技が大きく展開される豪快な演技をご覧いただけると思います」
鉄棒
「本種目は、東京オリンピックの金メダリストとパリオリンピックの金メダリストの対決という点で、すでに注目度が高いです。しかしながら、実力で申し上げますと、岡慎之助選手以上に、杉野正尭選手、前田楓丞選手、橋本大輝選手の3名が、調子次第では上位進出の可能性を秘めています」
次世代を担う若手選手たちにも注目
亀山氏は、次世代を担う若手選手たちにも注目しています。「本大会に出場する川上翔平選手です。川上選手と岡慎之助選手は同級生であり、北園選手は一つ年齢は上ですが、やはり若い世代に属します。この世代が、今後の日本体操界を牽引していくものと期待しています。」と語りました。
大会の意義
最後に亀山氏は、この大会の意義について次のように語りました。「本大会は今年の総決算の試合です。選手たちが積み上げてきた力を存分に発揮できる機会となります。ここが今年の有終の美を飾る場となりますので、まさに実力が最高潮に達している時期での開催となります」
さらに、来年の展望についても言及しました。「来年の世界選手権日本代表選考会が4月より始まりますが、それに向けての準備をすでに選手たちは進めています。その時期に向けた計画的な技の構成変更などもご覧いただけるかもしれません。来年を見据えた演技を、垣間見ることができるかもしれません」
世界最高峰の技が繰り広げられる全日本体操選手権。今年の総決算と来年への布石が見られる、見逃せない大会となりそうだ。