レプリコンワクチンの安全性を巡る騒動。懸念される点は?
10月から新型コロナワクチンの定期接種が始まりましたが、次世代型ワクチン「レプリコンワクチン」の安全性が界隈で話題になっています。いったいどのような点が懸念されているのでしょうか?11月16日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーがレプリコンワクチンを巡る騒動について解説します。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く渦中の「レプリコンワクチン」とは?
10月から始まった新型コロナワクチンの定期接種。
ワクチンの販売メーカーは従来のファイザー、モデルナに加え、第一三共、Meiji Seikaファルマ、武田薬品工業を含む5社に。
いずれもオミクロン変異株「JN.1」に対応し、最初の4種類がメッセンジャーRNAワクチン、武田薬品工業のみ組み換えワクチンとなっています。
このうち、Meiji Seikaファルマが販売するのが次世代型の「レプリコンワクチン」。
このレプリコンワクチンの安全性に関して、インターネットやSNS上で議論されていると大石。
これまでのワクチンとは性質がやや異なりますが、どのような特徴があるのでしょうか?
新型コロナウイルス由来のスパイクタンパク質の遺伝情報をもとに、体内でスパイクタンパク質を産生することで予め免疫を作り出す点は、従来のメッセンジャーRNAワクチンと同じです。
レプリコンワクチンはこれに加え、メッセンジャーRNAそのものが次々に増える性質(自己増殖)を持つという違いがあります。
学会とメーカーで議論が勃発
今回製造工場を取材した大石。
レプリコンワクチンは自己増殖する性質を持つため、従来型より効果が持続します。
それによって投与量が少なく済み、副反応が減ることも期待されるそうです。
ところが、安全性には疑問の声があり、批判が相次いでいるとのこと。医療機関への嫌がらせや誹謗中傷をする人まで現れています。
大石「社会問題化しているのが現状」
8月に「レプリコンワクチンへの懸念」と銘打った緊急声明を出したのは、日本看護倫理学会。
開発されたアメリカや、大規模治験が行われたベトナムでは未認可で、日本で初めて認可されることを懸念理由のひとつに掲げています。
これに対し、Meiji Seikaファルマは9月、「法的措置も含め厳正に対処する」との緊急声明を出しました。
「事実誤認があり、指摘が非科学的」と反論を行った形です。
大石「非常に強い態度で望む、ということを発表したわけなんですね」
反論の根拠として、オーストラリアで承認申請がなされ、現在は審査の最終段階であることや、アメリカをはじめヨーロッパ以外の他国でも、臨床試験や開発申請準備が進んでいることを挙げています。
大石「日本の認可が最初だけれども、他の国でも準備はされていると」
匿名の告発本による反響も
また、同じ9月に方丈社出版された『私たちは売りたくない!』という刺激的なタイトルの告発本が話題になっていると大石。
著者名は製薬会社社員で構成される「チームK」となっています。
大石「なんでそんな本を出したのか?」
同書によると、著者の同僚が2021年の2回目のワクチン接種3日後に急性心不全で亡くなったこと。
解剖の結果、ワクチンとの因果関係は「不明」となったものの、昨年の予防接種健康被害救済制度では救済認定を得ています。
同社が予定していた約427万回分の供給が半分以下になったため、出版の反響は大きいと指摘する大石。
大石「経営にも影響を与えている」
様々な情報が未だ錯綜するワクチン騒動。
新しい技術だけに、科学的根拠に基づいた安全性の検証と正しい情報の周知が一層求められます。
(nachtm)