北海道・羅臼で昆布の王様「オニコンブ」の漁が解禁!
先週木曜日から北海道・羅臼町で「オニコンブ(羅臼昆布)」の漁が解禁となりました。オニコンブは濃厚な出汁がとれる高級品で、「コンブの王様」とも呼ばれています。7月29日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、羅臼昆布の独特な採取方法や作業工程について、羅臼漁業協同組合 事業部部長の富田康満さんに話を伺いました。
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羅臼昆布の正式名称は「利尻系エナガオニコンブ」。
北海道産の昆布の中でも濃厚な旨味を持つコンブの一種で、羅臼町だけの特殊食材。
良い出汁がとれる高級品として『昆布の王様』とも呼ばれているそうです。
富田さん「羅臼昆布の出汁は少し黄色みがかっていて、味はコクがあり、旨味と香りのある濃厚な出汁が取れます。出汁はコク旨味もあるので、お味噌汁や煮物などの料理にも合いますし、うどんや鍋、湯豆腐などいろいろと使えます」
適当な大きさに切って、そのまま食べてもおいしいのだそう。
採取には熟練の技が必要
羅臼昆布の旬は、7月中旬から8月下旬まで。
昆布は海底の岩礁から海面に向かって生えているので、箱メガネという道具を口でくわえながら海の中を覗き込んで、1枚1枚選んで採っていくといいます。
先端にV型の「マッカ」と呼ばれる木を取り付けた竿を使って、昆布を傷つけないように巻き込みながら採取。
船を操作し、海中を覗き込み、昆布を採る。これらの作業をたった1人で行っているそうです。
富田さん「漁業者は採取場所しかり成長状況の見方など、経験と熟練が必要となります」
生の状態で羅臼昆布の品質を見極めることと、繁茂している場所を知っていることも必要だといいます。
熟練の漁師と未熟な漁師が同じ場所で並んで採取をしても、質と量の両方に差が出るそうです。
おいしさの秘密は工程にあり!
羅臼昆布の独特な工程はこうです。
採取した昆布は天日または乾燥機で乾燥させ、夜露にあてて柔らかくします(湿り取り)。
柔らかくした昆布のしわを1枚1枚丁寧に伸ばしながら巻き取り、一晩置きます(あんじょう)。
巻いた昆布を1枚1枚伸ばし、しわが戻らないように重石をかけて、あんじょうをします。
のした昆布を天日干しにして旨味を引き出し、再びあんじょうをします(日入れ)。
この工程を行うことで少しずつ水分が抜けていき、旨味成分がギュッと凝縮されるそうです。
「昆布の王様」と呼ばれる所以
この作業は7月下旬から9月半ばまで。
最終的に形を整える「ヒレ刈り」を行って選別し、製品となります。
これだけの工程があるのは、羅臼昆布だけなのだそう。
これも羅臼昆布が「昆布の王様」と呼ばれる所以です。
最後に富田さんからメッセージです。
富田さん「漁業者がこれだけ手をかけて一生懸命作っている昆布です。出汁も出ます。昆布の王様といわれる羅臼昆布をぜひとも食べていただきたいと思っています」
「羅臼漁業協同組合直営店 海鮮工房」で検索すると、オンラインショップから購入できます。
(minto)